「フジコ・ヘミング ソロコンサート “COLORS” ~色を付けるように弾く~ presented by WOWOW」最新コンサートの模様を交えて、フジコ・ヘミングと古舘伊知郎のインタビューをお届け!
https://www.wowow.co.jp/music/fuzjko/
フジコ・ヘミング ソロコンサート “COLORS” ~色を付けるように弾く~ presented by WOWOW
3月26日(日)午後5:30 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
フジコ・ヘミング×古舘伊知郎 “COLORS” ~夢をつかんだ手~
4月22日(土)午後2:00 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
3月26日(日)午後5:30 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
フジコ・ヘミング×古舘伊知郎 “COLORS” ~夢をつかんだ手~
4月22日(土)午後2:00 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
真上からピアノとフジコを俯瞰するカメラと、手元をクローズアップするカメラの映像が、ステージ左右に配されたスクリーンに映し出される。想像以上の迫力と美しさに、オーディエンスは釘付けになる。耳と目に鮮烈な刺激を受けて、オーディエンスはフジコの世界に深く浸っていく。
満員のオーディエンスのほとんどは、フジコの人間味あふれるピアノを楽しみに来ている。腕組みしてピアニストのテクニックを値踏みするような人はいない。そうしたオーディエンスに、フジコは真っ直ぐに応える。
古舘伊知郎は二階席で、彼女の演奏を息を呑んで聞いていた。「圧倒的に女性ファンが多かったですね。彼女たちは同性だから、大変な苦難もあったけれども60代後半で花開いた女としてのフジコさんの人生に自分を投影して、ハラハラしながら『フジコさん大丈夫ですか。今後も元気で弾いてくださいね』っていうような、自分とフジコさんが一体化するような感じがあったんじゃないかな」と振り返る。
特に『ハンガリアン・ラプソディNo.2』は素晴らしかった。当時のダンス・ミュージックだった曲の特性を表わすように、フジコはピアノでさまざまなステップを踊ってみせた。弾き終わると右手を胸に当て、一礼すると幕が降りたのだった。
今回のコンサートの演出は、映画『フジコ・ヘミングの時間』の監督・小松莊一良が担当。小松はフジコの魅力はクラシックというジャンルには収まりきらないと常々語ってきた。今回はその集大成を目指すと言っていた通り、フジコを中心に据えて、オリジナリティの高いセット、照明、衣装、カメラワークで彼女の世界観を存分に表現する。
「私はシャンソン歌手のジュリエット・グレコが大好きで彼女のコンサートによく行ってたんですけど、観るたびにいつも『ドラマティックな照明を使っていて、いいな。私も一回やってみたいな』と思ってた。だけどね、クラシック・ファンの中には『ああいうのは安っぽい』とか、すぐそういうこと言う人がいるからなかなかできないでいた」と、フジコは“小松演出”について後日語っていた。彼女は長年の夢を小松の手を借りて実現できたことを喜んでいる。ただし、「私の手は太くてごついけど、いい音が出る。神様からもらった手。でも決してきれいじゃないから、大きく映されるのはイヤよ(笑)」。それでもオーディエンスがフジコの指先に感激しているのは、先の休憩時間での会話を聞けば一目瞭然だった。
第2部で圧巻だったのはベートーヴェンの「テンペスト」だった。第1部での曲目変更などどこ吹く風、この大作をフジコはアグレッシヴに演奏する。一語一語を噛みしめるようなフレージングは、力強いスピーチを聞く快感に似てオーディエンスを圧倒。終わると大きな拍手が起こったのも納得の出来栄えだった。
「僕はこのライブに心を揺さぶられたんですよ。いろんなコンサートに行ってすごいなと思うこといっぱいありますけど、今回は『えっ? 俺にこんなに純なところがあるんだ』っていう発見があった。フジコさんのピアノを聴いているうちにちょっと涙が滲んでくる感じがして。雨だれの音みたいにポンポンって弾き出して、そこから曲に入っていったときに、うわーって揺さぶられて、昔の懐かしくて楽しかった思い出がスーっと浮かんできた。僕はクラシックのことはよくわからないんだけど、自分の中に眠ってる何かがフジコさんのピアノにノックされて立ち上がってくる。それがすごく気持ちよかった」と古舘。
演奏を終えたフジコが立ち上がり、会場を笑顔で見渡す。しばらく経っても拍手が鳴りやまない。「アンコールの万雷の拍手すらも音楽に聞こえてきた。フジコさんのピアノはもちろん、皆さんの拍手も含めて全部音楽だった。だから横浜からの帰り道、『目の保養』って言葉があるけど、『耳の栄養』っていうものがあるんだなと思って、すごく豊かな気持ちになれたんですね」。
感動的な演奏と、ウイットに富んだトークが合わさると、果たしてどんな番組になるのだろうか。どうぞお楽しみに!
文:平山雄一/撮影=田中聖太郎
【番組情報】
“魂のピアニスト”フジコ・ヘミング WOWOW特集「COLORS」
- フジコ・ヘミング ソロコンサート “COLORS” ~色を付けるように弾く~ presented by WOWOW
※放送終了後~アーカイブ配信あり
“魂のピアニスト”フジコ・ヘミング。彼女の思い出の地“ヨコハマ”で開催された一夜限りのスペシャル・ソロコンサートを、WOWOW独占放送・配信でお届けする。
出演:フジコ・ヘミング(ピアノ)
オープニング・セレモニー・アクト:陣内大蔵(シンガー・ソングライター)
アンコール共演ゲスト:ヴァスコ・ヴァッシレフ(バイオリン)
収録日:2023年1月16日
収録場所:神奈川 神奈川県民ホール 大ホール
- フジコ・ヘミング×古舘伊知郎 “COLORS” ~夢をつかんだ手~
※放送終了後~アーカイブ配信あり
“魂のピアニスト”フジコ・ヘミング。彼女と古舘伊知郎の対談と、最新コンサートから、演奏中の手元を中心に再編集した映像で構成されるスペシャル版をお届けする。
出演:フジコ・ヘミング、古舘伊知郎、陣内大蔵、ヴァスコ・ヴァッシレフ
収録日:2023年1月16日 ほか
収録場所:神奈川 神奈川県民ホール 大ホール ほか
- 映画『フジコ・ヘミングの時間』(監督:小松莊一良)
※WOWOWオンデマンドでアーカイブ配信中
60代の後半になって遅咲きのデビューを果たし、一躍人気に火がついた奇跡のピアニスト、フジコ・ヘミング。彼女の知られざる素顔と魅力に迫った秀作ドキュメンタリー。
- フジコ・ヘミング ソロコンサート ~いと小さきいのちのために~ WOWOW Special Version
※放送終了後~アーカイブ配信あり
“魂のピアニスト”フジコ・ヘミング。映画『フジコ・ヘミングの時間』のクライマックスを飾るシーンとして登場する2017年のチャリティーコンサート。
- フジコ・ヘミング 教会ソロ演奏 2020 ~くすしき調べ、とこしえなる響き~
※WOWOWオンデマンドでアーカイブ配信中
フジコ・ヘミングの音楽や世界観を視聴者に届けるWOWOWオリジナル特別番組。教会で無観客にて行なわれた彼女のピアノソロ演奏の模様を収録。ナビゲーターは陣内大蔵。
【番組サイト】
https://www.wowow.co.jp/music/fuzjko/
【プレゼントのお知らせ】
公演ポスター&フジコ・ヘミング直筆サイン入り公演リーフレット 3名様
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