AIシステムを使って養鶏業と障害者をつなぎ、二つの業界の課題を同時に解決するソリューション「コロンブスのたまご」の実証実験を実施
~目指すのはみんなが笑顔になる暮らし。養鶏業と福祉の課題をITでつないで解決~
養鶏業を展開するアイナン産業(愛知県知多郡、代表取締役:齋藤大士)、障害者支援を行う有限会社cheer(名古屋市守山区、代表:恩田 泰寛)、ITを活用して課題を解決する仕組みをデザインする株式会社HALO(愛知県名古屋市、代表取締役:鵜飼幸子)の 3社は共同で、AI技術を使って誰でも高い精度で卵の選別が可能になる「コロンブスのたまご」を開発。2023年11月に実証実験を行いました。
「コロンブスのたまご」はコンベアを流れる卵の汚れや割れをAI技術で判別し、プロジェクションマッピングで取り除くべき卵を指し示すシステムです。
▪︎養鶏現場の課題
養鶏場では出荷前の卵を人の目でひとつひとつチェックし、汚れや割れを取り除いています。しかし汚れや割れを正確に判別するには熟練が必要になり、人によって(あるいは同じ人でもコンディションによって)判別の基準にもばらつきが生じます。
鶏卵場で汚れや割れが見落とされてしまうと先工程であるGPセンター(鶏卵自動選別放送施設)で再度検査されて取り除かれることになりますが、見落としが多いと GPセンターの負荷が大きくなるとともに、取引価格にも影響するため鶏卵業者の経営も圧迫します。
また、近年では作業者の高齢化による人手不足も深刻な問題になってきています。
卵の自給率は約97%と非常に高く、破損しやすい、傷みやすいといった性質上、輸入は極めて困難です。鶏卵業における人手不足は業界内にとどまらず、私たちの食生活にも影響しかねない問題なのです。
▪︎コロンブスのたまごについて
こうした課題を解決するために開発されたのが「コロンブスのたまご」です。
「コロンブスのたまご」はコンベアを流れる卵の汚れや割れをAI技術を用いて判別し、プロジェクションマッピングで取り除くべき卵を指し示すシステムです。
卵をひとつひとつ目で見てチェックする必要がなくなるため作業者による基準のばらつきをなくすと同時に、見落としの削減(判別精度の向上)を実現します。
こうした精度向上による効果は利益率10%増と試算されています。
また、「コロンブスのたまご」を用いることによって熟練者以外でも卵の判別作業が可能になるため、就労が困難な状況にある障害者の働き口となることが期待できます。
▪︎障害者雇用の促進
民間企業における障害者雇用数は令和4年の調査で約61万人と過去最高を更新している
ものの、障害者雇用促進法が定める障害者の法定雇用率をクリアしている企業数は約48%
となっており、まだ十分とは言えません。
障害者雇用が進まない理由の一つとして障害ゆえに従事可能な業務が限られてしまうこと
が考えられますが、「コロンブスのたまご」があれば障害の有無に関係なく、誰でも簡単
に卵の判別作業を行うことが可能になります。
また、障害者雇用の問題点の一つに離職率の高さがあり、大きな要因として「賃金、労働条件」、「仕事内容があわない」というものが挙げられます。
「コロンブスのたまご」を使えば卵の判別という常者にとっても難易度の高い仕事に従事することができるため十分な賃金を支払うことが可能になります。
仕事内容についても実証実験の障害者の参加者からは「考えながら自分なりに工夫しながら仕事ができるのが楽しい。
最初は難しかったが、だんだん上手になっていくのが自分でもわかって嬉しかった」
「普段は座って同じ作業の繰り返しが多い。立って体を使う仕事が楽しい」
といった声が上がっており、やりがいを感じながら働き続けることが可能になります。
農業の働き手確保と障害者雇用の促進と定着。
農業と福祉が連携し、相互に支援し合いながら成長することで、持続可能な共生社会を実
現します。
▪︎開発チーム
なお、販売については株式会社ハイテム、エイムトラスト株式会社と協力して進めていく予定です。
製品Webサイトはこちら▼
https://columbus-no-tamago.site/
<会社概要>
・会社名:株式会社HALO
・代表者:代表取締役 鵜飼幸子
・設 立:令和4年5月20日
・所在地:愛知県名古屋市西区那古野2-14-1 なごのキャンパス
・H P:https://halo-jp.com
お問い合わせはこちらまで▼
info@halo-jp.com
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