「愛知からタイのビーチをキレイにしたい」自動車部品製造業社長の熱い想いが込められた「器」とは?
〜愛知県西尾市の中小企業が、持続可能な社会実現のため、異業種へ挑む〜
わたしたちの未来を紡ぐSDGsストーリーを愛知県西尾市から発信。
自動車部品を中心に産業用ロボットなどを製造する榊原精器株式会社(愛知県西尾市)。とある光景を目の当たりにした榊原基広社長の想いが、異業種へ取り組むきっかけとなった。
- 誰もが知っているリゾート地、しかし現実は・・・
タイの子会社へ出向していた時、息抜きのためにパタヤというリゾート地に訪れることがあった榊原社長。
世界中から観光客が訪れるビーチですが、現実は捨てられた大量のプラスチックごみが溢れかえっている状況でした。
その光景を見た社長は、自分で何かできることはないかと思いを巡らし、タイを後にした。
タイから帰国後まもなく、高校の友人と再会した。その友人が愛知県碧南市で株式会社丸繁製菓の専務として、「食べる器(可食容器)」を開発・製造していることを知ったのはその時だった。
「街に溢れかえるごみを何とかしたい」、そんな友人の思いに、タイでプラスチックごみを見た時の思いと同じものを感じた。そして、開発・販路の促進を友人一人で抱えていることを知り、もしかしたら、ものづくり企業として培った技術を活かすことができるのではないか。何か特別なご縁を感じ、食べる器の金型製作や販売の協力を申し出た。
- 困りごとから新たなビジネスチャンスへ
友人の困りごとに応えることでスタートした食べる器をもっと広く知ってもらえることで、環境問題に大きく貢献できるのではないか。榊原社長は、そんな食べる器に大きな可能性を見出した。友人一人で抱えていた販路拡大も、本業で培った仕事をこなすスピード感が武器になる。そして、社長の根底にある「パタヤビーチに溢れかえるプラスチックごみを何とかしたい」、「タイへ恩返ししたい」、この想いが食べる器の販路拡大への挑戦を後押しした。
食べる器を前に、想いを語る榊原基広社長
- 食べる器ってどんなもの?
食べる器の主原料はじゃがいものでんぷん。生分解性があり、万が一捨てられてしまったとしても、10日もあれば土に還る。
味もえびせんべい、焼きもろこし、紫いもなどバリエーション豊かで、器だけでも楽しむことができる。
また、使用する状況・環境によって異なるが、素材に耐水性をもたせ、ドリンクやかき氷等を約1時間入れておくことを可能にした。
そんな長所を活かした成果として、2020年秋にアサヒビール株式会社と株式会社丸繁製菓が共同開発した「もぐカップ」があり、榊原精器株式会社も金型製作で開発に協力した。
品質の安定性を求めるには、苦労も少なくなかった。金型製作は、ミクロン単位の精密な仕事が求められる自動車部品製造で培った技術力で難しいものではなかった。しかし、実際に焼くための素材はでんぷん粉など鉄のそれとは違う。焼くための温度によって出来栄えも大きく変わってくる。お客様のニーズに応えるため、一切の妥協は許されない。何度も打ち合わせを行い、金型の微修正や温度調整を繰り返しながら、品質の向上を目指した。
その弛まない努力が、今ではオリジナルの形、味、色で製作することを可能にした。
カフェのかき氷用に作製された食べる器。目を惹くような可愛らしいデザインが特徴
- 食べる器のこれから
榊原精器株式会社は、2020年10月にSDGs宣言を行い、環境問題・循環社会づくりへの貢献として食べる器の開発・普及を盛り込んだ。2021年4月には「食べられる器販売推進課」を創設、可食容器自社ブランド「食べるんディッシュ」を立ち上げ、海外展開を目指す。
また、現在手作業で作製している可食容器製造を自動化し、量産化を試みる。自動車部品製造業ならではのアプローチで、食べる器は新たなステージへ踏み出そうとしている。
- 愛知県西尾市のSDGs・カーボンニュートラルの取組
また、2022年度事業者支援として、市内中小企業者等がSDGsの目標達成に向けた取組みを支援する「SDGs推進事業者補助金」、エネルギーの見える化の実施や温室効果ガス排出量の削減を目的とした設備導入の経費を支援する「カーボンニュートラル推進事業者補助金」を実施。これに合わせて、市内事業者のSDGs・カーボンニュートラルの取組を紹介する「西尾#サステナライフ」を全戸に配布し,SDGsやカーボンニュートラルに積極的に取り組む企業を応援しています。
10月1日の第1号の市長インタビューでは、SDGsの輪を広げるためには、「大きな目標を達成するために、いきなり180度生活を変えるというのではなく、今の生活の延長で何ができるのかという、まずはストレスなくできることから実践していくことが大事」と語ったほか、榊原精器株式会社を含む市内企業2社のSDGsの取組、今、できることからはじめてみるSDGsの取組を紹介しています。
第1号では、プラスチックゴミ問題に着目。日本でもプラスチックゴミは年々増加しており、その量は年間900万トンでアメリカに次いで第2位となっております。海に漂うプラスチックゴミをウミガメが誤って食べてしまうなど、問題は深刻化。決して他人事ではないこの問題も、例えばマイボトルを持ち歩くことでペットボトルを減らすことができることができ、手軽にSDGsに貢献することができます。
「西尾#サステナライフ」第1号は以下の二次元バーコードからお読みできます。
インタビューで持続可能な街づくりの必要性を話す中村市長
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