11月8日は「いい歯の日」長期化するマスク習慣によって歯周病リスクは若年層にも歯周病ケアは就寝前・起床時の歯磨きと唾液腺マッサージがカギ

20代、30代にて歯や口腔ケアの関心は高まりつつある一方で、日々のケアは怠っている結果に。マスク習慣により、“歯周病リスクの低年齢化”へ

日本歯周病学会と日本臨床歯周病学会は、11月8日の「いい歯の日」に合わせて、「マスク習慣と歯ならびに口腔ケアにおける意識および行動調査」を20代~70代の男女7,766名を対象に実施しました。今回の意識および行動調査の結果、以下のような点が判明しました。
 
  • << 調査結果サマリー >>
● リモートワーク化に伴い、20代、30代における間食頻度が増加傾向に。
コロナ前後における間食頻度は20代、30代で20%越えの結果。
間食頻度が増加ならびに継続することで歯や歯肉へのダメージは増加の可能性大。

● 起床時の朝の歯磨きを“たまに行う”若年層は20%越えの結果に。
起床時の歯磨き頻度に関する調査では、若年層の20%は“たまに行う”と回答。就寝中は唾液量が減少し,口の中の細菌数が増加するため、就寝前および起床時の歯磨きがう蝕と歯周病の予防に。

● 歯や口腔ケアの意識は高まっているものの、定期歯科検診割合が20代・30代は約50%。
コロナ禍によって、20代、30代にて20%以上が歯や口腔内の健康状態を気にする傾向に。一方で定期歯科検診においては1年以上受診無しが、20代は49%、30代は46%の結果に。
 
  • 調査結果に対する日本臨床歯周病学会理事長 高井 康博 氏のコメント

 

マスク習慣によって、歯周病リスクは低年齢化へ

臨床歯周病学会 高井康博氏臨床歯周病学会 高井康博氏

長引くコロナ禍において全世代に渡り社会生活が一変しました。家庭にいる時間が長くなり、生活習慣にも変化がうかがえます。特に20代・30代において間食を取る割合が増加しており、口腔内の健康を維持するには、より一層の注意を要します。

また、近年若い世代は、朝食を取らない方々も多く、朝歯磨きをしない一因になっていると推察します。しかし、就寝中に口腔内では細菌が増殖することが知られており、朝歯磨きをしないことは、むし歯や歯周病・口臭の原因になりかねません。また、長期化するマスク習慣により口呼吸が増加しており、マスク着用によるストレスを全体の45%の方が増えた、マスク着用による口の渇きを全体の27%の方が感じていることが今回の調査から分かりました。マスク着用によるストレスと口呼吸で、唾液量が減少すると、歯周病リスクが増幅し、口臭の原因にもなります。歯周病は加齢に伴って増加し、45歳以上では過半数を占めますが、マスク習慣によって、若年層における歯周病リスクが高まる可能性があり、今後、“歯周病リスクの低年齢化“が危惧されます。歯周病ケアには、就寝前・起床時の歯磨きと唾液腺マッサージが有効であり、かつ歯科医院での定期検診の習慣化を推奨します。

 
  • 調査結果① リモートワーク化に伴い、20代、30代の間食頻度は増加傾向に。
コロナ前後における間食頻度について質問した結果、20代では23%、30代では20%が増えたと回答。リモートワーク化による働き方の変化が、間食頻度の増加に繋がっているのではないかと捉えています。
間食そのものは歯や口腔内にとって必ずしも悪いことではありませんが、間食の頻度が増えることで、生活習慣病の発症率が増加し、う蝕や歯周病が増加する可能性があります。ケア方法としては、間食後の歯磨きと歯ブラシの毛先を歯肉に当てる歯肉マッサージを行うことがオススメです。

 「あなたはコロナ禍以前に比べて間食の頻度が増えましたか。」に対する各世代の回答結果

調査結果① 間食頻度について調査結果① 間食頻度について

 
  • 調査結果② 朝の歯磨きを“たまに行う”若年層は20%越えの結果に。
起床時(朝)の歯磨きの頻度を調査した結果、全体では79%が必ず行うと回答。しかしながら、“たまに行う“と回答した結果を見ると、20代~30代では平均20.7%の若年層が起床時(朝)の歯磨きをたまにしか行わないことが分かりました(40代:13.8%、50代:10.0%、60代:8.8%)。就寝中は唾液量が減少し、口の中の細菌数が増加するため、就寝前と起床時の歯磨きが、う蝕と歯周病の予防に繋がります。起床時(朝)に、歯磨きをせずに飲食やマスクを着用すると、口臭や歯肉の炎症症状に繋がりやすくなります。

 起床時(朝)の歯磨きの頻度に対する回答結果

調査結果② 起床時(朝)の歯磨きの頻度に対する回答結果調査結果② 起床時(朝)の歯磨きの頻度に対する回答結果

 
  • 調査結果③ 歯や口腔ケアの意識は高まっているものの、定期歯科検診割合は20代・30代の2人に1人
コロナ禍前後における歯や口の健康を気にする頻度について調査した結果、20代が24%、30代が21%と全体に比べて若年層で気にする割合が増加傾向にあることが分かりました。一方で、1年以上歯医者や定期歯科検診を行っていないと回答した20代は49%、30代は46%との回答結果となり、2人に1人は歯や口の健康を気にしつつも、受診までのアクションには至っていないことが分かりました。

 「コロナ禍前後で歯や口の健康を気にすることが増えましたか。」に対して「増えた」と回答した各世代結果

調査結果③ 歯や口の健康に関する調査結果調査結果③ 歯や口の健康に関する調査結果

 
  • 日本歯周病学会理事長、日本大学松戸歯学部歯周治療学講座教授 小方 賴昌 氏が教えるおうちケア方法
マスク習慣による歯周病リスクを低減する

日本歯周病学会理事長 小方氏日本歯周病学会理事長 小方氏

“バス法” と “1歯ずつの縦みがき”歯と歯肉の境界(ポケット)や歯と歯の間には、プラーク細菌が停滞しやすく、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスの使い方が難しいため、歯科医師や歯科衛生士の指導のもと、当て方や動かし方の練習をすることを推奨します。清掃が行き届かない部位には、細菌が停滞し、歯肉の炎症や腫脹の原因になります。歯ブラシの毛先を歯面に45°に当て、毛先をポケットに挿入し微振動させるバス法と、歯ブラシを縦に持ち、毛先を歯面と歯肉に垂直に当てて上下に微振動させる1歯ずつの縦みがきを併用すると効果的です。1歯ずつの縦みがきには、歯間部のプラーク除去と歯肉のマッサージ効果があります。

(画像左)バス法 (画像右)1歯ずつ縦磨き(画像左)バス法 (画像右)1歯ずつ縦磨き

  • 歯周病とは?

歯周病とは歯周病とは

歯周病は、細菌感染、環境(喫煙、ストレス等)、全身疾患等の影響で引き起こされる炎症性疾患で、進行すると歯の周りの歯ぐき(歯肉)の炎症と、歯を支える骨が溶けてしまう病気(歯周炎)です。歯と歯肉の境目(ポケット)の清掃が行き届かないと、そこに細菌が停滞し、歯肉に炎症を起こして赤くなったり、腫れたりしますが、痛みに気が付かず、さらに進行して膿が出たり、歯が動揺して、噛めなくなってから気づいても、すでに手遅れで、歯を抜かなければならなくなってしまう病気です。なお、歯を失う原因の1位は歯周病(37%)となっており、歯周病罹患率は15-24歳が20%、25-34歳で30%、35-44歳にて40%、45-54歳は50%、そして55歳以上は55~60%という割合となっています。

 
  • 11月8日「いい歯の日」について
日本歯科医師会が、1993年(平成5年)より、11月8日を「い(1)い(1)歯(8)」の語呂合わせでPR重点日として設定し、この日に合わせて国民へのさまざまな歯科保健啓発活動を行っています。その他、4月18日(よい歯の日)、6月4日(歯と口の健康週間)、9月第3月曜日(敬老の日)をPR重点日に定めています。


マスク習慣による歯ならびに口腔ケアにおける意識および行動調査概要
調査対象:20代~70代の男女
調査期間:2021年10月19日~10月21日
調査方法:インターネット調査
有効回答数:7,766名

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会社概要

URL
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業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都豊島区駒込1-43-9 駒込TSビル (一財)口腔保健協会内
電話番号
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代表者名
小方賴昌
上場
未上場
資本金
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設立
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