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株式会社フォトニック・エッジ
会社概要

300GHz帯におけるアンテナ近傍界計測のデモンストレーションに成功

Beyond5G/6G時代に応える、300GHz帯アンテナの近傍界計測を実現。独自の光学技術とEOセンサプローブによる、従来技術とは全く異なる、新しい計測手法を提案

株式会社フォトニック・エッジ

岐阜大学発認定ベンチャー(第一号)であり独自の光学技術を有する株式会社フォトニック・エッジ(岐阜県岐阜市、代表取締役:杉山、以下当社)は、産業技術総合研究所の技術移転ベンチャーの7G aa株式会社(茨城県つくば市、代表取締役:鳥羽、以下7G aa)と共同で、300GHz帯アンテナ計測のデモンストレーションを実施し、アンテナ近傍の電界空間分布を実験的に可視化し、アンテナの放射パターンが評価可能であることを実証しました。

【デモンストレーションの内容】

・当社独自の光学技術とEOセンサプローブ(注1)を活用した、光技術による計測システムにてテラヘルツ帯においても近傍界計測を実現。

・7G aa独自の近傍界-遠方界変換アルゴリズムによって、従来技術よりも測定時間を短縮して遠方界変換を実現。

・当社の光技術による近傍界計測システムと、7G aaの近傍界-遠方界変換アルゴリズムとの技術融合を、実際に300GHz帯ゲインホーンアンテナを計測することで実証。実際に計測することで説明通りの機能・能力を持つことを示すことに成功。

図1:計測デモンストレーションの様子

説明)300GHz帯のゲインホーンアンテナを計測。EOセンサプローブはロボットアームに装着され、アンテナ近傍にて円筒走査測定を実施。

図2:アンテナ近傍の電界空間分布(実測結果)

説明)アンテナ近傍を円筒走査したときの、振幅と位相の空間分布を実測によって可視化している。

図3:シングルカット法とマルチカット法

説明)シングルカット法とマルチカット法の測定点の配置を示す。Z方向の測定間隔は従来大きいため測定時間の短縮に繋がる。

図4:遠方界変換結果

説明)マルチカット法により得られた振幅と位相より、近傍界―遠方界に変換した結果を示す。


【当技術の活用先、アプリケーション】

・Beyond5G/6G(2030年にサービス開始予定の次世代移動通信)(注2)で活用が見込まれる300GHz帯のアンテナ計測、等。

当社製品情報はこちら:https://www.photonic-edge.com/product


【技術のメリット】

・周波数対応は、当デモンストレーションの実験系にて75GHz~330GHzに対応。さらに、当社がすでに製品化している10GHz~77GHz帯の計測システムとを組合わせることで、10GHz~330GHzの幅広い周波数に対応可能。

・全ての周波数帯で近傍界計測を実現。広大な電波暗室や計測フィールドは不要、卓上環境や小型の電波暗箱にて計測環境が完結。さらに、当社技術はVNA(Vector Network Analyzer)や周波数エクステンダー(注3)が不要なため、低コストな計測システム構成を実現。

・計測環境まで低ロスな光ファイバーで取り回しするため、計測環境とオペレート環境とが遠隔となる場合も対応が可能。

・近傍界―遠方界変換は、シングルカット、マルチカット(注4)と呼ばれるアルゴリズムによって、従来と比較して大幅に測定点を減らすことも可能、計測時間を短縮できる。


【研究背景】

これまでの移動(無線)通信(~5G)で活用されてきたマイクロ波帯周波数ですが、すでに使用割当は細かく割り当てられており、マイクロ波帯周波数の電波資源は逼迫しており、ミリ波やテラヘルツ波帯のより高い周波数帯への移行が急務です。

その中、当社と7G aaは国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)のBeyond 5G研究開発促進事業、委託研究 (シーズ創出型プログラム)に採択され、「300GHz帯アンテナ評価の実用化」をテーマとして、計測技術の観点より、より高い周波数へ移行するための技術確立を目指す研究開発を推進しています。

従来の電気的手法は周波数的(物理的)に技術限界に達するおそれがあり、また従来より多くのケースで使用される遠方界計測の遠方界距離は波長とアンテナサイズによって決まり、非現実的で広大な計測環境を要するため、技術限界の課題打破と、コンパクト・低コストで構成される計測システムの確立が求められています。

そこで、当社は従来技術とは異なる独自の光学技術を活用することで課題を打破し、且つ、低コスト構成なアンテナ計測の実現に向けて研究を進め、また、7G aaの独自アルゴリズムを融合することで計測時間も短縮した、これまでとは全く異なる、新しい計測システムの実現に取り組んでいます。


【役割分担】

株式会社フォトニック・エッジ:EOセンサプローブによるアンテナ計測システム

7G aa株式会社:ロボットアームによる走査、近傍界―遠方界変換


【今後の展開】

今回は初の、300GHz帯アンテナ計測デモンストレーション実施でしたので、実用化に向けていくつかの課題も抽出しました。今後は、その課題の解決に取組み、早期(24年度)に製品の市場展開することを目指します。


【用語解説】

注1)   EOセンサプローブ

 電気光学効果=EO(Electrical-to-Optical)センサを利用したセンサプローブを指します。EOセンサは複屈折が存在する非線形光学結晶です。通常用いられるアンテナや導波管プローブは金属で構成されているため、電場を乱しますが、一方で当社のプローブは、すべて誘電体により構成されているため、被測定電界を乱さず、忠実度の高い可視化が可能となります。

注2)   Beyond5G/6G

 2030年にサービス開始が予定されている次世代の移動通信(第6世代移動通信、6G)では、無線キャリアとして300GHz以上のテラヘルツ波が利用される予定です。6Gでは、「超高速・大容量通信」「超低遅延」「超カバレッジ拡張」「超高信頼通信」「超低消費電力・低コスト化」「超多接続&センシング」といった条件が求められています。

注3)VNA(Vector Network Analyzer)、周波数エクステンダー

VNA内部信号源は周波数掃引(スイープ)され、一方が内蔵の基準レシーバに保存され、同時にもう一方がDUT(被測定物)への信号として出力されます。 その反射信号、伝送信号を測定します。一般的に、テラヘルツ帯など高い周波数に拡張するためには、周波数エクステンダーと呼ばれる拡張デバイスが別途必要になります。

注4)シングルカット、マルチカット

 アンテナ計測方法。アンテナゲインに応じてアンテナを計測するライン数を減じる。シングルカットでは計測ラインは一ラインとなる。これにより、従来より大幅に計測時間を短縮することが可能となる。


【謝辞】

 本研究成果は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、エヌアイシーティー)の委託研究(04101)により得られたものです。


【関連情報】

本研究成果は、以下の国内展示会で出展を予定しております。

・COMENXT次世代通信技術&ソリューション展(2023/6/28~6/30)

 展示会の詳細情報はこちら:https://www.cbw-expo.jp/ja-jp.html

・MWE(マイクロウェーブ展)2023(2023/11/29~12/1)

 展示会の詳細情報はこちら:https://apmc-mwe.org/mwe2023/


【問合せ先】

株式会社フォトニック・エッジ

担当:杉山

メール:info@photonic-edge.com

WEB:https://www.photonic-edge.com/home

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種類
商品サービス
関連リンク
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会社概要

株式会社フォトニック・エッジ

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URL
https://www.photonic-edge.com/
業種
製造業
本社所在地
奈良県奈良市富雄北3丁目20番11号
電話番号
090-5689-6585
代表者名
杉山武史
上場
未上場
資本金
-
設立
2019年07月
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