パナソニック ホールディングスの開発技術がIEEEの次世代通信規格のベースライン仕様に採択 ~有線、無線、海中における通信を一つのデバイスで実現可能に
パナソニック ホールディングス株式会社(以下、パナソニック ホールディングス)は、IEEE標準規格協会(注1)が策定する次世代通信規格IEEE P1901c(注2)の作業部会(2022年11月開催)において、パナソニック ホールディングスが開発したWavelet OFDM方式をベースとする新たな通信規格に適した技術を提案し、このたび採択されました。本次世代通信規格は様々なメディア(Any Media:有線、無線、海中含む)で利用可能です。
IEEE P1901cは、2005年に広帯域の電力線通信規格策定を目的に発足したIEEE 1901作業部会を母体に、2022年5月に設置された新しいプロジェクトです。進展するIoT社会への更なる貢献のため、通信条件として制約の多い環境で動作する高度な電力線通信技術を、他の通信媒体にも展開し利用することを目的に審議を行っております。
パナソニック ホールディングスの独自技術であるWavelet OFDM方式は、既に初版のIEEE 1901-2010規格にて国際標準として採用されています。また最新のIEEE 1901-2020規格では、利用通信帯域を2段階で拡大(標準モードの2倍・4倍)して通信速度を高める機能(最大1 Gbps)や、利用通信帯域を標準モードから2段階で縮小(標準モードの1/2倍・1/4倍)させることで、狭い帯域にエネルギーを集中させ、最大約2倍の通信距離を実現する機能などを有し、IoT時代の様々なニーズに対応してきました。現在、エネルギーやセキュリティの管理、機器制御のため、ビルや工場、社会インフラの通信手段として世界中で広く導入されております。
今回採択された次世代通信規格では、利用通信帯域を標準モードの1/32倍まで縮小可能とすることで、利用周波数を従来のメガヘルツ帯からキロヘルツ帯まで拡張し、様々な媒体での更なる通信の長距離化が可能となります。また、アンテナを利用し、微弱電波による無線通信に適用することで、セキュアかつ通信範囲を制限可能な近距離高速無線(注3)が実現可能です。加えて、従来困難とされていた海中でのIoT通信の実現にも貢献します。海中での通信は、SDGsの一つである海洋資源の探索や海洋生物の保全のために今後重要となる技術です。本技術の海中・水中IoTへの適用は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー))のBeyond 5G研究開発促進事業「研究開発課題名 海中・水中IoTにおける無線通信技術の研究開発(採択番号02301)」(注4)に採択され、技術開発とともに実証実験を進めております。
今回の次世代通信規格は、有線、無線、海中などの様々な媒体で利用可能な通信技術を一つの共通した半導体デバイスで実装することが可能であり、社会の隅々までをカバーするネットワークの構築に貢献します。また、IEEEの国際標準規格として採択され、世界中の様々な分野への導入が進むことにより、IoT機器の導入コストの低減にも貢献することが期待されます。
パナソニック ホールディングスは、Wavelet OFDM技術を次世代通信規格の重要なコア技術と位置づけ、様々な媒体を介した通信を実現する共通デバイスの開発と国際規格化を推進してまいります。また、従来のHD-PLC(注5)同様、パナソニック ホールディングスグループにおける商品やサービスに活用する共に、他企業にライセンス供与することで、同技術の幅広い普及に努め、更なるIoT社会の発展に寄与してまいります。
注1:米国電気電子学会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)傘下の通信規格に関する標準化委員会
注2:IEEE標準化協会が2022年5月に承認・設置した新しいプロジェクト
https://standards.ieee.org/ieee/1901c/10922/
注3:Wavelet OFDMによる近距離高速通信技術は、2021年11月10日PaWalet link技術として発表しました。
https://news.panasonic.com/jp/press/jn211110-1
注4:海中IoT通信技術は、NICTのBeyond 5G研究開発促進事業にて推進されている技術テーマで、国立大学校法人 九州工業大学と共同で開発を行っています。
https://www.nict.go.jp/collabo/commission/B5Gsokushin/B5G_02301.html
注5:「HD-PLC」:パナソニックグループが提唱する高速電力線通信方式の名称で、日本及びその他の国での登録商標もしくは商標です。なお、PLCはPower Line Communicationの略称です。
【技術内容に関するお問い合わせ先】
パナソニック ホールディングス株式会社 事業開発室 IoT PLCプロジェクト窓口
Email:info_hd-plc@ml.jp.panasonic.com
▼[プレスリリース] パナソニック ホールディングスの開発技術がIEEEの次世代通信規格のベースライン仕様に採択(2022年11月28日)
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2022/11/jn221128-2/jn221128-2.html
<関連情報>
・パナソニックが提案した次世代PLC技術がIEEE P1901.3 委員会のベースライン仕様として承認(2018年6月)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn180629-1
・次世代PLC技術が国際標準規格(IEEE 1901a)として認定(2019年3月)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn190325-1
・『第4世代HD-PLC技術と国際標準化』(Panasonic Technical Journal Vol. 68 No. 1 May 2022)
https://holdings.panasonic/jp/corporate/technology/technology-journal/pdf/v6801/p0105.pdf
・IEEE標準化協会が2022年5月に承認・設置した新しいプロジェクト
https://standards.ieee.org/ieee/1901c/10922/
・世界初、Wavelet OFDMを適用した近距離無線通信技術を開発(2021年11月)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn211110-1
・Beyond 5G研究開発促進事業 委託研究
https://www.nict.go.jp/collabo/commission/B5Gsokushin/B5G_02301.html
IEEE P1901cは、2005年に広帯域の電力線通信規格策定を目的に発足したIEEE 1901作業部会を母体に、2022年5月に設置された新しいプロジェクトです。進展するIoT社会への更なる貢献のため、通信条件として制約の多い環境で動作する高度な電力線通信技術を、他の通信媒体にも展開し利用することを目的に審議を行っております。
パナソニック ホールディングスの独自技術であるWavelet OFDM方式は、既に初版のIEEE 1901-2010規格にて国際標準として採用されています。また最新のIEEE 1901-2020規格では、利用通信帯域を2段階で拡大(標準モードの2倍・4倍)して通信速度を高める機能(最大1 Gbps)や、利用通信帯域を標準モードから2段階で縮小(標準モードの1/2倍・1/4倍)させることで、狭い帯域にエネルギーを集中させ、最大約2倍の通信距離を実現する機能などを有し、IoT時代の様々なニーズに対応してきました。現在、エネルギーやセキュリティの管理、機器制御のため、ビルや工場、社会インフラの通信手段として世界中で広く導入されております。
今回採択された次世代通信規格では、利用通信帯域を標準モードの1/32倍まで縮小可能とすることで、利用周波数を従来のメガヘルツ帯からキロヘルツ帯まで拡張し、様々な媒体での更なる通信の長距離化が可能となります。また、アンテナを利用し、微弱電波による無線通信に適用することで、セキュアかつ通信範囲を制限可能な近距離高速無線(注3)が実現可能です。加えて、従来困難とされていた海中でのIoT通信の実現にも貢献します。海中での通信は、SDGsの一つである海洋資源の探索や海洋生物の保全のために今後重要となる技術です。本技術の海中・水中IoTへの適用は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT(エヌアイシーティー))のBeyond 5G研究開発促進事業「研究開発課題名 海中・水中IoTにおける無線通信技術の研究開発(採択番号02301)」(注4)に採択され、技術開発とともに実証実験を進めております。
今回の次世代通信規格は、有線、無線、海中などの様々な媒体で利用可能な通信技術を一つの共通した半導体デバイスで実装することが可能であり、社会の隅々までをカバーするネットワークの構築に貢献します。また、IEEEの国際標準規格として採択され、世界中の様々な分野への導入が進むことにより、IoT機器の導入コストの低減にも貢献することが期待されます。
パナソニック ホールディングスは、Wavelet OFDM技術を次世代通信規格の重要なコア技術と位置づけ、様々な媒体を介した通信を実現する共通デバイスの開発と国際規格化を推進してまいります。また、従来のHD-PLC(注5)同様、パナソニック ホールディングスグループにおける商品やサービスに活用する共に、他企業にライセンス供与することで、同技術の幅広い普及に努め、更なるIoT社会の発展に寄与してまいります。
注1:米国電気電子学会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)傘下の通信規格に関する標準化委員会
注2:IEEE標準化協会が2022年5月に承認・設置した新しいプロジェクト
https://standards.ieee.org/ieee/1901c/10922/
注3:Wavelet OFDMによる近距離高速通信技術は、2021年11月10日PaWalet link技術として発表しました。
https://news.panasonic.com/jp/press/jn211110-1
注4:海中IoT通信技術は、NICTのBeyond 5G研究開発促進事業にて推進されている技術テーマで、国立大学校法人 九州工業大学と共同で開発を行っています。
https://www.nict.go.jp/collabo/commission/B5Gsokushin/B5G_02301.html
注5:「HD-PLC」:パナソニックグループが提唱する高速電力線通信方式の名称で、日本及びその他の国での登録商標もしくは商標です。なお、PLCはPower Line Communicationの略称です。
【技術内容に関するお問い合わせ先】
パナソニック ホールディングス株式会社 事業開発室 IoT PLCプロジェクト窓口
Email:info_hd-plc@ml.jp.panasonic.com
▼[プレスリリース] パナソニック ホールディングスの開発技術がIEEEの次世代通信規格のベースライン仕様に採択(2022年11月28日)
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2022/11/jn221128-2/jn221128-2.html
<関連情報>
・パナソニックが提案した次世代PLC技術がIEEE P1901.3 委員会のベースライン仕様として承認(2018年6月)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn180629-1
・次世代PLC技術が国際標準規格(IEEE 1901a)として認定(2019年3月)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn190325-1
・『第4世代HD-PLC技術と国際標準化』(Panasonic Technical Journal Vol. 68 No. 1 May 2022)
https://holdings.panasonic/jp/corporate/technology/technology-journal/pdf/v6801/p0105.pdf
・IEEE標準化協会が2022年5月に承認・設置した新しいプロジェクト
https://standards.ieee.org/ieee/1901c/10922/
・世界初、Wavelet OFDMを適用した近距離無線通信技術を開発(2021年11月)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn211110-1
・Beyond 5G研究開発促進事業 委託研究
https://www.nict.go.jp/collabo/commission/B5Gsokushin/B5G_02301.html