難民支援の行動「何もしていない」日本が1位~難民に対する理解度の低さ浮き彫りに~

~世界29カ国対象「難民に関する意識・行動調査」レポート2023~

イプソス株式会社

世界最大規模の世論調査会社イプソス株式会社(日本オフィス所在地:東京都港区、代表取締役:内田俊一)は、世界29カ国の74歳以下の21,816人を対象に、「難民に関する意識・行動調査」を実施しました。

【調査サマリー】

  1.  「この1年間難民のための支援は何もしていない」29カ国中日本が1位

    ⇒「この1年間難民のために何も行動を起こしていない」と回答した人が日本は93.1%。この数値は29カ国中1位である。(平均値は67.0%)


  2. 難民を受け入れる理由、日本は29カ国中最多の21.1%が「わからない」と回答

    ⇒日本の回答は「人道上の理由」が37.0%、次いで「わからない」が21.1%であった。「わからない」と回答した割合は全29カ国中、日本が最も多く、また、20%を超える割合は日本のみであった。


  3. 難民の待遇の良し悪しを問う設問に対し、日本は29カ国中最多の36%以上が「わからない」と回答

    ⇒「わからない」と回答した割合は日本が最も多く36.7%であった。また日本単独でみても「わからない」は、「待遇は非常に良い」「まあまあ良い」の合計27.9%、「非常に悪い」「あまり良くない」の合計35.4%を上回る回答数であった。


  4.  亡命希望者の動きの制限については、「支持も反対もしない」「わからない」が約54%と半数を上回った

    ⇒「わからない」20.1%、「支持も反対もしない」33.8%と半数以上が明確な意見を持ち合わせていなかった。また、「わからない」と回答した割合は、20.1%で29カ国中最多であった。


【調査背景】       

当社では毎年6月20日の世界難民の日に合わせて、世界29カ国を対象に、難民支援に対する意識や行動に関する調査を行っています。現在は、ウクライナで起きている人道危機などの影響により、世界の難民・国内避難民は、増加の一途をたどっています。難民の保護や支援は国際的な義務とされていますが、現実には課題も存在します。本調査はそうした課題やニーズの正確な把握を目的に実施されました。


【 調査概要 】

調査方法:イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォームを使用したオンライン調査

調査対象:世界29カ国の74歳以下の21,816人 (日本 16歳~74歳の1,001人)

調査実施日:2023年4月21日~5月5日

調査機関:イプソス


【 調査結果 】

1. 難民支援に関して、過去12ヶ月間にあなたが行ったことをお答えください。

「過去12か月間何も行動をしていない」と回答した割合は日本が93.1%と突出して高く、次いで韓国、チリ、米国と続いています。他国に比べても日本人の難民支援に対する関心の低さがうかがえます。一方で本設問への回答割合が最も低い国はインドネシアであり、具体的な行動の内容は「難民を支援するメッセージをSNSに投稿した」、「資金や物品の寄付」などでした。


2. 国が難民を受け入れる最も重要な理由は、次のうちどれだと思いますか?

日本の「わからない」の回答割合21.1%は29カ国中最多で、これは「人道上の義務」37.0%という回答に次いで2番目に多い回答でもありました。ここでも難民に対する知識、関心の薄さが垣間見られます。


3.「難民が自国で受けている待遇は、どの程度良いまたは悪いと思われますか?

「わからない」と回答した割合は日本が最も多い36.7%でした。また日本単独でみても「わからない」は、「待遇は非常に良い」「まあまあ良い」の合計27.9%、「非常に悪い」「あまり良くない」の合計35.4%を上回る回答数でした。各国と比べて日本の難民の状態への理解は高くないことがわかります。

 

4. あなたは、難民申請が処理され、自国に在留できる許可が下りるまで、亡命希望者※1の動きを制限する(移民拘留センターや国境施設などで)という方針を、どの程度支持できますか

 ※1.亡命希望者とは、安全な避難場所を求める申請が、申請先の国でまだ処理されていない状態にある人のことを意味します

亡命希望者の行動の制限については、「支持も反対もしない」「わからない」が約54%と半数を上回りました。

半数以上が明確な意見を持ち合わせていないことがわかり、また、「わからない」と回答した割合は、20.1%で29カ国中最多でした。


【まとめ】

世界の難民はここ10年ほどで急増し、ウクライナ人道危機の影響もあり、国際的に取り組むべき深刻な課題となっています。しかしながら日本の難民に対する意識や理解は他国と比べて低く、多くの人々が、難民に関する正確な情報を持っていないことが、今回の調査で明らかになりました


日本の難民認定率は1%以下(法務省調べ)と諸外国に比べて非常に低く、難民の問題を身近な問題として感じにくい環境であるということも今回の結果に大きく影響していると考えられますが、こうした状況の中

可決された「出入国管理及び難民認定法(入管法)」改定案は、国民の正しい理解のもとで議論がなされたとは考えにくい状況と言えるでしょう。


<関連リンク>

◇世界難民の日2023年調査サマリー「2022 年以降減少しているが、依然として難民への支持は高い」

https://www.ipsos.com/ja-jp/world-refugee-day-2023-support-principle-refuge-remains-high-despite-decline-2022


◇世界難民の日 難民に対する世界の意識 調査レポート 2023年6月

(本プレスリリースのデータは以下のレポートより抽出しています)

【英語版】

https://www.ipsos.com/sites/default/files/ct/news/documents/2023-06/ipsos-global-advisor-world-refugee-day-2023-full-report.pdf


【日本語版】

https://www.ipsos.com/sites/default/files/ct/news/documents/2023-06/Ipsos%20World%20Refugee%20Day%202023%20Global%20Report_FINAL-ja.pdf


◇プレスリリース(グローバル)「イプソスは2026年までに100人の難民を採用へ」

https://www.ipsos.com/ja-jp/ipsos-recruit-100-refugees-2026



●イプソスについて

イプソスは、世界最大規模の世論調査会社であり、90の市場で事業を展開し、約2万人の従業員を擁しています。1975年にフランスで設立されたイプソスは、1999年7月1日からユーロネクスト・パリに上場しています。同社はSBF120およびMid-60指数の一部であり、繰延決済サービス(SRD)の対象となっています。
ISINコード FR0000073298, Reuters ISOS.PA, Bloomberg IPS:FP www.ipsos.com


【会社概要】
会社名:イプソス株式会社
所在地:東京オフィス 〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-3-13 ヒューリック神谷町ビル
代表者:代表取締役 内田 俊一
事業内容:世論調査並びに各種市場調査の調査企画立案、実査、集計、分析、レポーティングに関する全てのサービス
HP:https://www.ipsos.com/ja-jp

本プレスリリースは法曹記者クラブおよび都庁記者クラブに配布しています。

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会社概要

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https://www.ipsos.com/ja-jp
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区虎ノ門4-3-13 ヒューリック神谷町ビル
電話番号
03-6867-8001
代表者名
内田俊一
上場
海外市場
資本金
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設立
1968年09月