薄毛・抜け毛が気になる「20代男女」が最多 ガムを噛むことにより「頭皮血流」が増加することが明らかに。
頭皮血流と頭髪の関係性を専門家が解説
ロッテが以前実施した研究において、ガム咀嚼習慣が多い群について頭頂部毛髪径が優位に太いという結果が得られましたが、因果関係についてはまだ証明がされておりません。(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001576.000002360.html )そこでガム咀嚼が毛髪に与える可能性の評価の一つとして、ガム咀嚼を行うことによる、頭皮血流への影響を検証いたしました。ガム咀嚼と頭皮血流の研究では、25~53歳の健常な男女20名に対し、ガム咀嚼時と無咀嚼時の頭皮血流(前頭部、頭頂部)を測定しました。結果、ガム咀嚼により前頭部、頭頂部ともに頭皮血流が増加することが確認されました。(詳細は下記【研究結果概要】を参照。)
- 意外と知らない、薄毛と頭皮血流の関係性について 薄毛予防・対策には、 “頭皮血流”を上げることが重要! 薄毛トラブルのスペシャリスト、Dクリニック 小山院長が徹底解説!
進行した薄毛には薬による治療が必要となります。そうなる前に可能な薄毛対策としては、シャンプーや育毛剤による頭皮環境のケア、頭皮マッサージなどが挙げられます。コストが発生しない対策である頭皮マッサージには、リラックス効果に加えて、血行を良くし、頭皮血流を上げる効果があります。薄毛の初期段階では頭皮血流が低下している事が報告されています。頭皮血流の改善は、毛髪の健やかな成長に繋がるとともに薄毛予防の一つとなる可能性があります。しかし、薄毛と頭皮血流の関連性について知っている人が、たったの23.1%と認知は十分に広がっておりません<図4>。頭皮血流の低下は、薄毛・抜け毛だけでなく、肩こりや疲れ目等の様々な悪影響をもたらす可能性もあります。日常の対策として頭皮マッサージ等、頭皮血流を上げる対策を継続して行うことが重要です。
Dクリニック 小山 太郎 院長コメント
加齢に伴う男性の薄毛では、初期段階において、頭皮の血流が低下していることが報告されています。女性においても同様の報告があります。薄毛の進行に伴って、毛に栄養や酸素を供給する必要性が低くなり、血流が低下していくのか、血流低下そのものが薄毛を引き起こす原因になっているのかは未解明です。私は13年、加齢に伴う薄毛の診療に携わっていますが、抜け毛の増加と合わせて、肩こりや、冷えといった、末梢の血流低下を示唆する症状を呈する患者様に遭遇することがあり、頭皮血流の低下は薄毛進行の一因となりうると考えています。また、頭皮血流の改善が期待できる頭皮マッサージによって、毛が太くなるという報告があることから、頭皮血流の改善は薄毛進行の予防に有用な可能性があると考えます。
手軽に行える頭皮の血流改善方法として、私自身は1日1回しっかりお風呂につかること、頭皮を傷つけない程度の力で頭皮マッサージをすることを実践しています。今回のロッテの研究成果をふまえて、前述の対策は通勤中やデスクワーク中等、同時進行できない対策なので、いつでもどこでもできるガム咀嚼も今後注目していきたいと思います。
Dクリニック 院長 小山 太郎 ( こやま たろう ) 2001年慶應義塾大学医学部卒。慶應義塾大学形成外科を経て2009年にDクリニック東京(旧 城西クリニック)に入職。以来、AGA(薄毛)の診療実績を積み上げてきた。診療の傍ら毛髪の研究に取り組んでおり、常に最新の知見に基づいた診療を心がけている。2021年よりDクリニック新宿院長に就任、日本臨床毛髪学会評議員、日本メンズヘルス医学会幹事なども務めている。 |
- 【研究結果概要】
薬理と治療(2022年50巻9号、1605-1609)
タイトル:ガム咀嚼による頭皮血流への影響 ―オープンランダム化クロスオーバー比較試験―
著者:松井 美咲、菅野 範、大澤 謙二、岡林 一登、小池田 崇史
【研究背景・目的】
薄毛(脱毛症)に悩む人は年々増加傾向にあるとされ、脱毛の症状が進行すると心理的苦痛や社会機能の低下を経験する可能性があるという報告もあり、薄毛の予防・改善は人々の生活の質や心の健康に大きな影響を与える可能性があります。
一方、地肌マッサージによって頭皮における血流量が上昇すること1)、頭皮マッサージを24週間行うことで毛髪径が増加すること2)が報告されています。また、ガム咀嚼により、脳血流や総頚動脈の血流が増加する3)4)ことが報告されており、私たちの過去の調査研究で、1日30分以上ガムを噛む習慣を持つ人の頭頂部の毛髪径が有意に太かったという知見5)も得ています。以上より、ガム咀嚼は頭皮血流に影響をあたえると仮説をたて、ガム咀嚼による頭皮血流への影響を検証致しました。
【研究方法】
【対象】25~53歳の健常な男女20名(平均年齢35.3±9.1歳、男性10人 女性10人)
【方法】対象者全員がガム咀嚼時と無咀嚼時の頭皮血流(前頭部、頭頂部)を測定し、安静時からの変化を比較
【結果・考察】
無摂取時と比較し、ガム咀嚼時の頭頂部および前頭部の頭皮血流が有意に増加する結果を示しました。
顔には円筒状で横紋を持つ筋線維から構成され、随意に動かすことが出来る咀嚼筋があり咀嚼により収縮します。また外頚動脈の主要な二本の枝の一つに顎動脈があり、上顎・下顎・鼻腔・口蓋に分布しています。咀嚼による咀嚼筋の収縮や口腔周りへの刺激により顎動脈の血流が増加した結果、頭皮血流の増加につながった可能性が考えられました。
- 噛むこと研究部 コメント
今回研究結果から、ガム咀嚼により頭皮血流は頭頂部で44.0%、前頭部で47.1%の上昇が認められ、頭皮血流の増加が毛髪に影響を及ぼす可能性が考えられますが、ガム咀嚼により毛髪に効果を認めた研究成果はまだ出ていませんので、今後、ガム咀嚼による長期的な介入試験を行い、毛髪の太さや密度などへの影響を検討していきます。
「噛むこと研究部」は、ロッテが社会のためにできることとして、2018年に設立。様々な自治体や研究機関・企業と連携し、“噛むこと”を通じて世の中に貢献したい、最適な“噛む”を提供することで皆さまの力になりたい、という思いを掲げて活動しています。現在は、噛むことに関する様々な研究、噛むことを通して一般生活者や子ども、スポーツ選手へサポート活動を実施しています。
【「頭髪に関する意識調査」概要】 ※ロッテ調べ ・ 調査方法:WEBアンケート調査(全国) ・ 調査対象:全国の20~50代の男女 ・ 有効回答数:398名 ・ 調査期間:2022年9月10日(土)~9月11日(日) |
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