世界初 フレーム一体成形が可能な遠赤外非球面レンズの量産技術を開発
遠赤外非球面レンズ φ30 mmフレーム一体レンズ
<背景>
近年、環境保全の高まりから遠赤外センサーは熱検知やモニタリングによるエネルギーマネジメントの重要な役割を担っています。また、車載分野では、自動運転の需要の高まりから、可視光カメラではとらえることのできない夜間に、遠方の人物や動物を検知できるセンサーとして普及が拡大しています。このような状況の中、遠赤外センサーは高画素化・低価格化が進んでおり、センサーに使用されるレンズにも高付加価値化が求められています。
一方で、遠赤外センサーのレンズの材料としては安価なシリコンが汎用的に用いられてきましたが、透過率が低く高画素化に不向きであることから、画素が多くなるほど透過率の高いゲルマニウムの球面レンズが多く用いられています。しかしながら、さらに高画素化が進むと、球面レンズ単体による収差の影響が顕著となり、その対応には多くの球面レンズの組み合わせや非球面レンズが必要となるため、コストやサイズが課題となります。
そこでパナソニックは、可視光用非球面レンズの量産化で培ったガラスモールド成形技術をベースに、遠赤外光学系に適した高性能な非球面レンズを低コストで生産する技術を新たに確立しました。
特徴は、下記の通りです。
1. φ3~40mmの幅広いサイズのカルコゲナイドレンズを低価格で提供可能(非球面レンズ、回折レンズ)
2. レンズ外周の保護、鏡筒への設置精度が向上する接着剤不使用でガス汚染リスクのないフレーム一体レンズを製造可能
3. センサー性能向上の実現に必要な鏡筒内の高気密化に寄与できる高気密な鏡筒タイプのフレーム一体レンズを製造可能
今後は、遠赤外センサーおよび遠赤外カメラを製造・販売しているお客様のご要望に沿ったレンズの試作、量産を行うことで、遠赤外センサーモジュールの普及と高性能化へ貢献して参ります。
本遠赤外非球面レンズの生産は、パナソニックの「くらし事業本部 光学デバイスビジネスユニット(山形工場)」「パナソニックデバイス日東株式会社」を想定しています。今後は、高性能かつ低価格な遠赤外非球面レンズの販売を拡大し、遠赤外レンズ成形技術を通じた環境貢献を推進していきます。
※1 パナソニック従来工法比(2022年1月27日現在)
※2 遠赤外用ガラス材料とフレーム材料のみによる接着剤等を用いない高気密なフレーム一体レンズ成形において(2022年1月27日現在、パナソニック調べ)
全文は以下プレスリリースをご覧ください。
▼[プレスリリース] 世界初 フレーム一体成形が可能な遠赤外非球面レンズの量産技術を開発(2022年1月27日)
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2022/01/jn220127-1/jn220127-1.html
<関連情報>
・世界初 フレーム一体成形が可能な遠赤外非球面レンズの量産技術
https://tech.panasonic.com/jp/td/data/material_device_technology/FIR_aspherical_lens.pdf
・パナソニック株式会社 テクノロジー本部
https://tech.panasonic.com/jp/td/material_device_technology.html
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