ウクライナ避難民当事者が理事として参画 (一社)多文化人材活躍支援センターが設立

侵攻後に避難民が設立は初めて 外国人材受け入れ事業も

ウクライナ避難民支援や外国人材受け入れ事業に取り組む「一般社団法人多文化人材活躍支援センター」(代表理事・山路健造)が10月、佐賀市で設立しました。2か国以上の文化背景を持つ「多文化人材」の活躍できる社会をつくることを理念に事業を展開していきます。特徴は、ウクライナ避難民当事者が理事として参画してくれたこと。「ゲスト」から「ホスト」として、当事者ならではの視点で避難民の定住化に向けた支援を行っていきます。侵攻後、ウクライナ避難民を中心に設立した団体は、日本で初めてと思います。

ウクライナ避難民アンナさんが理事として参画

今回、理事として参画してくれたのは、ウクライナ避難民として2022年11月15日に来日したポジダイェヴァ・アンナさん。2000年代に、福岡で美容学校に留学した経験があり、日本語が堪能です。その後、ウクライナに帰国し、自ら美容サロンを経営。夫と2人の娘と首都キーウで暮らしていました。


しかし、人生が一変したのが2022年2月24日。明け方に「ドーン」と大きな音がして、「最初は夢を見ているのかと思った」。その後、美容サロンが入居するビルにも攻撃を受け、水道管が破裂して水浸しとなり、経営をすることができなくなりました。国外への避難を考えた際、その行き先で考えたのが、かつて暮らした日本。佐賀県で官民連携でウクライナ避難民を受け入れる「SAGA Ukeire Network」のプログラムを知って応募。2022年11月15日に娘2人と来日し、その後、目に障害を持つ夫も2023年4月14日に来日しました。


アンナさんはその後、SAGA Ukeire Network事務局を務める認定NPO法人地球市民の会でインターンとして、寄付集めのイベント企画や、ウクライナ料理教室を担当していましたが、娘2人の教育機会などのために同8月へと住まいを移しました。


その後、地球市民の会の元スタッフ・山路とともに、「これから日本で長く暮らすウクライナ人のサポートをしたい。日本人に感謝の思いを伝えたい」という思いで、一般社団法人多文化人材活躍支援センターの設立に参加。2022年2月のウクライナ侵攻開始後、避難民当事者が中心となって設立した非営利団体は初めてと思われます。


タイ人のコミュニティを運営 多文化共生の専門家

また、代表理事の山路健造=大分市出身=は、大分県別府市の立命館アジア太平洋大学卒業後に西日本新聞社で記者を経験した後、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊に参加。フィリピンで自らも”外国人”を経験したことから、多文化共生について関心を持つようになりました。


帰国後、記者時代から取材をしていた認定NPO法人地球市民の会に入植し、タイ事業や国内事業を担当。また、タイ事業として、佐賀県内のタイ人の孤立を防ぎ、タイ文化の発信に寄与するボランティア団体「サワディー佐賀」を設立し、代表に就任。タイ料理教室やタイ語教室のほか、佐賀県のドラマ・ロケ誘致によってタイ人観光客の増えた祐徳稲荷神社(同県鹿島市)でのボランティアガイドなどを実施。そのほか、タイ語での災害・コロナ情報を発信する体制を整えるなどして、サワディー佐賀は2021年、総務省ふるさとづくり大賞(団体表彰)を受賞。タイ人グループのノウハウを、ほかのミャンマーやスリランカなど、少数派の外国人住民のコミュニティづくりで横展開するなど、多文化共生事業を実施してきました。


また、2022年2月に起きたウクライナ侵攻では、官民連携組織の設立に向けて活動し、同年3月9日には官民で避難民受け入れを実施する方向性をつくるなど、尽力してきました。今回、アンナさんと、今後日本で長期的に生活することを希望するウクライナ人をサポートしたいと、一般社団法人の設立を進めました。


そのほか、海外でも豊富な日本語教師の経験を持つ、佐賀女子短期大学グローバル教育センター副センター長の金武雅美氏、自らも一般社団法人を立ち上げた経験があり、現在は一般財団法人ちくご川コミュニティ財団事業部長として地域のCSO(市民社会組織)の伴走支援を行う庄田清人氏がそれぞれ理事・監事に就任し、今後、事業を行っていきます。


誰もが活躍して輝ける社会に

多文化人材活躍支援センターは、以下のようなミッション・ビジョン・ミッションを掲げています。

人口減社会やグローバル社会の加速的な進行により、人手不足や外国人材の受け入れ環境の悪化など「マイナス面」が取りざたされることが多くあります。一方で、私たちは、2か国以上の文化背景を持つ「多文化人材」が活躍できるチャンスという「プラス面」もぜひPRしていきたいと考えています。多文化人材がその経験や能力、知識、ネットワークを生かし、活躍できる社会が求められています。国籍や民族を超えて、国境さえも越えて活躍できる人材を育成したい。私たちは、誰もが生まれた国や在留資格に関係なく活躍でき、平和で幸せに暮らせる社会に貢献することを目的に活動しています。愛称は「多文化+サポート」で「たぶさぽ」です。


今後、事業としては、ウクライナ避難民が日本で暮らすため、日本語や就労などのインフラづくりをサポートし、ほかの国からの難民受け入れのモデルをつくる「避難民支援事業」を検討しています。そのほか、タイ農村部の学生が日本で働いたり、タイの大学から留学生・インターン生を受けたりする「外国人材定住支援事業」を考えています。

12月には、ウクライナ避難民支援に向けたイベントを企画しております。ぜひメディアの皆様にも、たぶさぽの活動をご注視いただければ幸いです。


■一般社団多文化人材活躍支援センターとは

設立:2023年10月24日

活動内容:避難民支援事業・・・ウクライナ避難の支援、ほかの難民支援に関する研究     

     外国人材定住支援事業・・・外国人材の留学や就労などのサポート     

     総務事業・・・ファンドレイジング、ガバナンス・コンプライアンスの整備

所在地:〒840-0813 佐賀市唐人2-5-25

代表理事:山路健造

電話番号:080-8832-4576

URL:https://tabusapo.org/

メールアドレス:office@tabusapo.org

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会社概要

URL
https://tabusapo.org/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
佐賀県佐賀市唐人2-5-25
電話番号
-
代表者名
山路健造
上場
未上場
資本金
-
設立
2023年10月