株式会社日本工芸著作権協会の事業開始について
株式会社日本工芸著作権協会は、工芸著作権の調査・代理登録・活用に特化したサービスを開始しました。
このたび設立した株式会社日本工芸著作権協会(以下、日本工芸著作権協会)は、経済産業省が指定する全国の伝統的工芸品240品目の産地が有する知的財産権のうち、主に著作権に関する調査・登録・活用に特化したサービスを提供する法人です。
2023年6月23日(水)より、著作権等管理事業者の26事業者目として文化庁により登録されたことから、本格的な事業を開始致します(詳細は下記リンクを参照)。
著作権等管理事業者登録状況一覧(文化庁ホームページ)
日本工芸著作権協会は、著作権管理事業法に定める著作権等管理事業者として伝統工芸産地における著作権調査、著作権代理登録、著作権活用スキーム提案等の多面的な工芸産地支援を行うことで、伝統工芸産地の新たな収益機会を創造し、持続可能性を高め、次世代へ日本の多様かつ魅力的なものづくり文化の継承を支援していきます。
【ウェブサイト(https://jsac.co.jp)】
■背景:一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアムにおける知的財産権活用事業を通じた課題発見
14~15世紀頃に始まったとされる琉球びんがたは、沖縄で生まれ育った唯一の染物で、京友禅、加賀友禅、江戸小紋と並ぶ日本の代表的な染物です。戦後の混乱も生き抜き、長い歴史と風土に培われた琉球王朝文化の一つであり洗練された華麗さと芸術性は今に至るまで高い評価を受けています。
しかし、琉球びんがたは、織物とは違いデザインに特徴のある工芸品のため模倣品も多く、琉球びんがたの歴史的価値を加味しないプリント製品や海外産の粗雑な製品等が多数見受けられます。
一般社団法人琉球びんがたコンソーシアムは、上記課題を解決するため2019年4月に当団体のコンセプトに賛同頂ける企業と連携するかたちで設立されました。2023年6月時点では会員企業32社と連携し、琉球びんがたの著作権(知財)活用モデルの構築、琉球びんがたの著作権を使用したモノ・コト商品のプロデュースを行ってきました。
2021年12月には、全国の工芸産地初のびんがたNFTを発行するなど、先進的な取り組みを行なっています。
【Bingata NFT販売サイトイメージ】
一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアムの活動を通じ、琉球びんがた産地に限らず国内の伝統工芸産地には、著作権等の知財活用に構造的な問題が内在していることを発見しました。
また、令和5年6月には、知的財産戦略本部(本部長・岸田文雄首相)会合が開かれ、「知的財産推進計画2023」が決定されています。推進計画では、多様なプレイヤーが、知的財産の価値を最大限に引き出す社会へと変革していくことが重要との考えも提示されています。「知的財産推進計画 2023」では、AI と著作権との関係は従前よりどのような AI 生成物が「著作物」となるのか等についての指摘もあり、次時代における伝統工芸産地の知的財産権活用基盤の整備は必須であると考えています。
*一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアムの詳細については下記サイトを参照
https://bingataconsortium.com/
■著作権等管理事業法とは
著作権等管理事業法は、著作物の利用に関する権利処理を行う著作権管理団体の設立・運営等を定めた日本の法律です。著作権者が自らの著作物を管理団体に委託し、利用者が利用料を支払うことで著作権の利用が可能となります。
また、違法な著作物の掲載や配信を防止するための規定も含まれています。適正な著作物の利用を促進し、著作権者の権利保護を確保するための重要な法律となっています。
■設立時メンバーからのコメント
株式会社日本工芸著作権協会 代表 岡本 幸樹
(株式会社ピハナコンサルティング 代表)
「私たちは、日本の伝統工芸の魅力と著作権の活用に注目し、新たなデジタル社会における工芸産地の価値を創造することを目指しています。私たちの新たなサービスが、伝統工芸の素晴らしさを世界中の人々に広めるだけでなく、新たな日本国内における伝統工芸の知財市場を育てる機会になることを願っています。」
株式会社日本工芸著作権協会 取締役 小渡 晋治
(株式会社okicom 副社長 / 一般社団法人琉球びんがた普及伝承コンソーシアム 事務局長)
私たちは、連綿と受け継がれてきた日本の伝統工芸が、現代の生活やアートシーンにおいて、今以上に高い認知を獲得し、その持てる価値を発揮出来るものと確信しています。その潜在力を顕在化させる過程において、著作権の適切な管理・活用は必然であると考え、この度、本事業を推進しています。伝統的なデザインであることと、著作権を認識し、守り、活用を広げていくことは、幅広いステークホルダーと丁寧な対話を重ねていくことが大切です。世界を魅了する日本の文化をエンパワーし、時代を捉えた活動が行えるよう、本事業の確立、推進に尽力いたします。
株式会社日本工芸著作権協会 取締役 知念 冬馬
(知念紅型研究所 代表)
私たち職人は、日本の伝統文化継承にいて欠かせない役割にあります。
日本工芸著作権協会のような組織が著作権の活用や保護に取り組むことで、伝統工芸品の真の価値を守り、新たな収益機会を創造することができるはずです。品質や芸術性にこだわり、今後の社会に向けた創造力を存分に発揮することが、文化を守り続けられる術だと考えます。日本の多様かつ魅力的なものづくり文化を後世に伝えるため、今だからこそ出来ることを始めていこうと思います。
株式会社日本工芸著作権協会 監査役 大塚 大
(駒沢公園行政書士事務所 代表)
多くの優れた工芸品やデザインを国内外の皆様に知っていただき、また利用していただけるように、当協会が架け橋となりたいと考えております。ぜひとも、お気軽にご相談をいただけたらと思います。
■株式会社日本工芸著作権協会 概要
設立日:2023年1月26日
所在地:〒145-0064 東京都大田区上池台1-34-2
代表:岡本 幸樹
取締役:小渡 晋治 / 知念 冬馬
監査役:大塚 大
TEL: 03-5961-0262
事業内容:工芸産地著作権調査・登録代行・活用アドバイザリー
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