病気や障がいをキーワードにつながるマッチングシステム「ゆりかご」リリース
匿名・無料で利用可能。出生前診断をうけた後などにも、将来を「見える化」する場所として利用可。
ピアサポートとは、「同じような立場の人によるサポート」といった意味で用いられる言葉です。
ここでは、これから病気や障がいと携わる方や、すでに携わっている方同士が繋がることで、互いを支え合える環境づくりを目指しています。
【患者家族と医療者が一緒に作るシステム】
「中絶を決める前に病気や患者のリアルを知ってほしいという気持ち」は家族も医療者も同じです。
病気の専門家は医療者ですが、病児の子育てについては家族に聞くのが一番と考えています。
また、中絶について悩んだ経験を持つ場合もあり、妊婦さんにとって一番の理解者になる方々です。
ゆりかごでは
1) 中絶も出生も強要しない
2) 家族の自己決定権を尊重する
3) 相談者の決定を、ピアサポーターが知ることはない
という3点について、同じ想いを持つ方のみがピアサポーターとして登録され、相談にあたります。
【いつでもアクセス可能】
生まれる前の赤ちゃんに病気が見つかった時、母体保護法上は人工妊娠中絶は認められていません。
しかし実際には、産み育てるかどうかの選択をしている現状があると言えます。
出生前診断をしたときに家族に与えられる時間は、数日から数週間です。
その限られた時間の中で、より自分と似た状況の家族と出会えるプラットフォームを目指します。
【匿名で登録可能】
ピアサポーター側もユーザー側も、名前を出すことに抵抗を感じているのが現状です。
匿名にすることで相談のハードルを下げることができます。
【多様な意見を聞ける】
個人差があるからなんともいえないという説明では不安が募る一方です。幅広い症状を持つ病気だからこそ、ひとりの意見だけではなく、多数の意見を聞き、妊婦さんの心の受け皿を大きくするのが目的です。みなの普通の範囲が大きくなれば、みなが暮らしやすい社会になると思っています。
一般的なマッチングアプリとは異なり、特定の個人を絞り込み出会う仕組みではありません。設定した条件にマッチするサポーター集団に相談を投げかけ、みなでサポートする仕組みです。医療サポーターもおり、情報の質の担保や医学的な質問に対する回答も行います。
【障がいの本質を知り社会にフィードバックする】
患者家族同士の交流の場、支え合いの場として機能するだけでなく、病気や障がいの実態調査をする機能も備えています。病気や障がいを持つご家族が何に困っていてどんなサポートを求めているかの実態調査があります。また、産まないという選択をしたご家族からも、どんな世の中だったら生み育てられると思うかという調査もします。これらを学会や行政にコツコツとフィードバックして、住みやすい社会づくりに関われたらと願っています。
【あなたに使って欲しい仕組みです】
元気な子供が欲しい、それは自然な想いです。
しかし100人に約4人の割合で "生まれつきの病気" があるのも現状です。
いわゆる出生前検査をしなくても、通常の妊婦検診の中で赤ちゃんの病気が見つかることもあります。
誰もが病気や障がいと向き合う可能性があるからこそ、そして相談相手を見つけにくいことだからこそ、
命に向き合う大切な時期に、誰にも否定されずに安心してすぐに相談できる環境が必要だと考えてリリースに至りました。一人でも多くの方に「ゆりかご」の存在が届き、漠然とした不安をもつ家族が、本当の意味での自律的な選択をできるよう、またその選択肢を支援していけるよう願っています。
【NPO法人親子の未来を支える会】
生まれつきの病気や障がいに向き合う人たちの心的・社会的サポートを行うために結成された、患者家族・医師・看護師・エンジニアらのチームです。「病名が障がいにならない社会」を目指して、だれもが障がいのことをよく知り、サポートが必要な方に適切なサポートが行き渡るような社会を目指しています。
オンラインピアサポートサービス以外にも、胎児医療の普及活動、病気や障がいに関わる家族への支援(就学支援等)、病気に関するお金の相談(ライフプランニング)などを行います。
団体HP:http://www.fab-support.org
ゆりかご:https://yurikago.fab-support.com
※ 活動にご興味のある方は、HPの問い合わせフォームよりご連絡ください。
【代表略歴】
2007年 東京大学理学部卒2011年 千葉大学医学部卒
2011年-2015年 千葉県内中核病院に勤務
2015年 NPO法人親子の未来を支える会設立
2016年〜現在 英国キングスカレッジ病院胎児科勤務
東京大学で分子生物学・発生学を学んだ後、千葉大学医学部へ編入、産婦人科医になる。
生まれる前に治療しうる病気がある一方で、胎児診断(出生前診断)を進めると、それ自体が病気や障がいを排除しうるという矛盾にぶつかる。国内では出生前診断自体の是非が問われているが、問題の本質は、障がいや子育て全般への社会的理解・サポートが充実していないことではないかと考えるようになる。胎児健診・胎児治療・障がい児のインクルーシブ教育が普及している英国にて、福祉制度を学びつつ胎児医療の研修中。
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