元日本代表・大西将太郎「アイルランドとフランスが引っ張る大会に」ラグビー欧州6カ国対抗戦『シックス・ネーションズ』の見どころを語る

全15試合を生中継&WOWOWオンデマンドでライブ配信(アーカイブ配信あり)

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前身大会の幕開けから140年以上もの歴史を積み重ねてきたラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」が、今年も待ちに待った開幕を迎えた。WOWOWでは今大会も全1515試合を生中継・配信し、試合終了後も見逃し配信で熱戦の模様をお届けしていく。

日本時間2月1日(土)から2日(日)にかけて行われた第1節の3試合では、6カ国による大会になった2000年以降では初の3連覇を目指す王者アイルランドや対抗馬のフランス、スコットランドが白星発進に成功した。しかし、解説でおなじみのラグビー元日本代表の大西将太郎さんは敗れたチームの中にもポジティブな材料があると指摘する。

今回は第1節の結果を受けて、大西さんに2月28日(土)、9日(日)の第2節の見どころ、そしてこれからの展望や注目カードなどについて話をうかがった。

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──今回のシックス・ネーションズ、第1節はフランスが43-0でウェールズに、スコットランドが31-19でイタリアに、アイルランドが27-22でイングランドにそれぞれ勝利しました。

「アイルランドとスコットランドは開幕戦に強いというデータがあり、特にアイルランドは2000年(シックス・ネーションズ初年)からの開幕戦で26戦19勝、勝率73%をマークしています。結果的に3試合ともランキング上位のチームが勝ちましたが、内容としてもどのチームも昨年以上に一体感、成熟の度合いが増してレベルが高くなり、試合内容も非常に濃いと感じました」

──オープニングマッチのフランスvsウェールズは一方的な試合になりましたね。

「敗れたウェールズは何かを変えるというよりも全てを変えなければいけない、というくらいどん底の状態です。タレントや絶対的なリーダーがいないこと、ウェールズ協会の財政難といった事情も関係しています。昨季リーグワンでクボタスピアーズ船橋・東京ベイに所属していたベテランFB(フルバック)リアム・ウィリアムズが再び代表で活躍中ですが、それは若手が台頭していないことの表れとも言えます。ウェールズは7月に来日して日本代表と2試合を行いますので、果たして今大会でどういうラグビーをするのか日本のファンにもぜひ見ていただきたいです」

──フランスは対照的に圧勝で最高の白星発進となりました。

「中心選手、ベテラン、リーダーと、至るところにタレントが揃っているフランスは両WTB(ウイング。第1節はルイ・ビエール=ビアレとテオ・アティソグベ)が特にのびのびとプレーしていました。フィジカルの強さやバックスの展開力はフランスリーグ『TOP14』のレベルの高さの賜物で、見ていて非常に面白いラグビーをしていましたね。キャプテンのSH(スクラムハーフ)アントワーヌ・デュポンはやはり世界最高の9番だと感じさせる活躍を見せています。一戦一戦しっかりと試合していき、その先にラグビーワールドカップ初優勝というターゲットを見据えているはずです。その思いが今後チームにどう伝わっていくか、注目しています」

アントワーヌ・デュポン/Getty Images

──続いては大西さんが解説されたスコットランドvsイタリアについてですが、スコットランドがCTB(センター)ヒュー・ジョーンズのハットトリックで好スタートを切りました。

「シックス・ネーションズで過去3回ハットトリックを達成した選手はいずれもスコットランドの選手で、今回のCTBヒュー・ジョーンズ、昨年イングランド戦のWTBドゥアン・ファン・デル・メルヴァ、一昨年イタリア戦のSO(スタンドオフ。現在はFB)ブレア・キングホーンの3選手です。ハットトリックそのもの以上に、ボールを展開して外の選手が点を取るスタイルに変わってきているところにスコットランドのスタイルの変化が表れています。第1節ではWTBダーシー・グラハムもトライの一つ手前の場面でしっかりと仕事していました。今後もそういった外側の選手たちのトライが増えれば、どんな相手に対してもいいラグビーができるでしょう」

ヒュー・ジョーンズ/Getty Images

──近年昇り調子のイタリアは敗れましたが、途中までは同点と健闘しました。

「イタリアのフィジカルの強さはシックス・ネーションズのどの国にも引けを取りません。それがあらためて証明された試合でしたが、50分や60分ではなく、80分間最後までいかにして戦うか、というビジョンが少し足りなかったと思います。ただ、対戦する国にとっては本当に嫌な相手になることは間違いありません。試合前に注目選手に挙げたCTBトンマーゾ・メノンチェッロは体のキレ、強さ、スピードを要所で見せていましたが、昨年の大会最優秀選手ということで“彼を止めなければ”と以前よりも警戒されていました。その分、横にいるCTBフアン・イグナシオ・ブレックスへのマークが甘くなることもありました。この両CTBをはじめとするイタリアのいい選手たちを日本のファンのみなさんにも知っていただけるとうれしいですね」

──第1節3戦目のアイルランドvsイングランドではアイルランドが逆転勝利を収め、シックス・ネーションズ初の3連覇に向けて好スタートを切りました。

「双方チームとしてでき上がっていましたね。特にアイルランドは完成していて、チームのコンビネーションという点でも素晴らしかったです。前半はイングランドにリードされていましたが、セットピースなど自分たちの強みに常に立ち返ること、冷静にプレーし続けられることが今のアイルランドの強さの要因だと思います。スタッツの中で一番すごいなと感じたのは、23回のマイボールラインアウトを全て成功させたことです。これはなかなかできないことで、今のアイルランドの強さがにじみ出ています。SOはリザーブだったジャック・クロウリーの方がチーム内での評価は高いと思いますが、サム・プレンダーガストが先発しました。引退した絶対的司令塔ジョナサン・セクストンがケガした時に代役を立てるのが難しかった過去を考えて、今回はまだ経験の浅いプレンダーガストにゲームタイムを与えたのではないかと思います」

サム・プレンダーガスト/Getty Images

──敗れたイングランドも強いアイルランドを相手に一時はリードしていました。

「新キャプテンのLO(ロック)マロ・イトジェも悪くはなかったですし、チームとしても“負けたからだめだった”という試合内容ではなく、むしろかなり強くなってきているなと感じました。成長過程にあると思える試合でしたし、彼らとしても自信が持てたのではないでしょうか。ディフェンスでも積極的に前に出てプレッシャーをかけていました。それを一貫して最後までできるかがキーポイントでしたが、勝負どころで負けてしまうというところも最近のイングランドに見られる傾向なので、今後の試合でこうした接戦をものにすることができれば本来の勝負強さを取り戻せるはずです。残りの試合で浮上するきっかけをつかめれば、まだまだチャンスはあると考えています」

──第2節はイタリアvsウェールズ、イングランドvsフランス、スコットランドvsアイルランドの3試合です。大西さんはどのカードに注目していますか?

「まずは解説を担当しますイタリアvsウェールズですね。開幕戦で惜しくも敗れたイタリアは“ウェールズには絶対に勝たないと”と考えているでしょうし、ウェールズも“このイタリア戦こそ勝利を”という思いが強いでしょうから、お互いにプレッシャーのかかる負けられない試合になります。前回大会は5戦全敗、テストマッチ13連敗中のウェールズはイタリアに負けてしまうとシックス・ネーションズ2大会連続で全敗となってしまう可能性もあり、その意味でも非常に重要な一戦です」

──2戦目はイングランドvsフランスです。

「常にライバル関係にある両チームですが、イングランドがフランスに対して早く前に出るディフェンスでいかにプレッシャーをかけ続けられるか、それにかかっていると思います。トゥイッケナム(アリアンツ・スタジアム。イングランドのホストスタジアム)で行われますし、フランスはイングランドファンから相当なブーイングを受けるでしょう。イングランドとしては簡単に得点できるチャンスがそう多くはないと思うので、タイトな試合展開になった時にどうゲームをコントロールするか、その状況で誰がSOに入っているか、などが大事になります。ペナルティゴールによる3点で勝敗が決まるような接戦になるのではないでしょうか」

──スコットランドvsアイルランドは白星発進に成功したチーム同士の一戦です。

「ラグビーワールドカップでもよく対戦するこの2チームは長年のライバルでもありますし、もしかしたら試合内容としてはこの試合が一番面白くなるかもしれません。ただ、近年スコットランドはアイルランドに対して苦手意識を持っているように感じられます。実際、チームの安定感としてはアイルランドの方が上ではないかと考えています」

──アイルランドが勝てばシックス・ネーションズ3連覇にまた一歩近づきます。

「現時点ではその確率が高いと思いますが、優勝の最大のキーポイントになるのは第4節のアイルランドvsフランスです。ダブリン(アイルランドのアヴィヴァ・スタジアム)で行われることもあってアイルランドがやや有利かと思いますが、いずれにしても今大会もアイルランドとフランスが引っ張っていくことになると予想しています」

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大会3連覇へ視界良好のアイルランドが快進撃を続けるのか。対抗馬のフランスがそれを阻止するのか。黒星スタートでもポジティブな面が目立ったイングランドなど他のチームが巻き返すのか。第2節以降も見逃せない好ゲームの連続となりそうだ。

◆◆◆[WOWOW ラグビー 配信・放送情報]◆◆◆

【ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ】

<第2節>

「イタリアvsウェールズ」 2/8(土)午後11:00~[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]

「イングランドvsフランス」 2/9(日)午前1:30~[WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド]

「スコットランドvsアイルランド」 2/9(日)午後11:45~[WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド]

<第3節>

「ウェールズvsアイルランド」 2/22(土)午後11:00~[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]

「イングランドvsスコットランド」 2/23(日・祝)午前1:30~[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]

「イタリアvsフランス」 2/23(日・祝)午後11:45~[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]

<第4節>

「アイルランド vs フランス」 3/8(土)午後11:00~[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]

「スコットランド vs ウェールズ」 3/9(日)午前1:30~[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]

「イングランド vs イタリア」 3/9(日)午後11:45~[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]

<最終節>

「イタリア vs アイルランド」 3/15(土)午後11:00~[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]

「ウェールズ vs イングランド」 3/16(日)午前1:30~[WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド]

「フランス vs スコットランド」 3/16(日)午前4:45~[WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]

※終了時間変更の場合あり

※全15試合を生中継&WOWOWオンデマンドでライブ配信(アーカイブ配信あり)

<関連番組>

【スーパーラグビー パシフィック】

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<第1節>

「クルセイダーズ vs ハリケーンズ」 2/14(金)午後3:00~[WOWOWオンデマンド] ※無料配信

「ワラターズ vs ハイランダーズ」 2/14(金)午後5:25~[WOWOWオンデマンド]

「フィジアン・ドゥルア vs ブランビーズ」 2/15(土)午後0:25~[WOWOWオンデマンド]

「ブルーズ vs チーフス」 2/15(土)午後3:00~[WOWOWオンデマンド]

「フォース vs モアナ・パシフィカ」 2/15(土)午後5:25~[WOWOWオンデマンド]

※終了時間変更の場合あり

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上場
東証プライム
資本金
50億円
設立
1984年12月