国際会議IMEKO World Congressにて混合気体計測技術を産業技術総合研究所で評価した成果を発表
パナソニック株式会社エレクトリックワークス社(以下、パナソニック)は、同社が考案した混合気体計測技術について、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)の国家標準(※1)にもとづいた流量試験システムで評価を実施し、計量・計測に関わる機関が一堂に会する学術会議である国際計測連合(IMEKO)第24回世界大会(ドイツ ハンブルク、2024年8月26日~8月29日)(※2)でその技術成果を産総研と共同で発表しました。
近年、世界各国でカーボンニュートラルに向けた動きが加速する中、水素エネルギーの利用促進に向けた取り組みが活発になっています。水素と空気中の酸素を化学反応させて発電する燃料電池には、より高いエネルギー効率や耐久性向上、更なるコスト削減などが望まれており、研究開発の重要性が増しています。
水素を循環させて再利用する燃料電池の開発では、より高効率な動作を実現するために、水素注入や窒素排気などのタイミング制御を最適化することが必要です。そのためには、内部で循環する水素・窒素混合気体の流量と濃度を正確に計測する必要があります。
今回発表した成果は、燃料電池内における水素循環ラインの流量と濃度を高精度に計測する技術に関するものです。気体流量の国家標準にトレーサブル(※3)な複数の臨界ノズル(※4)を組み合わせた産総研の新たな混合流量・濃度試験システムを用いて、水素・窒素混合気体の流量計測および濃度計測の性能を厳密に検証しました。その結果、計測誤差が発生しやすいバイパス式の水の迂回路構造がある場合においても、パナソニックが開発した流量・濃度計測技術により、流量計測誤差0.5%RD(※5)以下、濃度計測誤差0.04vol%(※6)以下という高精度な水素計測が実現できることを確認しました。本技術は、超音波式水素流量濃度計(GB-L1CMH1A、GB-L1CMH1B)に搭載されています。
なお、本技術は、燃料電池開発以外の用途でも活用可能です。天然ガスの計量分野では、ガスパイプラインへの水素混合が計画されている地域において、水素の混合比率に左右されない高精度なガス流量計測を実現できるだけでなく、濃度計測技術を活用した天然ガスの品質監視にも応用が期待できます。また、水素製造分野では、純度計測など水素の品質管理への応用が考えられます。
パナソニックは、再生可能エネルギーの導入拡大に向け、燃料電池開発や天然ガス計量システムなどにおいて信頼性の高い水素計測技術を提供し、脱炭素社会の実現に貢献します。
※1 国家または経済圏で用いるように国家当局が承認した測定標準
※2 https://www.imeko2024.org/home
※3 測定結果が、国際または国家標準のような適切な標準に対して切れ目のない比較の連鎖によって関連付けられる状態
※4 流速の臨界状態での特性を生かした、高精度な定流量発生装置
※5 測定値(読み取り値や指示値)に対する精度
※6 体積濃度
■リリース関連ページ
・IMEKO発表タイトル:
Ultrasonic Gas Flow and Concentration Measurement in Hydrogen and Nitrogen Gas Mixtures
https://www.imeko2024.org/home
・超音波式水素流量濃度計 ホームページ
日本語:https://industrial.panasonic.com/jp/products/pt/ultrasonic-gas-flow-sensor
・超音波式水素流量濃度計 プレスリリース
日本語:https://news.panasonic.com/jp/press/jn240214-1
【お問い合わせ先】
エレクトリックワークス社 電材&くらしエネルギー事業部 ビジネスソリューション営業部
panasonic_ufm@ml.jp.panasonic.com
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