2024年度の国内市場規模は前年比3.9%増の6703億円 『電子書籍ビジネス調査報告書2025』7月24日発売 飛躍への転換期に入ったWebtoon、IP戦略、海外展開、PF戦略

インプレスグループでIT関連メディア事業を展開する株式会社インプレス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:高橋隆志)は、電子書籍市場の動向を調査し、電子書籍に関する調査結果を発表いたします。また、本調査結果の詳細は、新産業調査レポート『電子書籍ビジネス調査報告書2025』(https://research.impress.co.jp/ebook2025)として発行し、2025年7月24日(木)に発売いたします(予約受付中)。

本調査は、出版社、編集プロダクション、制作スタジオ、電子書籍ストア、取次事業者、電子図書館サービス事業者、ベンダー等の主要な電子書籍関連事業者へのヒアリング調査、及びユーザーへのアンケート等を元に、各分野の有識者とインプレス総合研究所により分析したものです。なお、本調査報告書は電子書籍ビジネス黎明期の2003年に第1号を発行し、本年で23年目を迎えます。

<<市場規模>>

2024年度の日本国内の電子書籍市場規模※1は6703億円と推計され、2023年度の6449億円から254億円(3.9%)増加しています。今後、2029年度には8000億円弱に成長すると予測されます。

【図表1. 電子書籍の市場規模予測】

※1 電子書籍の市場規模の定義:電子書籍を「書籍や雑誌に近似した著作権管理のされたデジタルコンテンツ」とし、配信された電子書籍(文字もの、電子コミック、写真集、電子雑誌等)の日本国内のユーザーにおける購入金額の合計を市場規模と定義。月額定額制の利用料金やマンガアプリの課金額も含む。スマートフォンの縦スクロールで読むことに最適化された作品も含む。ただし、電子新聞や、教科書、企業向け情報提供、ゲーム性の高いもの、学術ジャーナルは含まない。また、ユーザーの電子書籍コンテンツのダウンロード時の通信料やデバイスにかかわる費用、オーサリングなど制作にかかわる費用、配信サイトやアプリ上の広告も含まない。

■2024年度の電子コミック市場規模は5878億円に増加、文字もの等と雑誌も増加

2024度の電子書籍市場規模のうち、コミックが前年度から231億円増加の5878億円(市場シェア87.7%)、文字もの等(文芸・実用書・写真集等)が同12億円増加の605億円(同9.0%)、雑誌が同11億円増加の220億円(同3.3%)となっています。

【図表2. 電子書籍市場規模のジャンル別内訳】

<<利用率調査の結果>>

■有料電子書籍利用率は17.8%、有料での利用率は4年連続で減少

モバイル機器(スマートフォン・タブレット)ユーザーに対して、この1年間の電子書籍の利用率を調査したところ、有料の電子書籍利用率は17.8%となりました。コロナ禍の2021年をピークに4年連続して低下しています。また、無料の電子書籍のみの利用率は28.3%となり、昨年から0.5ポイント減少となりました。

有料での利用率が高いのは男性30代の25.7%、男性20代の24.7%、男性40代の23.5%、女性30代の21.7%の順であり、男女とも30代の有料での利用率が最も高い状況です。多くの年代で昨年調査時よりも有料での利用率が低下しています。

また、無料の電子書籍のみの利用率が最も高いのは女性10代の46.9%で、女性30代の34.2%、女性20代の33.1%と続きます。

【図表3. 電子書籍利用率の推移】
【図表4. 性年代別電子書籍利用率の推移】

■オーディオブックは利用率、利用意向ともに拡大傾向

オーディオブックとは、ナレーターが本を朗読したもので、耳で聴く本といえます。オーディオブックの利用経験と利用意向を聞いたところ、「よく利用する」が2.6%、「たまに利用する」が6.8%となり、それらを合わせたオーディオブックの利用率は9.4%となりました。利用率は昨年の8.3%、一昨年の8.8%と比較しても大きく、利用は拡大しています。また、「利用したことはないが、利用したいと思う」と回答した利用意向を持つ人は21.0%となり、昨年から1.2ポイントの増加となっています。

【図表5. オーディオブックの利用率の推移】

Web小説とは、インターネット上の小説投稿サイトで公開される小説のことで、ケータイ小説、オンライン小説、ネット小説等とも呼ばれています。近年、Web小説はコミックの原作としての役割も大きくなっています。Web小説の利用経験と利用意向を聞いたところ、「よく利用する」が4.4%、「たまに利用する」が11.1%となり、それらを合わせた利用率は15.5%となっています。

【図表6. Web小説の利用率】

<<電子書籍利用者実態調査の結果>>

■ピッコマとLINEマンガの2強が伸長

有料、無料を問わず電子書籍を利用していると回答した人に、利用している電子書籍サービスやアプリを聞いたところ、「ピッコマ」の36.6%がトップで、「LINEマンガ」が32.3%で続きます。以下、「Kindleストア」が20.5%、「少年ジャンプ+」が20.4%、「コミックシーモア」が15.2%の順となっています。昨年調査時から、「ピッコマ」や「LINEマンガ」を利用している割合が増加しています。

【図表7. 利用している電子書籍サービスやアプリ名(複数回答、上位20位まで)】

※回答総数3588のうち、当該設問の無効回答を除いて集計している

利用している電子書籍ストアやアプリのうち購入・課金したことのある電子書籍ストアやアプリを聞いたところ、「Kindleストア」が28.6%で最も高く、2位に「ピッコマ」が23.7%、3位に「LINEマンガ」が19.8%で続きます。昨年と比較すると、上位の3サービスやアプリの顔ぶれは同じで、いずれも割合は増加しています。

【図表8. 利用している電子書籍サービスやアプリのうち購入・課金したことのあるサービスやアプリ(複数回答、上位20位まで)】

※有料電子書籍利用者1503人のうち、当該設問の無効回答を除いて集計している

<<調査概要>>

■電子書籍の利用率調査

調査対象   :atocos株式会社 スマートアンサーの保有するアンケートパネル

有効回答数  :10,281サンプル

サンプリング :性年齢階層別スマートフォンでのインターネット利用人口構成比(総務省 通信利用動向調査)に可能な限り整合するように抽出。ただし、年代により回収率が異なっており母集団との乖離が見られるため、比重調整を行った上で分析している

調査手法   :スマートフォン・タブレットのアプリ上でのアンケート

調査期間   :2025年5月21日~28日

■電子書籍利用実態調査

調査対象   :利用率調査で電子書籍を利用していると回答した人

有効回答数  :3,588サンプル(うち有料利用者1,503)

調査手法   :スマートフォン・タブレットのアプリ上でのアンケート

調査期間   :2025年5月28日~6月9日

<<構成・各章の概要>>

本調査報告書は、電子書籍市場について、国内市場規模、国内及び米国の電子書籍分野で理解すべき最新動向、各関連プレイヤーの動向、ユーザーの電子書籍の利用動向などを多角的に分析しています。さらに、電子コミック、Webtoon、デジタルパブリッシングの動向に加え、国内市場が成熟しつつある中で今後の成長の軸として期待され業界外や国外との連携も進むIPビジネス、海外展開等についても多彩な専門家による詳細な解説を掲載しています。

第1章 電子書籍の市場規模

電子書籍の定義を整理。また、電子書籍の市場規模の推移と今後の予測について解説しています。

第2章 国内の電子書籍ビジネスの最新動向

国内の電子書籍の各分野の最新動向を掲載しています。電子書籍市場を深く理解する上で必要な最新トピックスなどを分析を交えながら紹介しています。

第3章 電子コミック・Webtoonの最新動向

市場の中心である電子コミックと縦スクロールコミック(Webtoon)について、プレイヤーや制作の動向、IP戦略、海外展開、新人育成、PF戦略、今後の展望などをより詳細に解説しています。

第4章 デジタルパブリッシング・出版DXの動向

デジタルパブリッシングの定義とその動向を解説。さらには出版DXとして出版社が取り組むべき戦略を整理しています。

第5章 米国の電子書籍ビジネスの最新動向

米国の電子書籍の最新動向を掲載しています。市場規模と最新トピックスを分析を交えながら紹介しています。

第6章 電子書籍ストア・サービスの動向

16の国内電子書籍ストア・サービスについて個票形式で最新動向を掲載。「特徴・コンセプト」「最新トピックス」「戦略・目標」「各種戦略や施策」「売上動向」「料金モデル・サービスプラン」「ユーザープロフィール」「課題」など20項目以上にわたり掲載しています。

第7章 モバイルユーザーの電子書籍利用実態

2つのテーマの調査を、モバイルユーザー(スマートフォン・タブレット)を対象にウェブで行い、その結果を掲載しています。

利用率調査では、スマートフォン・タブレットユーザーを対象に、有料、無料の電子書籍利用率や、紙及び電子のマンガ、書籍、雑誌の購読状況等を掲載しています。

電子書籍利用実態調査では、電子書籍利用者の利用実態を詳細に調査。読む電子書籍のジャンル、利用しているサービスやアプリと購入・課金しているサービスやアプリ、電子書籍を読むときや読む場所、電子書籍を読む環境と量、評価、購入・課金状況、縦スクロールのマンガの利用状況の7つの分類に分け、合計27問の調査結果を掲載しています。

特別付録 

第7章に掲載したユーザーの電子書籍利用実態調査のグラフ・表をExcel形式で収録しています。

■調査報告書の製品形態、及び販売に関するご案内

書名:電子書籍ビジネス調査報告書2025

著:飯田一史/池上真之/落合早苗/菊池健/芳賀佑介/平柳竜樹/真柴涼/

     インプレス総合研究所

発行所:株式会社インプレス

発売日:2025年7月24日(木)

価格:CD(PDF)版、電子版85,800円(本体 78,000円+税10%)

     CD(PDF)+冊子版96,800円(本体 88,000円+税10%)

判型:A4判

ページ数:380ページ

ISBN:9784295022558

詳細、ご予約は右よりご覧ください。https://research.impress.co.jp/ebook2025

以上


【株式会社インプレス】 https://www.impress.co.jp/

シリーズ累計8,000万部突破のパソコン解説書「できる」シリーズ、「デジタルカメラマガジン」等の定期雑誌、IT関連の専門メディアとして国内最大級のアクセスを誇るデジタル総合ニュースサービス「Impress Watchシリーズ」等のコンシューマ向けメディア、「IT Leaders」をはじめとする企業向けIT関連メディアなどを総合的に展開・運営する事業会社です。IT関連出版メディア事業、およびデジタルメディア&サービス事業を幅広く展開しています。

【インプレスグループ】 https://www.impressholdings.com/

株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:松本大輔、証券コード:東証スタンダード市場9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「航空・鉄道」「モバイルサービス」「学術・理工学」を主要テーマに専門性の高いメディア&サービスおよびソリューション事業を展開しています。さらに、コンテンツビジネスのプラットフォーム開発・運営も手がけています。

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ビジネスカテゴリ
雑誌・本・出版物
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会社概要

URL
https://www.impressholdings.com
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区神田神保町1-105 神保町三井ビルディング
電話番号
03-6837-5000
代表者名
松本 大輔
上場
東証スタンダード
資本金
53億4102万円
設立
1992年04月