CSRサイト格付け「サステナビリティサイト・アワード2021」を発表

上位は大和ハウス工業、積水ハウス、ロームなど--国内全上場企業のサステナビリティサイトを調査

サステナビリティ情報開示に関する調査およびコンサルティングを行っている一般社団法人CSRコミュニケーション協会(代表理事:安藤光展)は、サステナビリティ・ウェブサイト(以下、サイト)の情報充実度で格付けした「サステナビリティサイト・アワード2021」(以下、本アワード)を発表しました。本アワードは、企業のサステナビリティ情報開示の意識向上を目的として、サイトにおける情報充実度を評価するもので毎年実施しており、今年で5回目となります。
 


本アワードは、国内全上場企業および非上場大手企業の3,863社の、サイトに必要な8つの視点にそってサイトの情報充実度調査を実施し、マルチステークホルダーの情報ニーズに応えている総合的に優れたサイトを、ゴールド(最優秀賞)・シルバー(優秀賞)・ブロンズ(優良賞)のクラスで表彰しています。


■アワード表彰企業
◯ゴールド
大和ハウス工業、積水ハウス、東ソー、日本碍子、ローム

◯シルバー
住友ゴム工業、日立製作所、信越化学工業、ダイセル、DIC、ブリヂストン、SCREENホールディングス、オリエントコーポレーション、大阪瓦斯、サントリーホールディングス、東急不動産ホールディングス、リンナイ、ダイキン工業、丸井グループ、野村不動産ホールディングス

◯ブロンズ
味の素、住友化学、ライオン、出光興産、イトーキ、マルハニチロ、LIXILグループ、大成建設、日本郵政、カシオ計算機、島津製作所、SOMPOホールディングス、三井化学、大日本印刷、野村総合研究所


■総評
全上場企業が注目すべきゴールド受賞では、大和ハウス工業が2年連続受賞となりました。圧倒的な情報量、コンセプトのわかりやすさ、独自性、などがあり加えてマイナス要素がほぼなかったことが評価に貢献しました。積水ハウスと日本碍子は昨年のシルバーから、ロームは昨年のブロンズから、東ソーは圏外から、それぞれランクアップしてゴールド受賞となりました。これらの企業は網羅性に加え統一感のあるサイト構成が評価に貢献しました。なお、積水ハウスは、大和ハウス工業と並び、今回の最高評価点数獲得企業となっています。

本アワードで評価重要度(評価ウェイト)を上げたのが「トップメッセージ」です。コロナ禍の中で社会も組織も不安定になっている緊急事態だからこそ、トップが強いリーダーシップを発揮する必要があり、それが顕著に現れるコンテンツがトップメッセージであって、ステークホルダーと最も多くの接点があるサイトで開示すべきと考えたからです。そのため、昨年のアワード受賞企業でさえ、トップメッセージの内容が適切ではなく(情報量が少ない・具体的な内容がない・網羅的ではない、など)偏った情報しかないため入賞できなかった企業があります。

サイト作成・更新方法でいえば、サイトを先に作ってからPDFにまとめてサステナビリティ・レポートとする企業も増えました。冊子を制作してサイトに内容を転記するという順序ではなく、その逆の制作プロセスとなります。統合報告書は作ってもサステナビリティ・レポートは作らず、サステナビリティ情報はサイトが主とする企業も若干ですが増えており、ではそういう企業は評価が低いかというと、IR面でもサステナビリティ面でも高い評価を得ている企業もあります。要はサイトの使い方次第ということです。

トレンドしては、世界中ででDX(デジタル・トランスフォーメーション)の潮流があり、サステナビリティ推進業務のプロセスだけではなく情報開示においても重要性が高まっており、必然的にサイトの質に注目が集まっています。コロナ禍の中、ステークホルダー・エンゲージメントの起点も非接触/非対面であるサイトを中心としたインターネットに移行しています。また評価という点では、インターネット上の情報で企業評価を行うAI型ESG評価システムも登場していますし、アンケート/調査票形式ではなく公開情報(サイト)で行うESG評価機関も多くあります。エンゲージメントにおいても企業評価においても、サイトを中心としたインターネット上の情報が、サステナビリティ企業評価に直結する時代となっています。

2020年代の“デジタル時代のサステナビリティ情報開示”のメインは間違いなくサイトです。この点に気づいている企業は、すでに相応のデジタル投資を行いサイトを最適化し始めています。問題は他の企業が気づき対応できるかどうか。我々の5年間におよぶ定点調査の中で、さらに大きなうねりとなる変化が目の前にあることは確信しています。まさに現在進行形でDXが起きています。コロナ禍の中で大変な事業環境ではありますが、ステークホルダーやESG評価機関は待ってくれません。デジタル時代の企業は今まで以上にステークホルダーに試されており、その振る舞いとなるサイトの情報開示の一挙手一投足が常に注目されています。

過渡期は常に入れ替わるトレンドに振り回され、自社の立ち位置を見失いがちです。2020年代はステークホルダー資本主義の時代とも言われていますが、こんな時こそステークホルダー・ファーストの視点を忘れず、社会およびステークホルダーの情報ニーズに応えられる“ステークホルダーに必要とされるサイト”を作っていきましょう。

本アワードおよび情報開示のフィードバックは当協会主催のコミュニティ「サステナビリティ情報開示勉強会」でお伝えしていきますので興味があればご参加ください。随時参加者を募集しています。

>>サステナビリティ情報開示勉強会
http://andomitsunobu.net/?page_id=18294

コメント:安藤光展(審査員長、CSRコミュニケーション協会・代表理事)


■調査実施概要
◯調査コンセプト
ステークホルダーおよび開示ガイドライン等が求めるサイトに必要な情報の充実度を調査。

◯調査対象
国内全上場企業および大手非上場企業の合計3,863社の、コーポレートサイトおよび特設サイトのサステナビリティ/CSR/SDGs/ESG/CSV/エシカル/社会課題解決などに関する総合的に説明された日本語のコンテンツ・ページが調査対象。コーポレートガバナンス・環境・社会貢献(慈善活動・企業寄付など)などに関する単独ページ、IRサイト、採用サイト、ECサイト、商品サイト/ブランドサイト/キャンペーンサイト、統合報告書およびサステナビリティレポート/CSR報告書/社会・環境報告書などのPDF、電子ブックおよび関連動画、などは調査対象外。

◯調査期間
2020年8月1日〜2020年12月18日(期間内で内容変更があった場合は更新前の状態で評価している場合あり)

◯調査手順
1、一次選考:対象企業において主要8テーマで情報充実度評価をし基準を満たした企業を抽出
2、二次選考:抽出された企業を評価基準にそってスコアリングしランキング化してノミネート
3、最終選考:ノミネート企業を格付要件に照らし合わせて絞り込みアワード受賞企業を選定

◯評価手法
調査対象企業へのヒアリングやアンケート調査はなく、公開されているサイト情報のみを調査員が目視で確認し、評価基準にそって総合的に評価。ホールディングスが調査対象の場合はホールディングス自体のコンテンツを評価。関連会社等へのリンクや情報開示がある場合はそれらの情報を考慮。個別企業ごとでインパクト評価による個別項目の定量的な比較分析はしてない。財務評価および不祥事等のネガティブ要因による減点はしないが、社会的影響の大きい不祥事を起こしたと判断される企業は一次選考で省いている。

◯評価項目
サイトに必要な8テーマ(250以上の評価要素)を基準に実施。評価要素の選定方法は、世界で最も参照されているマルチステークホルダー視点による社会的責任の開示ガイドライン「GRIスタンダード」を中心に、サステナビリティ・レポーティングに関連するその他の国際的ガイドライン、国内外のESG評価機関の評価項目、サステナビリティに関連する格付け・アワード・ランキングの評価項目、国内外の関連イニシアティブの重要項目、国内の官公庁および証券取引所の推奨開示項目、そのほか世界の潮流・動向等も参照し選定。評価要素は社会の変化に合わせ毎年見直しを行なっており、信頼性の高い機関が認識する社会課題を注視し、評価体系をアップデートしサステナビリティ評価におけるグローバルトレンドとの整合性を高めている。

◯評価テーマ
1、トップメッセージ:組織のサステナビリティに対する姿勢が理解できるだけの具体的な情報が十分にある
2、サステナビリティ戦略:組織の戦略的な取り組みに関して見識を提供する具体的な情報が十分にある
3、リスクと機会:組織のリスクと機会に関する目標と進捗度の具体的な情報が十分にある
4、ステークホルダーエンゲージメント:ステークホルダーエンゲージメント活動の具体的な情報が十分にある
5、目標と実績:ステークホルダーが組織のパフォーマンスを評価できる具体的な情報が十分にある
6、コーポレートプロフィール:ステークホルダーが組織を理解するための企業情報が十分にある
7、ウェブアクセシビリティ:ステークホルダーのユーザー体験を阻害しないサイト構成である
8、サイト特性:サステナビリティ報告で求められる原則に対応したサイト構成である

◯格付要件
・ゴールド(最優秀賞)
1、各情報が具体的かつ網羅的に開示されサイト自体の完成度が極めて高い
2、各ステークホルダーの情報ニーズを満たす開示が十分に行われている
3、他の企業のサイトの模範となる品質である

・シルバー(優秀賞)
1、「ゴールド」には至らないもののサイトとして求められる要素が十分にある
2、各ステークホルダーの情報ニーズを満たす開示が十分に行われている
3、他の企業のサイトの模範となる品質である

・ブロンズ(優良賞)
1、「シルバー」には至らないもののサイトとして求められる要素が十分にある
2、各ステークホルダーの情報ニーズを満たす開示が適切に行われている
3、他の企業のサイトの模範となる品質である


■補足情報
◯フォローアップ勉強会
本アワードの内容を含めたサステナビリティ情報開示に関する定期勉強会を行なっています。どなたでもお申し込みいただけます。企業担当者だけではなくサイトおよびレポートの制作会社の方にもオススメです。

>>2021年度 サステナビリティ情報開示勉強会
http://andomitsunobu.net/?page_id=18294

◯CSRコミュニケーション協会
一般社団法人 CSRコミュニケーション協会は、サステナビリティ情報開示に関する調査・コンサルティング事業を通じ、CSRコミュニケーションの品質向上支援および啓発・普及・促進を行い、健全で持続可能な社会・経済の発展に貢献する企業支援活動を行っています。サイトの第三者評価も行っています。
URL: http://csr-ca.net 

◯本件に関するお問合せ
一般社団法人 CSRコミュニケーション協会 サイト調査事務局(担当:安藤)
問合せフォーム: http://csr-ca.net/contact

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関連リンク
http://csr-ca.net/1937
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会社概要

URL
https://sustainability.or.jp
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都新宿区新宿2-12-13
電話番号
-
代表者名
安藤光展
上場
未上場
資本金
-
設立
2016年08月