都庁のデジタル化から東京全体のデジタル化を目指すGovTech東京 「東京DXネクストステージキックオフイベント」を東京都と合同開催
2030年代を目途に目指すオール東京によるDXの将来像を東京都と共に発表
1.「東京デジタル2030ビジョン」発表(小池百合子東京都知事)
はじめに小池百合子東京都知事が登壇し、2030年代を見据えた「東京デジタル2030ビジョン」について発表を行いました。
■取り組みの背景について
人口減少による働き手、公務の担い手の減少が想定されている一方、社会の成熟とともに行政に対する都民のニーズが複雑化・多様化している中、これまでと同じやり方では、都民が求めるサービスの水準を維持することが難しく、サービスの変革に果敢にチャレンジしていかなければなりません。
都民のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させ、東京の魅力を高め持続的に成長させていく。このような社会を実現していくため、デジタルの持つ「スピードアップ」、「スケールアップ」、「クオリティアップ」といった力を生かし、都が牽引役となり、新たな発想のもと、オール東京での変革に挑んでまいります。
■3つの変革について
サービスの変革によって、人が輝く、一人ひとりが輝く社会をオール東京で目指します。これを実現するためにデジタルを最大限活用します。「プッシュ型」、「垣根を越える」、「顧客最適化」という3つの変革を軸に取り組みます。
「プッシュ型」
利用者が行政サービスをWebサイトなどで探すことなく、行政が先回りして利用者の皆様にサービス情報をお知らせするプッシュ型に変えていきます。
「垣根を越える」
それぞれの自治体や窓口ごとに申請手続が必要だったものを、行政の垣根を越えてデータを連携して、いくつもの窓口を回る必要がないシームレスなサービスの提供につなげます。
「顧客最適化」
行政視点で標準化されたサービスをデジタルで変革し、利用者それぞれのニーズや変化を的確に捉え、サービスを提供する各機関が連携することで、一人ひとりのニーズに応じた最適なサービスを組み合わせて提供します。
■変革を進める新たな協働体制について
変革を成し遂げるため、都が推進役となり、技術の専門家集団GovTech東京とともに、新たな協働体制の下で、取組を進めてまいります。
国や区市町村の皆様の力、スタートアップや企業の皆様の力、そして東京で生活し活動する都民や事業者の皆様の力、全ての力を掛け合わせて、誰もがデジタルの力で豊かになる未来の東京を作っていきましょう。
2.「GovTech東京」について(宮坂学東京都副知事・GovTech東京理事長)
続いて、GovTech東京理事長を務める宮坂学東京都副知事が登壇し、これまでの都の取組とGovTech東京のビジョンや活動について説明しました。
■これまでの歩みとあるべき姿について
東京都は、ペーパーレス、FAXレス、ハンコレス、キャッシュレス、タッチレスの「5つのレス」の徹底や、東京デジタルファースト条例の制定など、デジタル化を大きく推進してきました。今後、都民の生活がデジタルで便利になったと実感できる、あるべき未来の姿を目指すためには、「DXのD(デジタル化)をいかにX(トランスフォーメーション)していけるか」が肝になると考えています。
GovTech東京設立にあたって、都内62の全ての区市町村から賛同を得ることができました。各自治体の皆様の期待にしっかりと応えつつ、東京都が行政サービス変革のロールモデルとなり、オール東京の先進的な取り組みが全国の自治体にも波及していくような形を目指してまいります。
■GovTech東京のビジョンと活動について
GovTech東京は、「共同化」と「協働」をテーマにデジタル化の取組を進めてまいります。具体的には、AI議事録などのツールや端末等の調達、校務支援システムや図書館管理システムの開発など各区市町村と「共同化」に向けた意見交換や議論を重ね、デジタルに必要不可欠な全体最適に向けた実現可能性を探ってまいります。
さらに、GovTech東京では、公務員制度の枠にとらわれず人材を採用できるという民間としての強みを生かし、公的分野に関心を持つデジタル人材を柔軟に採用、各区市町村に派遣するという、人材の「共同活用」や「人材紹介」を通して区市町村のDXを後押しする体制も整えていきます。
GovTech東京が、国や各自治体、アカデミア、民間企業など官民問わず色々な人が同じ船に集まり、行政のデジタル化を推進する受け皿になりたいと考えており、「行政のDX推進」という共通の目的を達成するために、 GovTech東京のビジョン「情報技術で行政の今を変える、首都の未来を変える」のもと、お互いが協力し合い、対等な立場で取り組んでいくことを重要視して取り組んでまいります。
区市町村や国、民間企業の方々と話し合いながら進めていくためにも、様々な所属の方々とオープンに、立場・役職にとらわれずフラットに議論できる「オープン&フラット」の文化をつくり、実践していきたいと考えています。
3.区市町村長とのトークセッション
後半ではトークセッションが行われ、小池知事と宮坂副知事、特別区長会から吉住健一新宿区長、東京市長会から加藤育男福生市長、東京都町村会から杉浦裕之瑞穂町長が登壇し、東京都が目指すDXの将来像について、区市町村でのこれまでの取組も踏まえて意見交換しました。
■吉住健一新宿区長
DXを通じて、効果的・効率的な行政サービスの運営が求められるなか、これまでにも共同化の動きはあったものの各自治体で業務プロセスが異なるがゆえに一度に皆でというのは難しい状況でした。そうした中、GovTech東京が設立され、23区全体で加入できたのは大きな一歩だと感じています。
特別区のDXに関する取組みとして、今年度、オンライン研修ツールの共同調達を行いました。初めての試みということもあり、5区での取組みでしたが、合算で約220万円節約することができました。
東京全体のスケールメリットを生かせば、その効果は絶大であり、これまで以上に連携を深め、オール東京で取り組んでいければと思います。
■加藤育男福生市長
知事と副知事のプレゼンを聞いて非常にワクワクしました。市長会では多摩30市町村の管理職を中心としたプロジェクトチームを結成し、ICT勉強会や学童クラブ入所申請のオンライン化の実証実験を進めてきました。現在はDX担当者向けの横連携のワークショップや、窓口業務のDXとして「ワンスオンリー(一度提出した情報は、二度提出することを不要とする)」を目指した実証事業にも取り組んでいます。
市長会はかねてより、基礎自治体のデジタル化のサポートを東京都にお願いしてきた経緯があります。共同調達のスケールメリットによるコストダウンや人材プールによる専門性の高いデジタル人材のシェアリングなど、GovTech東京には大変期待しています。
■杉浦裕之瑞穂町長
超少子・高齢化社会などに直面する中、誰もが「DXは社会を変える大きな力になる」と感じ取っていると思います。一方で、一般職員や看護師や保健師、保育士などの行政を支える人材確保には非常に苦慮しています。
さらに一自治体が単独でDXに取り組むためには、人材の確保や財政面など様々な困難が伴い、DXへ「踏み出す前に躓いてしまう」ようなことが起きかねません。東京都全体のスケールメリットを生かした取組は、特に「人材確保」の面で大きな力を発揮できるのではと期待しています。
■小池知事
本日、東京デジタル2030ビジョンを発表しました。デジタルの力を最大限活用していくことが、東京を持続的に発展させていく鍵だと思います。
オール東京でのDXネクストステージということですが、都民サービスをどう向上させ、持続的な成長につなげていくかにみんなで向かっていくことがポイントだと思います。区市町村だけでなく、民間やNPO等様々な主体がワンチームとなって、GovTech東京でよかったと言われるよう、ともにスタートしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
〇GovTech東京 団体概要 https://www.govtechtokyo.or.jp/news/2023/09/11/1579/ 〇東京デジタル2030ビジョン https://www.digitalservice.metro.tokyo.lg.jp/2030vision/index.html |
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