原子炉を使わない放射性医薬品の国内生産に向けた研究開発を開始
〜超電導加速器の大強度電子ビームを用いた99Mo国内生産〜
株式会社アクセルレーター(那珂通雅 代表取締役)は、2018年7月にKEK(大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構)への委託研究契約を締結。2019年3月に同機構のcERL施設内にビームラインとターゲット設備が完成。超電導加速器の大強度の電子ビームを用いた99Mo製造に関する研究・技術開発のための照射実験を開始します。
超電導加速器を用いた99Mo(核医学診断用放射線医薬品99mTcの原料)の大量製造方法の研究
放射線医薬品の中でも99mTcは、化合物を変えることによって脳、甲状腺、骨、心臓、肝臓、腎臓、膵臓など多くの臓器の画像診断に用いられ、最も多く利用されます。しかし、日本は、その原料となる99Moを専用の原子炉で製造された輸入品に依存しています。また、原子炉の故障や長期にわたる点検、更に将来的な継続稼働の見通しが立っていない状況にあり、安定供給について対策を講じる必要があります。国内において原子炉の稼働が難しく、また、高濃縮ウランなどを原料とすることから安全保障の課題もあります。
原子炉に代わる製造方法として、加速器を用いた方式が知られていますが、ウランを用いず100Moを原料として99Moを作り出すことが可能です。しかし、量産に必要なビーム強度が得られない課題がありました。
我々は、超電導加速器の大強度電子ビームを実現する技術をもつKEKと委託研究契約を結び、99Mo製造に関する研究・技術開発を行うとともに、99Moの量産を実現するための設備設計を進めてきました。そして昨年より設計建設を進めてきた弊社所有の実験室へのビームライン、ターゲット設備が完成し、2019年6月より照射実験を開始します。
社会課題と当社の取り組み
弊社は99Mo国内生産以外にも加速器を用いた種々の取り組みを開始しています。
株式会社アクセルレーター
戦後の日本は復興期を経て「東洋の奇跡」と言われるほどの急成長を遂げ、瞬く間に世界でも有数の経済大国に高度成長を果たしました。しかし、1990年代初頭のバブル崩壊後、20年以上にわたって経済の停滞が続いています。さまざまな経済政策や復興政策によっても日本の経済成長はバブル崩壊前の勢いを取り戻せていません。
我が国の高度成長を支えた高い技術力も、新興国を含む他国に追従を許し、後塵を拝する側面も否めず必ずしも世界最高水準を保っていない分野もあります。
日本の基礎研究力の低下が危ぶまれるなか、2008年南部氏、小林氏、益川氏のノーベル物理学賞受賞は、2002年小柴氏受賞以来の明るいニュースとなりました。とりわけ小林氏、益川氏の受賞にはKEKBと呼ばれる加速器装置が組み込まれた大規模実験施設が大きな役割を果たしました。
KEKBを有する「大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)」は世界トップクラスの研究者を擁し世界をリードする加速器技術を有する研究機関です。その技術は、現在、国際プロジェクトとして計画されている国際リニアコライダー(lnternational Linear Collider : lLC)に大きく活かされ、世界中の研究者と共に宇宙創成の謎に追ろうとしています。
我々は、加速器及び加速器技術をキーワードに、ILCの実現を支援し、国内研究機関が保有する革新的な最先端の技術をさまざまな産業に生かし経済価値に変えることを支援するために、「株式会社アクセルレーター」を設立しました。
再び日本が科学技術立国として成長するために、世界トップクラスの研究機関が保有する技術を通して、これまでになかったものを実現するための応援をし、事業開発と知財戦略を推進してまいります。
代表取締役 那珂通雅
住 所;東京都渋谷区神宮前3丁目7番4号 パークプレース神宮前
電 話:050-1745-1278
メール:info@accelerator-inc.com
お問い合わせフォーム
https://www.accelerator-inc.com/contact
放射線医薬品の中でも99mTcは、化合物を変えることによって脳、甲状腺、骨、心臓、肝臓、腎臓、膵臓など多くの臓器の画像診断に用いられ、最も多く利用されます。しかし、日本は、その原料となる99Moを専用の原子炉で製造された輸入品に依存しています。また、原子炉の故障や長期にわたる点検、更に将来的な継続稼働の見通しが立っていない状況にあり、安定供給について対策を講じる必要があります。国内において原子炉の稼働が難しく、また、高濃縮ウランなどを原料とすることから安全保障の課題もあります。
原子炉に代わる製造方法として、加速器を用いた方式が知られていますが、ウランを用いず100Moを原料として99Moを作り出すことが可能です。しかし、量産に必要なビーム強度が得られない課題がありました。
我々は、超電導加速器の大強度電子ビームを実現する技術をもつKEKと委託研究契約を結び、99Mo製造に関する研究・技術開発を行うとともに、99Moの量産を実現するための設備設計を進めてきました。そして昨年より設計建設を進めてきた弊社所有の実験室へのビームライン、ターゲット設備が完成し、2019年6月より照射実験を開始します。
社会課題と当社の取り組み
弊社は99Mo国内生産以外にも加速器を用いた種々の取り組みを開始しています。
- アスファルト塗装の改質
- 非破壊検査装置
- 高品質半導体材料
- 高レベル放射性廃棄物処理技術
株式会社アクセルレーター
戦後の日本は復興期を経て「東洋の奇跡」と言われるほどの急成長を遂げ、瞬く間に世界でも有数の経済大国に高度成長を果たしました。しかし、1990年代初頭のバブル崩壊後、20年以上にわたって経済の停滞が続いています。さまざまな経済政策や復興政策によっても日本の経済成長はバブル崩壊前の勢いを取り戻せていません。
我が国の高度成長を支えた高い技術力も、新興国を含む他国に追従を許し、後塵を拝する側面も否めず必ずしも世界最高水準を保っていない分野もあります。
日本の基礎研究力の低下が危ぶまれるなか、2008年南部氏、小林氏、益川氏のノーベル物理学賞受賞は、2002年小柴氏受賞以来の明るいニュースとなりました。とりわけ小林氏、益川氏の受賞にはKEKBと呼ばれる加速器装置が組み込まれた大規模実験施設が大きな役割を果たしました。
KEKBを有する「大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)」は世界トップクラスの研究者を擁し世界をリードする加速器技術を有する研究機関です。その技術は、現在、国際プロジェクトとして計画されている国際リニアコライダー(lnternational Linear Collider : lLC)に大きく活かされ、世界中の研究者と共に宇宙創成の謎に追ろうとしています。
我々は、加速器及び加速器技術をキーワードに、ILCの実現を支援し、国内研究機関が保有する革新的な最先端の技術をさまざまな産業に生かし経済価値に変えることを支援するために、「株式会社アクセルレーター」を設立しました。
再び日本が科学技術立国として成長するために、世界トップクラスの研究機関が保有する技術を通して、これまでになかったものを実現するための応援をし、事業開発と知財戦略を推進してまいります。
代表取締役 那珂通雅
住 所;東京都渋谷区神宮前3丁目7番4号 パークプレース神宮前
電 話:050-1745-1278
メール:info@accelerator-inc.com
お問い合わせフォーム
https://www.accelerator-inc.com/contact
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