ロボティクスの導入ハードルを下げる パナソニックHD、ロボットへの動作教示を効率化する技術を開発
パナソニック ホールディングス株式会社は、ロボット制御において、環境(ドアやテーブルなど)との接触を含む動作をロボットに教示する際に、教示した動作を正しく完遂する「パフォーマンス」と、接触時の「安全性」を両立する制御パラメータを効率的に学習する技術を新たに開発しました。
産業用ロボットの活用が進む中、タスク達成(※1)のためロボットに動作を効率的にプログラムする技術がますます重要になっています。ロボットの動作をプログラムする手法として、人がダイレクトにロボットの動きを教示するダイレクトティーチングという手法が、その簡便さから広く採用されています。しかしながら、教示した動作をロボットで再生する場合、モノとの接触がある環境や、人や他のロボットとの協働・分業する環境下では不測の接触リスク(※2)に対応する必要があります。つまりタスクを正確にこなしながら、接触リスクを低減する動作が求められますが、その二つを両立するロボット制御は非常に難易度が高いことが知られています。そこでバネのように柔軟な挙動をするロボットを想定し、人がロボットに教示した動作の分節化と、多目的ベイズ最適化で制御パラメータを求める二段階の手法を考案し、従来法に比べて効率的にロボットをプログラムする手法を開発しました。
本技術の先進性が国際的に認められ、AI/ロボティクス技術のトップカンファレンスであるIEEE/RSJ International Conference on Intelligent Robots and Systems (IROS) 2023に採択されました。(採択率43%)
2023年10月1日から2023年10月5日まで米国デトロイトにて開催される本会議で発表します。
※1:タスクの多くは連続する複数の動作を正確にこなさなければ完遂できません(例えばドア開けタスクの場合、(1)ドアハンドルに近づくアプローチ、(2)ドアハンドルを握って回す、(3)ドアハンドルを引いてドアを開ける)。
※2:例えばドア開けタスクの場合、ロボットアームの位置制御において、制御誤差による初期位置ズレによりハンドルを過剰に回転させる、またドアに対してロボットの向きがずれてしまいハンドルを異なる方向に引いてしまうなどでドアに損傷を与えるリスクがあります。
全文は以下プレスリリースをご覧ください。
▼[プレスリリース]ロボティクスの導入ハードルを下げる パナソニックHD、ロボットへの動作教示を効率化する技術を開発(2023年8月8日)
https://news.panasonic.com/jp/press/jn230808-1
<関連情報>
・Learning Compliant Stiffness by Impedance Control-Aware Task Segmentation and Multi-Objective Bayesian Optimization with Priors
https://arxiv.org/abs/2307.15345
・IROS 2023 公式サイト
・Panasonic×AI WEBサイト
https://tech-ai.panasonic.com/jp/
・Panasonic×AI 公式SNS
https://twitter.com/panasonic_ai
・Robotics Hub WEBサイト
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