NHKアニメで話題! 「赤毛のアン」シリーズ続刊『新訳 アンの青春』『新訳 アンの初恋』が本日発売! 物語を100倍楽しむポイントは?

本当の恋は一生に一度だけ。作者の人生が盛りこまれた第2巻、アンが最も重要な決断をする第3巻が発売!

株式会社KADOKAWA

株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、 代表取締役社長:夏野剛)は、 2025年4月25日(金)に、「赤毛のアン」シリーズの第2巻『新訳 アンの青春』、第3巻『新訳 アンの初恋』(モンゴメリ 河合祥一郎=訳 角川文庫)を発売します。

本作は言わずと知れた、カナダの名作です。NHK Eテレで放送中のアニメ「アン・シャーリー」(原作は村岡花子訳)に合わせて、新たに、英文学者で東大教授の河合祥一郎氏による新訳を刊行することになりました。

多くの出版社からたくさんの訳がでている「赤毛のアン」シリーズですが、河合訳の最大の特徴は、「英文学研究の第一人者が訳した、文学少女としてのアン」です。というのも、本シリーズには作者モンゴメリの英文学への愛と教養が散りばめられており、それが作品の厚みとなり、アンという人物造詣のリアリティにつながります。

以下に本書の魅力と河合訳の特徴、さらに本書を100倍楽しむポイントについてもくわしくご紹介します。

『新訳 アンの青春』
『新訳 アンの初恋』

まずは未読の方のためにも、本書のあらすじについて。

<『新訳 アンの青春』あらすじ>

16歳のアンは母校の教師になり、生徒たちに愛されたいと奮闘する。家ではマリラが引き取った双子の世話に大わらわ。そんな折、新しい友人ができる。ミス・ラベンダーという白髪の女性で、25年前に婚約者とケンカ別れして以来ずっと独身だ。若き日の失恋に今も苦しむ姿に、アンは……。ギルバートとの関係に進展が? 実は作者の夢が託された第2巻。読解に必須な、作者の恋愛、結婚、愛した文学についても徹底解説!

『新訳 アンの青春』を100倍楽しむポイントby担当編集

『アンの青春』はアンが故郷アヴォンリー村で教師の仕事をはじめ、奮闘する物語なのですが、同時にミス・ラベンダーという中年女性に出会い、彼女を通して、初恋を成就させることの難しさ、そしてそれを失ったときの苦しさをアンが学ぶ物語でもあります。ですから第3巻『アンの初恋』でアンが人生で最も重要な決断をくだすとき、第2巻のミス・ラベンダーのエピソードは意味深いものとなります。読者のみなさんがミス・ラベンダーのお話を読むときに、もしかしたら「アンの話じゃないしな……」というように、人ごとのように感じられてしまうかもしれませんが(私は感じました(^^;))、実はこのミス・ラベンダーのエピソードは、作者モンゴメリ自身の人生が盛りこまれています。モンゴメリも本当に愛する人ハーマン・リアードを捕まえておくことができずに、別れてしまったのです。ミス・ラベンダーの愛する人はその後他の女性と結婚して息子(ポール)をもうけるのですが、モンゴメリの愛する人は若くして亡くなってしまいます(このあたりのくわしいお話は「訳者あとがき」をお読みください)。ミス・ラベンダーは25年間失恋に苦しみつづけ、やがて彼と再会するのですが、はたして彼女の人生が不幸だとモンゴメリはとらえていたのでしょうか? 現代にも通じるテーマですね。ミス・ラベンダー=パラレルワールドのモンゴメリと見做して、アンといっしょにモンゴメリを応援する気持ちで読んでいただいたら、きっとこの物語を100倍楽しんでいただけるでしょう。

<『新訳 アンの初恋』あらすじ>

いよいよ大学に進学したアン。青春を楽しみ、花開いていくアンに男の子たちは夢中。もちろん幼馴染のギルバートも。だけどアンは戸惑い、逃げだすばかり。ある雨の日、理想の王子様ロイと出会い、交際開始。なのにギルバートに恋人ができたと知り、落ち着かなくなり…。本当の恋って何? アンが人生で最も重要な決断をする第3巻。読んだら感動が倍増する徹底解説も掲載。作中の謎めいた詩や台詞から登場人物の心の秘密を解き明かす。

『新訳 アンの初恋』を100倍楽しむポイントby担当編集

本書のテーマは「初恋」。念願のレドモンド大学に進学したアンは、女性として開花し男の子たちにモテモテ! そして、アンに恋する幼なじみのギルバートと、理想の王子様ロイとの間で揺れる三角関係に……とはならず、「この人が運命の人だ!」と、あっさりロイと付き合ってしまうお話です。付き合ったらハッピーエンド?ではなく、なぜかギルバートが気になるアン。恋人ができたと聞いて焦る焦る。なんと自分勝手な!とお怒りになられる読者の方もおられるかもしれませんが、アンには恋への憧れはあるけれど、本当の恋が何かわかっていないんですよね。だから男の子にモテても、「なんかキモっ! フったらうらまれるし、思ってたんとちがう!」となってしまいます。(やっぱり自分勝手な!とお怒りになられるかもしれませんね……(^^;)。)実はこのエピソード、作者モンゴメリの実体験が描かれています。モンゴメリも若い頃モテモテだったんです。ですが、モンゴメリは上述もしたとおり、本当に愛する人とは結ばれませんでしたし、その彼は早世します。男の子にモテても幸せになれない、むしろ迷ってしまって、自分にとって本当に大切な人が見えなくなってしまう、という現代にも通じるテーマです。そういう視点をもってお読みいただけると、アンの初恋のゆくえをドキドキワクワクと楽しむと同時に、ポジティブに見えていたものがじつはネガティブだったのかも?という固定観念をひっくりかえされる面白さを感じるかも知れません。そして、もうひとつのキーワードは「猫」。モンゴメリにとって猫がどんな存在か知っていると、この物語がアンと私たちをどこへ連れていってくれるのか、おわかりになるはずです。詳細は「訳者あとがき」をお読みください。モンゴメリの人生がくわしく語られています。

つぎに、河合訳の特徴について。

●英文学研究の第一人者だから訳せた、文学少女としての『アン』

アンという少女のいちばんの魅力はその想像力ではないか、と訳者の河合祥一郎氏は考えます。以下『新訳 赤毛のアン』「訳者あとがき」より抜粋・編集。

独りで汽車に乗って知らない村へやってきて、来るはずの迎えの人が来ないとなれば、通常の人間なら心配で途方に暮れるだろうに、アンは、駅の近くの桜の木に登って一晩明かせば明日はきっとお迎えにきてくれるだろうと楽観視し、「月明かりに白いお花が浮かびあがる桜の木で眠るなんて」「大理石のお屋敷に住んでいるつもりになることだってできる」から「すてき」と夢見る――このロマンティックな想像力こそ、アンの本質と言えるのではないだろうか。

このロマンティックな想像力はアンの文学性にささえられたものであり、その基となるのが、アン、ひいては作者モンゴメリの英文学への愛と教養の深さです。

シェイクスピア研究の第一人者である河合氏だから、作品の細部にわたって描かれる、英文学への憧憬を理解し、余すことなく訳に反映させることで、ただ物語を追うだけでなく、原作の背景や時代性や本質をとらえた訳になっています。

なお、『新訳 アンの青春』『新訳 アンの初恋』の「訳者あとがき」では、シェイクスピアの特徴の一つ、オクシモロン(「きれいで汚い」などの物事の二面性を示す、矛盾した表現)が本作でも使われていることを看破しています。またモンゴメリはシェイクスピアの『オセロー』や『マクベス』を引用するのではなく、深い理解に基づいて、それをひねったり応用したりして自分の作品に活かしています。それがあまりにも巧みだと河合氏は語ります。こういったお話は専門家の方にお聞きしないとわからないことなので、この「訳者あとがき」は必読です! ぜひ「訳者あとがき」をお読みいただいて、モンゴメリの文学性の視点からアンの物語を楽しんでいただきたいです。

また、河合訳の他の特徴についてもご紹介します。

●完訳&新訳

翻訳は原文をすべて訳している、と思われがちですが、児童向けの作品や、古い名作となると、ページ数をおさえるために、カットされている場合があります。そういった訳を「抄訳」といいますが、河合訳は一言一句すべてを訳した「完訳(全訳)」で、かつ、「新訳」です。

●初出について。児童書から大人向けに改訂

角川つばさ文庫から、同訳者で同名の上下巻にわかれて児童書(こちらも完訳で新訳)が刊行されていますが、本書はそれらを大人向けに改訂したものになります。

アニメを楽しんだ方も、未見の方も、ぜひ角川文庫の「新訳 赤毛のアン」シリーズをご一読ください。絶対に感動する名作ですので!

『新訳 アンの青春』について

◆書誌情報

『新訳 アンの青春』(角川文庫)

著:モンゴメリ 訳:河合祥一郎

発売:2025年4月25日(金) 定価:990円 (本体900円+税)

ISBN:9784041160091

発行:株式会社KADOKAWA

詳細ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/322411000267/

『新訳 アンの初恋』について

◆書誌情報

『新訳 アンの初恋』(角川文庫)

著:モンゴメリ 訳:河合祥一郎

発売:2025年4月25日(金) 定価:990円 (本体900円+税)

ISBN:9784041160107

発行:株式会社KADOKAWA

詳細ページ:https://www.kadokawa.co.jp/product/322411000268/

著者プロフィール

モンゴメリ Lucy Maud Montgomery

1874年カナダ、プリンス・エドワード島生まれ。1908年に最初の長篇小説Anne of Green Gablesを出版。世界的ベストセラーとなる。日本では村岡花子による翻訳『赤毛のアン』として親しまれる。オンタリオ州に移り住み、その地で数々の作品を執筆した。1942年トロントにて逝去。

 

河合祥一郎(かわい・しょういちろう)

1960年生まれ。東京大学およびケンブリッジ大学より博士号を取得。現在、東京大学教授。著書に第23回サントリー学芸賞受賞の『ハムレットは太っていた!』(白水社)、『シェイクスピア 人生劇場の達人』(中公新書)など。角川文庫から、シェイクスピア作品の新訳のほか、「新訳 ドリトル先生」「新訳 ナルニア国物語」「ポー傑作選」シリーズ、『新訳 サロメ』『新訳 ドリアン・グレイの肖像』『不思議の国のアリス』などの翻訳を刊行。

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資本金
656億円
設立
2014年10月