伊藤蘭が昨年8月より開催した全国9カ所をめぐるツアーの中から、1/25に東京ガーデンシアターでのファイナル公演の模様を4/13にWOWOWで独占放送・配信!これに先駆け、ライブレポートを公開!

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アンコールでは愛娘・趣里と初共演のサプライズも!東京ガーデンシアターに詰めかけた5500人の大観衆を魅了した伊藤蘭の最新ツアーファイナル公演をWOWOWで独占放送・配信!

 2019年にソロ歌手としてデビュー以来、精力的な音楽活動を行なっている伊藤蘭。昨年8月25日からは、全国9カ所をめぐるツアーを展開。そのファイナル公演が、今年1月25日東京ガーデンシアターで開催された。来場者数は実に約5500人。開演前から迸る熱気が、大寒の冷気を吹き飛ばしていた。

 定刻を少し過ぎると、場内が暗転。骨太なバンド演奏からハードロック調のサウンドが凛々しい「ICE ON FIRE」へ。舞台中央奥から登場した彼女は、黒のライダースジャケット姿。森雪之丞が描いたアダルトかつクールな世界を歌い上げる。2曲目はファースト・ソロ・シングル「恋するリボルバー」。疾走感あふれるコンサートの定番曲に、真っ赤なペンライトを振って応えるオーディエンス。ハートはすでに着火済だ。続く「なみだは媚薬」は、“大人可愛い”横揺れのグルーヴィーな1曲。タイプの異なる楽曲を紡ぐことで、ソロシンガーとしての魅力をまざまざとみせつける。

 爆発的な「ランちゃんコール」が交差する中、再会の喜びを分かち合うMCの後は、はやくもキャンディーズ・ナンバーへ。大ヒットシングル「アン・ドゥ・トロワ」「やさしい悪魔」の2曲はモダンなリアレンジで、懐かしさに新たなスパイスを加える。「銀河系まで飛んで行け!」はオリジナルヴァージョンで披露し、会場を1977年にタイムワープさせる。いずれも吉田拓郎が提供した作品だ。歌い終えた彼女は「3曲とも大好きな曲です」と笑顔を見せる。

 ステージ上で黒い衣装からシルバーのラメが煌びやかなオフショルダーのワンピース姿になると、客席から悲鳴にも似た歓声が起こる。大観衆を完全に虜にした彼女は、サードアルバム『LEVEL9.9』収録曲を続ける。「FUNK不肖の息子」は、かつてMMPの演奏をバックにカヴァーしていた「PLAY THAT FUNKY MUSIC」(Wild Cherry)を彷彿とさせるファンキーな楽曲。「明日はもっといい日」は、売野雅勇がかつての六本木の街並みを描いた華やかなアッパーチューン。そして、エフェクトをかけた彼女のヴォーカルも刺激的なアーバンテイストの「Shibuya Sta. Drivin’ Night」へ。幅広いジャンルの音楽を、自らの世界に染め上げていく。その奥深い表現力には驚嘆するばかりだ。

 彼女を支える凄腕のバンドメンバーたちも素晴らしかった。音楽監督を務める名匠・佐藤 準(Key)を筆頭に、是永巧一(Gt)、笹井BJ克彦(Bass)、そうる透(Dr)、notch(Per)、竹野昌邦(Sax)、渡部沙智子(Cho)、高柳千野(Cho)。極上のアンサンブルが織りなす豊潤なサウンドと彼女の艶やかなヴォーカルのマリアージュに、誰もが酔いしれていた。

 ハイライトは、最新シングル「風にのって~Over the Moon」だった。「Over the Moon」とは、彼女の初エッセイのタイトルにもなった“月もこえてしまうくらい楽しい”というコンセプト。この言葉をモチーフに、「Shibuya Sta. Drivin’ Night」を手掛けた安部純が開放感あふれる眩しいサウンドに仕上げた作品だ。カップリング曲の「大人は泣かない」と共に、“最新の伊藤蘭”を魅せつけて、前半戦は終了した。

 メンバーの演奏による応援歌「SUPER CANDIES」でスタートした後半は、キャンディーズ・ナンバーだけで構成。ランちゃんカラーの赤いフリンジのワンピースに衣装替えした彼女は、コーラスの二人と共に、かつてミキ(藤村美樹)、スー(田中好子)と共に歌い踊ったナンバーを連ねていく。「危い土曜日」「その気にさせないで」と紡いだ後は、ミキがセンターを務めた「わな」を歌い聴衆を驚かせる。そして、当時を振り返り、熱い思いを言葉に託した後は、お待ちかね名曲のオンパレードだ。「ハートのエースが出てこない」「年下の男の子」「暑中お見舞い申し上げます」、そして「春一番」。その場にいる全員とキャンディーズという永遠の輝きを分かち合う。

 圧巻は、紙テープ投げ入れが解禁された「哀愁のシンフォニー」だった。メンバーカラーの赤、青、黄色の紙テープが客席からステージに次々と投げ込まれていく。いつまでも胸に残るであろう荘厳な風景。紙テープが放つ美しい軌跡が、時間と空間を超えてあの頃と現在を繋げていくようにも見えた。本編最後はキャンディーズの“ラストシングル”「微笑がえし」。あふれ出る思いに、胸の震えが止まらなかった。

 ターコイズブルーのドレスに着替えて再登場したアンコール。彼女はこれからの人生への願いも込めた「美しき日々」を歌う。踏み出すその第一歩を祝福するようなアンセムが誰もの心に鳴り響いていた。そして、この日最大のサプライズが、彼女にとって大切な家族でもある俳優の趣里の登場だ。趣里は自らが演じた、NHK朝の連続テレビ小説『ブギウギ』のヒロイン福来スズ子が歌った劇中歌「買い物ブギー」を披露。スズ子のモデルである“ブギの女王”笠置シヅ子へのリスペクトも感じられる熱唱に場内はやんやの喝采が贈られる。トランペットの二宮孝裕が加わった「ラッパと娘」では、ゴキゲンなスィングが炸裂する。愛娘の歌唱を見届けた彼女も感慨深そうな微笑みを浮かべていた。

 そして、この夜最後の曲はふたりで。手を繋いで、トータス松本と奥田民生が共作した「春になったら」をデュエットする。天井から降るウイングハートが舞う中で希望に満ちた楽曲を歌い上げ、コンサートは終了した。キャンディーズ時代から今日までの自身の足跡を辿りながら、心の在りようや生きざまを散りばめた見事なセットリスト。昭和から平成、令和へと至る日本の音楽シーンの歴史やルーツも紐解かれていくような全25曲だった。過去をアップデートして現在に形を変え、そして未来へ向かう。素敵な余韻を味わいながら、ふと、彼女が掲げた“Over the Moon”の意味がわかったような気がした。


【番組情報】

伊藤蘭 ~Over the Moon~ コンサート・ツアー 2024-2025

4月13日(日) 午後7:30

5月16日(金) 午後9:00 ※リピート

WOWOWライブで放送/WOWOWオンデマンドで配信

※放送・配信終了後~3週間のアーカイブ配信あり

収録日:2025年1月25日

収録場所:東京 東京ガーデンシアター

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