「美しい経済の風景をめぐる旅の記録」をテーマに、 過去に学び、現在に出会い、未来に遺すために世界をめぐるビジネスドキュメンタリー誌『Community Based Economy Journal』創刊
本誌は、“Community” と “美しい” という二つの感覚を糸口に、グローバルに展開する企業からローカルに根ざす商いまで、規模や拠点を問わず、私たちが美しいと感じる経済の営みを訪ね、対話し、その背後にある人々の哲学や態度、創意工夫や仕組みを各地のCommunity Based Companiesが取材・執筆したものです。
ビジネスが内包している「文化が経済を育て、経済が文化を育む」という側面にスポットを当て、親密さや美意識といった数値に置き換えにくい価値を大切にできるビジネスの可能性の発見を可視化し、希望の持てる経済活動の選択肢が世の中に増えることを願い、創刊しました。今後は定期刊行物として年2回発行し、国内の書店やWEBサイトにて販売します。
□創刊の背景と呼びかけ
“Community Based Economy”※1は、オーガニックでローカルなビジネスを営む各地の実践者や、先人たちの数々の試みが発見させてくれたコンセプトです。私たちは「一人ひとりの人生の歓び」や「暮らす地域の文化や生態系」、「私たちが生きる地球」など、いつの時代も変わらず大切にしたいことを大切にできる経済を “Community Based Economy”(以下、CBE)と呼んでいます。一つの言葉を世界各地の仲間たちと共有することで、望む経済を自らつくる実践者たちがゆるやかにつながり、距離や領域を越える共創的な連帯によって、自由でやさしい経済圏が広まることを願っています。
今回発刊する『Community Based Economy Journal』は、CBEの先に広がり続ける希望の風景を国内外の実践者や研究者等と共有するための媒体として創造しました。「美しい経済の風景をめぐる旅の記録」をテーマとして、過去に学び、現在に出会い、未来に遺すために、世界をめぐります。書籍と雑誌の間のような定期刊行物として、私たちが美しいと感じる経済の営みを訪ね、対話し、その美しさの背景へと歩みを進め、人々の哲学や態度、創意工夫や仕組みを共有することで、自由でやさしい経済圏のつくり方を探求していきます。
※1 Community Based Economy:https://community-based.org/
https://release.world/jp/bridging-p/H0_fW9ld
https://community-based.org/journal
□創刊に寄せる想い
“Community” という言葉も、“美しい” という言葉も、捉え方は人それぞれだと思いますが、ともに情緒的な価値とつながる主観的な感覚を伴う言葉です。また、ともに「文化」の存在を前提とする感覚でもあります。本誌では、“Community” と “美しい” という二つの感覚を糸口とすることで、私たちの人生の土壌となる「文化」を、その「文化」を耕し育む「青い地球と呼応する経済」のあり方を探究したいと思います。親密さや美意識といった数値に置き換えにくい価値を大切にできるビジネスに「こういう可能性があったのか」と驚き、希望のある経済活動の選択肢として世界と共有していきます。そして、かつてレヴィ・ストロースが「人間と自然のあいだにある親密な関係の具体化」と言った “はたらく” の姿を、多様性と固有性をもって未来へと渡していきたい。そのために私たちは、手元の画面上が賑うことよりも、自らのライブラリーに収集する価値を感じることを記録していきます。
私たちの子どもたちが、自宅の本棚から本誌を手にとって、この青い地球のどこかへ旅立つ日を夢見て。
□『Community Based Economy Journal 001 − 美しい経済の風景をめぐる旅の記録 −』
目次
#1 美しい経済の風景の、つくり方を訪ねる
8 ワコール「京の温所」/楠木 章弘/ KYOTO
20 散歩社「BONUS TRACK」/内沼 晋太郎、小野 裕之/ TOKYO
33 シーベジタブル/友廣 裕一、蜂谷 潤/ TOKYO
45 リズム学園「はやきたこども園」/井内 聖/ HOKKAIDO
55 The Cheese Board Collective / Steve Manning、津曲 陽子/ BERKELEY
65 産直市場グリーンファーム/小林 啓治/ NAGANO
75 Larry vs Harry / Hans Bullitt Fogh / COPENHAGEN
87 obama village /有村 健弘、有村 康弘/ KAGOSHIMA
94 Think the Earth /上田 壮一/ TOKYO
106 香老舗 松栄堂/畑 正高/ KYOTO
#2 美しい経済の風景の、感じ方と出会う
120 堂目 卓生/大阪大学大学院経済学研究科教授/ OSAKA
131 小野寺 愛/そっか 共同代表/ ZUSHI
140 Anker Bak /家具デザイナー/ COPENHAGEN
150 藤田 一照/曹洞宗僧侶/ HAYAMA
#3 美しい経済の風景の、つくり手と歩く
161 リバーバンク「GOOD NEIGHBORS JAMBOREE」/坂口 修一郎/ KAGOSHIMA
172 ◯と編集社「トビチ商店街」/赤羽 孝太/ NAGANO
180 パースペクティブ「工藝の森」/高室 幸子、堤 卓也/ KYOTO
□書籍情報
名称:Community Based Economy Journal 001 - 美しい経済の風景をめぐる旅の記録 -
発行:一般社団法人リリース
販売:有限責任事業組合 涌出
サイズ:A5変形
ページ:192ページ
言語:日本語
定価:2,000円+税(10%)
ISBN:978-4-911085-01-1
□発行について
一般社団法人リリース
RELEASE;は「未来が歓迎する経済をつくる」ために、ビジネスとクリエイティブをはじめとした多様な専門家が集まり共創する非営利型ビジネスプロデュースプロジェクトです。自然や文化等社会の分母となる資本を減らすことなく、それらを耕し育み続けるビジネスを、地球と呼応する経済活動として将来世代に手渡します。
□販売について
有限責任事業組合 涌出
〈涌出 WAKIIZU〉は、長野県在住のメンバーで構成する、編集デザインチームであり、出版レーベルです。同じ地域で暮らしているからこそ察することができる、県内各所のあたらしい動き、希望のきざし、未来に届けたい現在が「涌き出づるスポット」を訪ね、綴り、県内外に伝えます。信州に軸足を置く一方で、国内外のローカル同士の自由な対話と学び合いを促し、これからの時代をすこやかに生きるための多様な別解を編み出すべく、特定の地域に限定されない出版活動も、併せて展開します。
https://wakiizu.jp
□注文について
有限責任事業組合 涌出(本社所在地:長野県松本市深志3-7-8)が運営するWEBサイトにて一括注文・発送を承ります。また取次(委託)販売や直接販売(買取)などのお問い合わせは、メールアドレス(hello@wakiizu.jp)へお尋ねください。
・書店販売用 https://wakiizujptob.stores.jp/items/64895a7607d2c40031541e14
・一般販売用 https://wakiizujp.stores.jp/items/648ab528816e61002b236a03
□取り扱い書店
・栞日(長野県松本市 https://sioribi.jp)
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□制作プロセスの特徴
【特徴1】
Community to Community でつくり、伝える
・各地のオーガニックでローカルなビジネスを営む各地の実践者(Community Based Company、以下、CBC)自らが他の地域に紹介したい事例や言語化したい取材対象を選定し、現地のライターや写真家をコーディネートの上、取材するコントリビューターの役割を担っています。取材を通して、各地のコミュニティへの価値の拡張や関係性を深める機会としています。
〈コントリビューター〉 ※肩書は発行時点
・菊地 徹/一般社団法人ローカルイノベーションイニシアチブコーディネーター、株式会社栞日 代表取締役、松本市議
・須部 貴之/株式会社KISYABAREE 代表取締役、NPO 法人薩摩リーダーシップフォーラム SELF 代表理事
・瀧内 貫/一般社団法人ローカルイノベーションイニシアチブ 共同代表
・野崎 恭平/NPO 法人薩摩リーダーシップフォーラム SELF 代表理事
・ふるかわ りさ/NPO 法人薩摩リーダーシップフォーラム SELF 代表理事
・三浦 卓也/株式会社フェリシモ執行役員
・柴田 涼平/株式会社とける代表取締役
・たかはし くうが/合同会社hataori 代表
・冨田 栄里/エディブル メディア代表、一般社団法人エディブル・スクールヤード・ジャパン理事
・ニールセン 北村朋子/デンマーク在住。文化翻訳家/ Cultural Translator。Lollands Højskole PR・コミュニケーション担当。AIDA DESIGN LAB理事。DANSK主宰
【特徴2】
バリューチェーンの川下から川上までが交わりながら全体を企画
書店で扱い販売しやすい制作プロセスや流通形体を実現するために企画段階から読者層であるビジネスリーダー、販売者である書店経営者等、バリューチェーンの川下から川上までが交わるチームで企画。定期創刊後も創刊号を手に取りたくなるような、月日が経っても色褪せない媒体設計にしています。
【特徴3】
Community based な書店のネットワークを通して販売
発売元の涌出の代表・菊地氏が経営する書店「栞日」が長野県・松本市の地域に愛される書店であるように、各地で地域に愛され、文化の開発発信源でもある書店への流通を大切に考え制作。国内外のCommunity based な書店のネットワークを通して販売していきます。
【特徴4】
Community Based Economyを育む流通へのチャレンジ
書店とは、自らの視点や願いとともに選書した本を買い取り、責任を持って販売することで、地域の文化を豊かにする生態系の一つの役割である、と考える栞日書店の姿勢に共感し、委託でなく書店買取りの形態を重視。また、取材対象者をはじめとした各地のCBCが自らの願う経済観を表現する手段として本誌を販売できるよう、既存の書店流通とは別にCBE独自の流通網を形成。CBE全体で知的資本と経済資本の両方を増やし続けることを目指しています。
【特徴5】
ここでの会話、行動、決断を未来に残すビジネスドキュメンタリーに徹して編集
ビジネスという行動と決断のプロセスを取材対象者の言葉で忠実に残すことを最優先、将来世代に遺すことに主眼をおいたビジネスドキュメンタリーマガジンとして編集。読者の誘導を避け、編集側の解釈が入りにくいインタビューに多くのページを割く他、問いもインタビュアーの思考回路が辿れるものに限定。写真配列も抑揚がつかないデザインとしています。
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