1958年に登場した「特急電車」の先駆け 鉄道の新時代を切り開いた151系“こだま型電車”を改めて振り返る 旅鉄車両ファイル002『国鉄151系特急形電車』刊行

 インプレスグループで鉄道・旅・歴史メディア事業を展開する株式会社天夢人(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:勝峰富雄)は、2021年12月18日に、旅鉄車両ファイル002『国鉄151系特急形電車』を刊行いたします。

 終戦からわずか13年後の1958年11月1日、東海道本線で151系電車(登場時は20系電車)が特急「こだま」としてデビューしました。高度経済成長期の鉄道は、平行カルダン駆動や軽量車体などの新技術を採用し、技術的な変革期にありました。日本国有鉄道(国鉄)のほか、私鉄でも新技術を採用した車両を次々と投入し、151系はその集大成ともいえる電車です。
 当時の電車は揺れや騒音がひどく、「短距離を乗る鉄道車両」というイメージが強かったのですが、151系では新開発した台車で揺れを抑え、徹底した防音対策で静寂な客室を実現。さらに当時では珍しい冷房を装備して快適な客室を実現しました。その後、1960年6月1日から客車特急の「つばめ」「はと」を電車化するため、豪華なクロ151形“パーラーカー”と食堂車が連結され、東海道新幹線開業前日となる1964年9月30日まで、東海道本線を走り続けました。
 東海道新幹線開業後は山陽本線や九州に直通する特急に使用されたほか、主電動機を変更した181系への改造と追加増備、首都圏で新設された中央本線の特急「あずさ」、信越本線の特急「あさま」に転用されました。しかし、東海道本線とは需要が異なるため、パーラーカーは姿を消してしまいました。そして1982年の上越新幹線開業に伴う特急「とき」の廃止により、181系電車も全車引退となり、151系以来の国鉄初の特急形電車の歴史は、わずか24年で幕を閉じました。
 著者の佐藤博氏は、幼い頃に151系に魅了されて以来、ライフワークとして研究を続けており、鉄道専門誌で151系に関する執筆も行っています。本書では、151系時代の数々の写真に加え、著者が1970年代に撮影した181系のディテール写真を通じて、151系として新製された11形式の活躍と改造をたどっていきます。特にディテールに詳しい著者だからこそ可能な、前面の変化を描き分けたイラストは、151系のたどった複雑な経歴がよく分かります。
 近年は、引退まで大きな改造もなく過ごす鉄道車両も少なくないですが、わずか24年の短い歴史のなかで次々と改造された151系には、日本の鉄道が成長期だった時代が凝縮されていて、非常に興味深いです。


●第1章 151系の概要
今では当たり前の「特急電車」ですが、当時は前代未聞の車両カテゴリーであり、151系の開発は優等列車のあり方を根底から覆すほどの開発プロジェクトでした。そのため、技術面はもちろん、編成や車種構成などのソフト面にも数々の試みが見られました。これは、世界初の高速鉄道として開発が進められていた新幹線への実験の場でもありました。第1章では、製造年次ごとに特徴、変更点などを解説します。また、関連形式である161系、181系(新製車)もここで紹介しています。



●第2章 形式別解説 151系特急形電車
第2章では、151系の個別の形式を解説しています。電動車から解説するのが鉄道書の通常ですが、本章では著者が以前から試みたかった「こだま・つばめ」最盛期の12両編成を、1号車から順に解説しています。各形式の栄枯盛衰が伝わります。また、章の最後には151系の主な編成をイラストで掲載しています。



●第3章 図解 151系先頭車
181系の中でも、151系として落成した26両の顔の変化を著者作成のイラストで解説します。登場から廃車までの顔を描き分けられるのは、ディテールに詳しい著者だからこそ可能な、本書ならではの企画です。



■主な内容

●第1章 151系の概要
・誕生のいきさつ
・151系概説 
 Ⅰ 1958年製車(1次車)/Ⅱ 1959年製車(2次車)/Ⅲ 1960年製車(2次車)/
Ⅳ 1961年製車(3次車)/Ⅴ 1962年製車(4次車)/Ⅵ 1963年製車(5次車)
・161系概説
・181系概説

●第2章 形式別解説 151系特急形電車
クロ151形/モロ151形/モロ150形/サロ150形/サロ151形/サシ151形/
モハシ150形/モハ151形/サハ150形/モハ150形/クハ151形/クロ150形
・151系の主な編成

●第3章 図解 151系先頭車
・151系直系の先頭車 26両の面々

【著者プロフィール】
佐藤 博(さとう・ひろし)
1957(昭和32)年、東京に生まれる。物心ついた頃から電車、特に「こだま型」に憧れる。1961年8月、151系「つばめ」初乗車。1963年11月、151系「こだま」初乗車、食堂車初体験。1970年頃から181系に再び傾倒。1972年頃から1975年にかけ通学途中の上野駅を181系観察フィールドとする。1990年頃から151系生みの親である、星 晃氏と親交を深める。2000~2015年「ボンネット特急の世界」ウェブサイト運営。学習院大学鉄道研究会OB組織「動輪会」会員。

【書誌情報】
書名:旅鉄車両ファイル002 国鉄151系特急形電車
仕様:B5判 144ページ
定価:本体2750円(税込)
発売日:2021年12月18日

全国書店、オンライン書店のAmazonなどで発売中。
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【株式会社天夢人】 https://temjin-g.com/
2007年設立。隔月刊雑誌『旅と鉄道(奇数月21日発売)』をはじめとする、鉄道・旅・歴史・民俗・カルチャーをテーマとした雑誌や書籍を発行し、人生を豊かにするための情報を発信しています。

【インプレスグループ】 https://www.impressholdings.com/
株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:松本大輔、証券コード:東証1部9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「航空・鉄道」「モバイルサービス」「学術・理工学」を主要テーマに専門性の高いメディア&サービスおよびソリューション事業を展開しています。さらに、コンテンツビジネスのプラットフォーム開発・運営も手がけています。
以上

【本件に関するお問合せ先】
株式会社天夢人 担当:林
Tel: 03-6413-8755 / E-mail: info@temjin-g.co.jp
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会社概要

URL
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業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング
電話番号
03-6837-5000
代表者名
松本 大輔
上場
東証スタンダード
資本金
53億4102万円
設立
1992年04月