【“100人参加型DIY”が総合グランプリ獲得】築50年のプレハブ住宅のリノベで、つみき設計施工社が「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025」受賞。工業化住宅に宿る“余白”の新たな可能性を提示

専門家による基本性能の整備に加え、住まい手+仲間100人超で数か月をかけて空間を仕上げる“参加型リノベーション”のプロセスが、「2025年を象徴する」試みとして高く評価

合同会社つみき設計施工社

リノベーションオブザイヤー2025 表彰式の様子


DIY参加型リノベーションを専門とする創業15年の工務店・合同会社つみき設計施工社(所在地:千葉県市川市、共同代表:河野直・河野桃子)は、一般社団法人リノベーション協議会が主催する「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025」において、初エントリーながら総合グランプリを受賞しました。

受賞作品『人間は、つくることをやめない』は、1971年に登場した工業化住宅の先駆け「セキスイハイムM1」を舞台とした住宅リノベーションです。専門家が建物の基本性能を整えたうえで、住まい手家族と100人を超える仲間が数か月にわたりDIYで空間を仕上げる“参加型リノベーション”のプロセスを特徴としています。

完成品として捉えられがちだった工業化住宅に、住まい手が再び関与し、意味と感情を与えていく本作は、日本の近代住宅史の文脈においても示唆に富む試みとして高く評価され、2025年を象徴するリノベーションとして総合グランプリに選出されました。

▼受賞作品「人間は、つくることをやめない」詳細
https://www.renovation.or.jp/oftheyear/award.html

受賞リノベーション作品の内観写真

「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025」総合グランプリを受賞

本作は、全国から多数の応募が集まった「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025」において、一次審査(一般投票)・二次審査(選考委員による審査)を経て、最終的に総合グランプリに選出されました。審査員からは、本作が単なるDIYリノベーションの枠にとどまらず、日本の住宅生産の歴史と思想を問い直す試みである点が高く評価されました。以下は、審査員講評の一部です。



"つみき設計施工社は初エントリーでの総合グランプリ獲得という快挙ではあるが、本作は、単に楽しいDIYリノベーションという範疇には収まらない、日本の近代住宅史に照らしても非常に示唆に富むリノベーションである。

1971年に登場したセキスイハイムM1は、鉄骨ユニット工法による工業化住宅の先駆であり、安定品質・短工期・低コストを可能にした画期的な住宅だった。一方で、工場生産・現場組立という仕組みは、住宅から人間の関与を切り離すシステムのようにも見える。

しかし本来、M1は建築家・大野勝彦がルームユニットを「無目的な箱」と呼んだように、住まい手の創造性によって自由に意味が与えられる器として構想されていた。本作は、その理念を現代において住まい手の側へと取り戻す象徴的な試みである。

家族と100人以上の仲間が数か月にわたってDIYで空間を仕上げていくプロセスは、箱に新たな意味と感情を与える創造的行為であり、実に楽しそうな写真群は、まるで「家が笑っている」ようである。"
出典:https://www.renovation.or.jp/oftheyear/award.html

リノベーション後の外観。施主が自ら図柄を立面図上で描き、家族で塗装を施した。
M1住宅のシンプルな構成に、家族や友人によるDIYが何層にも重ねられている


受賞作品『人間は、つくることをやめない』

受賞作品は、1971年に誕生したセキスイハイムM1を対象とした住宅リノベーションです。専門家が耐震性や断熱性など住宅の基本性能を整えたうえで、住まい手家族と100人を超える仲間がDIYで内装や家具、仕上げを担いました。プロに任せきりにするのではなく、「ともにつくる」プロセスそのものを住まいづくりの中核に据えた点が、本作の最大の特徴です。施工中のワークショップや共同作業を通じて、空間は少しずつ手触りのある住まいへと育っていきました。

施工中のDIY参加の様子


工業化住宅に内包されていた「余白」への再接続

セキスイハイムM1のルームユニットは、本来、住まい手の暮らしによって意味が与えられていく「余白」をもつ箱として構想されていました。これは、標準化・工業化による大量供給と、内部空間の自由を両立しようとした近代建築思想の系譜に連なるものです。

しかし、プレファブ住宅が普及し、制度化と商品化が進むなかで、工業化住宅は次第に「完成品」として扱われ、住まい手が手を入れにくい存在へと変化していきました。本作は、そうした断絶をふまえ、あらためて住まい手の手によって空間をつくり直す可能性を提示した点に大きな意義があります。

M1別現場の施工風景・積水化学工業提供 / 内観写真は当該物件の改修前

DIYがもたらす、これからの住環境づくりの可能性 

DIYによる空間づくりは、単なるコスト調整や自己表現ではなく、住まいに意味や感情を与える創造的な行為です。建築費の高騰や職人不足、住宅のファストな商品化が進む現代において、住まい手が再び主体的に関わる参加型リノベーションの価値は、今後さらに高まっていくと考えられます。

審査員からは、「本作のグランプリ受賞が、DIY復権のきっかけになることを願う」というコメントも寄せられました。つみき設計施工社は、2010年より参加型リノベーション専門の工務店として創業し、同領域の先駆者として取り組みを続けてきました。今後も参加型リノベーションの実践を続けるとともに、プレイヤーを全国に増やすことをミッションに掲げています。

【受賞概要】

アワード名:リノベーション・オブ・ザ・イヤー2025

受賞内容:総合グランプリ

受賞作品名:「人間は、つくることをやめない」

主催:一般社団法人リノベーション協議会

公式サイト:https://www.renovation.or.jp/oftheyear/award.html

【会社概要】

会社名:合同会社つみき設計施工社

共同代表:河野直・河野桃子

創業:2010年

所在地:千葉県市川市南大野

事業内容:参加型リノベーションの設計・施工、DIYワークショップの企画・運営

Web:https://tsumiki.main.jp/

【お問い合わせ先】

合同会社つみき設計施工社

E-mail:info@tsumiki.main.jp

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会社概要

合同会社つみき設計施工社

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URL
http://tsumiki.main.jp
業種
建設業
本社所在地
千葉県市川市南大野3-14-4
電話番号
090-9415-2960
代表者名
河野直
上場
未上場
資本金
100万円
設立
2012年05月