スキルアップ研究所、「介護職におけるリスキリングへの取り組みに関する実態調査」の結果を発表
リスキリングが必要と考える人が9割、環境整備が課題
株式会社 学研ホールディングス(東京・品川/代表取締役社長:宮原博昭)のグループ会社、株式会社ベンド(本社:東京都千代田区、CEO近藤潔)は、運営する「スキルアップ研究所(https://reskill.gakken.jp/ )」にて、「介護職におけるリスキリングへの取り組みに関する実態調査」を行いましたので、以下に結果を報告いたします。
調査結果全文はこちら:https://reskill.gakken.jp/3340
【調査結果概要】
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今後介護職においてリスキリングは必要と考えている人は9割超
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「リスキリングがしやすい雰囲気」の職場は半数以下
リスキリングがしたくてもできない現状が明らかに
◼️調査背景
現代社会の急速な技術革新と産業構造の変化により、従来の職業技能だけでは対応しきれない新たなスキルが求められるようになった。このような状況の中で、労働者が既存の専門性から新しい能力を身につけ直すこと、つまりリスキリングが不可欠な取り組みとなっている。この状況は介護業界でも例外ではない。
このような状況を鑑み、スキルアップ研究所では「介護職におけるリスキリングの現状」のアンケート調査を行い、介護職についている労働者のリスキリングへの姿勢と、それに伴う苦労や意見を調査・分析した。
◼️調査結果
◆介護業界にリスキリングが必要だと考えている人の割合
「今後の介護業界にリスキリングは必要だと思いますか?」という質問に対し、計91.0%が「必要」「どちらかといえば必要」と回答。リスキリングの重要性は介護業界においても非常に高いことが明白になった。
◆リスキリングへの取り組み率
「現在リスキリングをしていますか?」という質問に対し、49.3%の介護職経験者が「積極的に取り組んでいる」「少し取り組んでいる」と回答。必要性を感じる人の割合との乖離が明らかとなった。
◆介護現場のリスキリング環境の現状
「会社から取得するべきスキルや資格は明示されていますか?」という質問に対し、約6割が「いいえ」と回答した。
「お勤めの会社はリスキリングのための社内研修が実施されていますか?」という質問には57.7%と半数超が「いいえ」と回答した。
「お勤めの会社はリスキリングがしやすいような雰囲気であると感じますか?」という質問には54.5%と半分以上が「いいえ」と回答する結果となった。
以上のアンケート結果から、介護業界においてリスキリングの潮流はまだまだ及んでいないことが明らかとなった。
◆リスキリングのために求められていること
介護職経験者にリスキリングに取り組むために求めることを尋ねたところ、「学習する時間を確保するための勤務体制」「資金の援助」などが多く挙げられた。
必要性を感じつつも、時間や経済面がネックとなり、なかなかリスキリングに取り組めない現状が浮き彫りとなった。
◆寄せられた自由回答
アンケートの自由回答欄には、介護現場のリスキリングに対する生の声が寄せられた。それらのうち、いくつかを以下に紹介する。
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体力勝負の仕事のため、仕事+リスキリングとなると、健康を害してしまう。リスキリングをしたくても、する余裕のない介護職者であふれかえっている。
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人手不足で残業、休日出勤が多く、疲弊している職員が多い。業務を行うので精一杯である。
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体力勝負な職業なので、賃金を上げて人手を増やして勤務時間の短縮をクリアしないとリスキングは実現しないと思っています。主婦業を兼任されている職員も多いので、時間とお金がなければ余裕は生まれません。
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職員同士のコミニュケーションや相談しやすい職場でない限りリスキリングは上手くいかないと思う。
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資格取得には会社の補助が出たが、出勤したことにはならず、学習期間も長いので、資格をとってほしいと会社からお願いされても月3〜4程度しか休みがとれなくなるので厳しいなと思う。また、資格をとった所でそこまで給料に反映されない。
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ローテーション体制なので、時間的な余裕がない。研修日、という名目で、キッチリ設定される状況下で学べると皆に浸透すると思う。また働き手に高齢の方も多く、学ぶという事に対して、積極的でないのも問題。強制的に取り組ませる(業務として)のも必要かと思う。
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リスキリングに取り組む事について現場全体で積極的に容認してくれる環境が必要だと感じます。社内研修だけでなく、全ての介護に関わる資格の取得や外部研修の修了に応じて勤務評価に反映されるなど、第三者にも目に見えて評価が反映されることを証明できる取り組みが必要だと感じます。
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資格など目に見えるものを取得しないと上司から評価してもらえることはないが、知識を増やすことで個人としてのお客様に対するサービスの質は良くなったと感じる。
◼️課題と展望
今回の調査で、リスキリングに取り組みたくても取り組めない介護業界の現状が数値的にも明らかになった。
長時間労働と低賃金のため、自己研鑽の時間や費用を捻出するのが難しい現実がある。また、個人の努力が待遇に適切に反映されにくいことも、やる気が削がれてしまう原因になっているようだ。
こうした現状を変え、「必要」と感じられている介護現場でのリスキリングを推進するには、個人の取り組み任せることなく、組織的な改革や介護現場の労働環境の根本的な改善が求められる。
◼️調査概要
項目 |
詳細 |
調査名 |
介護職におけるリスキリングへの取り組みに関する実態調査 |
対象者 |
介護業界で働いた経験がある方(離職者も含む) |
対象地域 |
全国 |
調査方法 |
インターネット調査 |
調査期間 |
2024年3月13日〜3月20日 |
回答数 |
156 |
調査結果の引用・転載について
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◼️大人の学び直しのためのWEBメディア「スキルアップ研究所」
スキルアップ研究所は、当社実施のアンケートによる最新の実態調査に基づき、独自のキャリア情報や有益な学習法を紹介しています。
実態調査では、スキルアップ及びリスキリング等に関する現状について、実際にアンケートを実施し、結果をもとに解説しています。現状を分析し、今後、より多くの方が望んだ時にスキルアップに取り組める社会を実現するためには次に何をするべきか、生の声をもとに検討していきます。
キャリア情報や有益な学習法を紹介するページでは、実際にキャリアアップ・スキルアップを目指すにあたって参考となるような情報をお届けしています。
「キャリアアップ・スキルアップに取り組みたいが、次に何をすべきかわからない」という方や、「リスキリングって聞いたことはあるけど自分にもできるのかな」と思っている方に是非読んでいただきたい記事となっています。
スキルアップ研究所:https://reskill.gakken.jp/
【企業情報】
◆株式会社ベンド(Bend Co., Ltd.)
https://reskill.gakken.jp/company
代表取締役:近藤潔
設立:2019年3月1日
資本金:1500万円(資本準備金を含む)
所在:〒102-0083 東京都千代田区麹町5-3-23 日テレ四谷ビル 4F
問い合わせ窓口: info@thebend.jp
■株式会社学研ホールディングス(GAKKEN HOLDINGS CO.,LTD.)
https://www.gakken.co.jp/
・代表取締役社長:宮原博昭
・法人設立年月日:1947年3月31日
・資本金:19,817百万円
・売上高:1,641億円、連結子会社75社(2023年9月期)
東京証券取引所 プライム市場情報(証券コード:9470)
・所在住所:〒141-8510 東京都品川区西五反田2丁目11番8号
・電話番号:03-6431-1001(代表)
・事業内容:1946年創業の教育・医療福祉関連事業を展開する持株会社
教育分野:「学研教室」を始めとする教室・学習塾事業、
学習教材などの出版・コンテンツ事業、
教科書・保育用品などの園・学校事業など
医療福祉分野:サービス付き高齢者向け住宅事業、
認知症グループホーム事業、
保育園・学童などの子育て支援事業など
グローバル:150か国以上で活動・事業展開
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