J.D. パワーが見る、ポスト平成時代の日本における「顧客の声」の新たな5つの価値とは
この度、新体制の立ち上げに伴い、J.D. パワー米国本社でシニアバイスプレジデントを務めるキース・ウェブスター、GBIの部門長 梅澤 希一を登壇者としたラウンドテーブルを開催しました。日本が抱える課題に対する「顧客の声」の新たな活用方法や需要の広がりについて、金融、保険業界を事例に挙げ紹介しました。
①新規顧客獲得を目的としたマーケティングへの活用
J.D. パワーの業界ベンチマーク調査では、消費者やユーザーの動向や傾向といったデータも属性別に見ることができます。こうしたデータは、企業の顧客満足度向上のみならず、マーケティング戦略にも活用頂いています。
調査活用イメージ J.D. パワー2019年生命保険契約顧客満足度調査℠から、20代の顧客傾向をみたところ、他の世代と比べ、保険加入時に「家族や親戚」「友人・知人」から情報収集する割合が高い傾向が見られます。このように、J.D. パワーのCS調査データは、リアルな口コミへの感度が高い20代への有効な手法は何か、というようにマーケティング戦略にも活用できます。 |
②「働き方改革」への活用
「働き方改革」で残業時間を削減することや意識変革への取り組みが各社で実施されている一方、業務の選択や集中といった本質的な課題解決に至っていない企業も少なくありません。J.D. パワーのCS調査は、顧客満足度向上を前提に業務の優先度を見極め、従業員の業務量負担軽減にも活路を見出すことができます。
調査活用イメージ 国内の生命保険会社では、請求手続きの迅速な対応が相当進んでおり、一層の迅速化にはシステム更新など大きなコストが必要となる状況もみられます。 一方、保険金請求に必要な書類に注目すると各社に内容のばらつきがみられ、必要な時間や金銭コストの違いにより顧客満足度に大きな差が見られます。優先順位を見極めて効率的にサービス改善に取り組むことは顧客満足度向上のみならず「働き方改革」での業務内容の見直しにも有効です。 今後はこうした優先度の決定に顧客満足度の調査が活用され、時間的コストを含む費用対効果で業務内容の見直しを行うケースが広まっていくことが期待できます。 |
③「コンプライアンス」への活用
商品説明時に重要事項の説明が徹底されているか、顧客の理解を得ているか、ということは、特に金融機関において大変重要です。J.D. パワーのCS調査では、満足度だけでなく説明が十分であったか、分かりやすかったかといったことも調査しています。こういったデータから、課題解決に向けたアクションプランの策定を実施する企業が増加してきています。
調査活用イメージ 保険業界では顧客へ保険に関するリスクや重要事項の説明が義務付けられており、各社で顧客への説明実施が徹底されつつあります。しかし顧客が、説明が行われていることを認識しているか、内容を正しく理解しているかどうかについては各社で差がみられます。このような課題にJ.D. パワーのCS調査データを活用し、自社の顧客の説明内容に対する認知度を業界や同業他社のレベルと比較し自社の問題を把握することで、コンプライアンス上の課題を洗い出すことができます。このように、課題を探すきっかけとしてJ.D. パワーの調査を活用している企業もございます。 |
④「社内業績評価」への活用
支社や営業部署の業績評価、管理を行うにあたって、J.D. パワーのシンジケート調査から課題を抽出したり、個別調査を実施し人事評価を決定する動きも見られます。こうしたケースでは、CS調査を単独で設計するのではなく、人事異動や評価のタイミングなど、全社的な制度との整合性をもって調査をデザインしていくことが重要です。
⑤「経営幹部報酬の判断材料」への活用
最近では日本でもトップマネージメントの役員報酬の決定方法において透明性や対外的な説明責任が強く意識されてきています。米国ではJ.D. パワーのシンジケート調査を経営幹部報酬の判断材料に活用する動きが多く見られています。
一般的に、米国では経営幹部の報酬が日本の10倍近くになるとされており、その報酬の対外的な説明責任は強く意識されています。このため、大手企業を中心に、J.D. パワーのCS調査を、指名・報酬委員会等で客観的な議論をする際の客観性担保の材料として活用する事例が増加しており、企業が当社の調査結果を役員報酬の KPIと位置付ける例も多く見られます。
国内でも、これまでのガバナンス改革により独立取締役の導入が進んでいるものの、次のフェーズとして、指名・報酬委員会ではどのような議論がなされているのか、その透明性・説明責任が各企業において問われています。第三者機関であるJ.D. パワーのCS調査データを判断材料の一つに位置付けることで、客観性および公正公平性の担保を示すことができます。
■登壇者プロフィール/コメント
Keith P Webster(キース・ウェブスター)
J.D. Power, SVP & General Manager, Global Business Intelligence
シカゴ大学で物理学の学士号を取得。金融サービス、保険、公益事業、電気通信、医療、トラベル、ホスピタリティ分野においてビジネスのための戦略的方向を設定し、部門の成長と収益性を管理する責任を担う。Interactive Data Corp社にてBondEdge Solutionsのマネージング・ディレクター兼ゼネラル・マネージャー、財務ソフトウェアおよび情報産業を担当する経営コンサルティング会社Sector Group, Inc.の社長兼CEOを経て、2015年よりJ.D. Powerに入社。
J.D. パワーによるベンチマーク調査は、他社の調査と比べ、 豊富なサンプル数、 業務改善に役立つ構造設計、50年の専業としてのCSに関する知識・経験という優位性がある。 特定の業界に対し20年以上の経験と非常に深い知識を持つ専門家たちが、 企業の幹部・役員を前に、四半期に一回、リサーチのフィードバックを実施している。 J.D. パワーの調査の公表内容や手段は、どの企業もコントロールはできないため、 独立性が高く、格付け機関と同じものと位置付けている。 |
梅澤 希一(うめざわ きいち)
株式会社J.D. パワー ジャパン常務執行役員、
Global Business Intelligence部門長
筑波大学国際関係学類卒。ペンシルバニア大学ウォートン校MBA卒。日本銀行、金融庁、ゴールドマン・サックス証券、UBS証券を経て、2018年にJ.D. パワー ジャパン グローバル・ビジネス・インテリジェンス部門長に就任。梅澤は公的・民間の両部門において金融業界に携わり、経済・市場調査や政策立案のほか、資本市場政策の提言や営業戦略の企画・立案など幅広い経験を有する。
J.D. パワーの大きな特徴は、顧客の満足にフォーカスしたリサーチでありコンサルティングであるということ。 色々なコンサルティングファームがある中で、彼らは病院で言えば総合病院。私たちは心臓外科であり、そこだけが我々のエリア。 逆に言えばそこに関する知見・経験は豊富にあるため、お客様に業界横断的に深いアドバイスが可能であり、一番の強み。 また、業界全体のデータを提供するので、自分の企業の立ち位置やどうすればいいのかということだけでなく 日本全体のお客様がどういうサービスを求めているのかということも把握することを可能にしている。 |
【J.D. パワーについて】
J.D. パワー(本社:米国カリフォルニア州コスタメサ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。企業の顧客満足度改善やパフォーマンス向上のソリューション提供のため、現在、北米、南米、アジアパシフィック、ヨーロッパでビジネスを展開しています。
【会社概要】
会社名 :株式会社ジェイ・ディー・パワー ジャパン
所在地 :東京都港区虎ノ門5-1-5 メトロシティ神谷町8F
事業内容 :顧客満足度調査、コンサルティング等
URL :J.D. Power 企業ウェブサイト https://japan.jdpower.com
情報ウェブサイト Check!CS by J.D. Power http://jdpower-japan.com
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