高齢関節症患者の破棄された軟骨細胞を用いた再生医療による新たな変形性関節症治療法の研究と成果について

~ポリマーバイオマテリアルベースによる軟骨細胞の培養による新しい関節症治療のを発表~

社会福祉法人仁生社江戸川病院、日印再生医療センター、蓮見国際研究財団は科学者や臨床医によるチームを組み、ポリマーバイオマテリアルベースの新しい技術による軟骨細胞の培養とこれを活用した変形性関節症治療法の研究成果を2019年4月にトロント大学で開催された年次再生医療シンポジウム(TPRM2019)において発表しました。

現在、世界中の約3億人が変形性関節症を患っていると言われ、発症率は年齢とともに上昇。日本では推定3,100万人以上(4人に1人)が退行性の関節症とされ、これは、世界で最も高齢化が進む日本にとって特に重要な問題と言えます。

標準的治療法としては現在、人工関節置換術が進行期関節症の最終的な治療法と考えられていますが、患者の満足度はまだ不十分であり、若年者への適応には再度置換手術を行わなければならない等の問題もあります。一方、再生医療を用いた治療法では自家培養軟骨移植術(ACI)があり、患者の非荷重部の関節軟骨の一部を採取し、培養により増やした軟骨細胞を患部に移植することが可能ですが、その大部分は若年患者のスポーツ障害に対してのみを対象としており、加齢変化に基づく高齢患者の関節症に対しての手術は殆ど行われておらず、変形性関節症に悩む高齢者にとって、有効な再生医療は未だ見出されていないのが実情です。


そこで、社会福祉法人仁生社江戸川病院(東京都江戸川区 院長 加藤正二郎)、日印再生医療センター(インド・チェンナイ 代表 Samuel JK. Abraham)、蓮見国際研究財団(東京都杉並区 理事長 蓮見賢一)はこれを課題として科学者や臨床医によるチームを組み、高齢患者の関節軟骨から再生可能な軟骨細胞の培養を行うポリマーバイオマテリアルベースの新しい技術研究に着手し、推進していました。この研究は、高齢患者の膝関節置換手術において破棄された関節軟骨から採取した軟骨細胞を利用し、患者の細胞形体を維持しながら、インビトロ(人工)環境下で再生可能な軟骨組織として成長させるためのもので、同チームは2019年4月にカナダのトロント大学で開催された年次再生医療シンポジウム(TPRM2019)においてその研究成果を発表しました。注目すべき点は、患者の年齢が、65〜85歳の高齢者であること、また、患者生来の硝子軟骨の形態を維持しながら細胞の成長を助けるポ

リマー技術がこれまでに無い新しい技術であることです。前述のACI療法で失敗したケースの主な原因は、インビトロ培養中や移植後に細胞形態が崩れて線維軟骨に戻ってしまうことなどが報告されていますが、同チームは、新たなポリマー技術を使用することで若年患者の軟骨細胞がインビトロ環境でも細胞形体を維持し、成長が可能であることを確認するとともに、動物実験において、軟骨の移植後も長期に亘って硝子軟骨の形態が維持することを実証しています。患者自身の関節軟骨を健康な軟骨組織に成長させるこのポリマー技術は、変形性関節症に苦しむ高齢患者を救うための大きな可能性を持ち、更に、同チームは軟骨組織を利用した組織工学に基づく軟骨の同種異系プロダクトや、培養された軟骨から分泌されたサイトカインと分子から成る無細胞再生プロダクト、ポリマーと軟骨組織の複合プロダクトなどの開発も視野にいれ、70億ドルともいわれる世界市場に需要を見込み継続して研究を推進しています。

 

 

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