大崎善生氏の遺稿集『リヴァプールのパレット』3月1日発売。生命を賭して著者が紡いだ、読者へのラストメッセージ
「この小説を書けたことは幸せです。」――大崎善生
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令和6年8月3日、癌のため66歳で逝去された作家・大崎善生氏。株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区)は、遺稿集『リヴァプールのパレット』を2025年3月1日(土)に発売します。
闘病中に書き上げた表題作をはじめ、単行本初収録の短編、 藤井聡太王位の就位式で披露され感動を呼んだ「声なき祝辞」の完全版を収録しました。
遺稿集『リヴァプールのパレット』について
人に対して常に優しいまなざしを向け、言葉を届けた大崎善生の遺稿集
生命を賭して著者が紡いだ、読者へのラストメッセージ
ずっと前に早世した妹といま余命宣告を受けた自分をつなぐことで見えてくる人間の孤独、湧きあがる思い、粉雪のように静かに舞い降りる記憶――。著者が闘病中に最後の作品と心定めて書き上げた絶筆「リヴァプールのパレット」。上質なセンチメンタリズムが内包された「僕たちの星」「彼女が悲しみを置く棚」。声帯を摘出したことを明かし、夫人が代読した藤井聡太王位の就位式祝辞――「声なき祝辞」の完全版を収録。
【目次】
小説
リヴァプールのパレット
僕たちの星
彼女が悲しみを置く棚
祝辞
声なき祝辞
【編集担当より刊行に寄せて】
大崎さんはいつもお酒を飲んでいた。取材旅行にご一緒したとき、朝の7時から缶ビールを空けていたので誇張ではない。午前中にご自宅に伺ったときも、そこから翌朝まで付き合ったときも、ずっと飲んでいた。きっと、酔っ払わないとこの醜い世界と向き合う気になれなかったのだろう。それぐらい純粋な人だった。その純粋さが大崎作品の本質だと思う。本書に収録されたすべての作品に、その純粋さが満ちている。最期まで書くことやめなかった大崎さんの最後の一冊、ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。
【書誌情報】
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発売:2025年3月1日(土) ※電子書籍同日配信予定
定価:1,870円 (本体1,700円+税)
頁数:184頁
体裁:四六判上製 単行本
装丁:川村哲司(atmosphere ltd.)
ISBN:9784041159521
発行:株式会社KADOKAWA
初出:
リヴァプールのパレット――「小説 野性時代」2024年10月号
僕たちの星―― 「小説現代」2012年4月号
彼女が悲しみを置く棚――「花椿」2013年7月号
声なき祝辞――2023年11月7日、第64期王位就位式にて
著者プロフィール
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大崎 善生(おおさき よしお)
1957年、札幌市生まれ。2000年、デビュー作の『聖の青春』で新潮学芸賞を、01年『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。02年には、初めての小説『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞した。小説作品に『アジアンタムブルー』『ロックンロール』『孤独か、それに等しいもの』『別れの後の静かな午後』『スワンソング』『孤独の森』『ランプコントロール』『ユーラシアの双子』『エンプティスター』『ロストデイズ』、ノンフィクション作品に『ドナウよ、静かに流れよ』『赦す人―団鬼六伝―』『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』などがある。2024年8月、癌のため逝去。
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