山岳トンネルの技術力強化を加速
~研究・技術開発の拠点となる実物大模擬トンネルを構築~
山岳トンネル分野における技術開発とDX推進
建設業界では生産年齢人口の減少に伴う技術者不足や環境保全への対応、働き方の変化など、さまざまな課題に対処する必要があります。また、今後も新たな技術革新や社会情勢の変化に対し、柔軟に適応することが求められています。
鉄建建設は、山岳トンネル分野において、これらの課題に取り組み、持続的に研究・技術開発を行うための施設として、実物大の模擬トンネルを構築しました。この模擬トンネルを活用し、これまで成し得なかった実物規模の技術開発や実証実験を行い、トンネル施工技術を合理化・高度化し、山岳トンネル分野のDXを推進する戦略的な取り組みを進めてまいります。
模擬トンネルの概要
模擬トンネルは、当社の建設技術総合センター内に構築しました(写真-1)。模擬トンネルの延長は、L=21.0mであり、一般に施工するトンネル覆工(10.5m/スパン)の2スパン分の延長です。覆工コンクリート完成時の仕上がり断面寸法は、トンネル内空幅W=10.2m(スプリングライン(S.L)位置)、トンネル内空高さH=7.1m、内空断面積は約61m2です。(図-1)。この模擬トンネルは、新設される2車線高速道路トンネルの規模で計画しており、実物規模での技術開発、実証試験等を行うことが可能となります。
トンネル支保構造は、鋼製アーチ支保工(H-200×200×8×12、間隔1.0m)及び吹付けコンクリート(厚さ200mm)で構成され、覆工コンクリートの巻厚は300mmです。また、吹付けコンクリートや覆工の構築段階における構造的な補強として、根巻きコンクリート及び外枠(H-200×200×8×12、間隔1.0m、今後施工)が設置されます(図-1)。
模擬トンネルを活用した研究・技術開発の強化
当社は、以下に示す分野の研究・技術開発について、模擬トンネルを活用し、山岳トンネル分野における技術力のさらなる強化を図ります。
・トンネル施工の遠隔化・自動化に向けた研究開発
・トンネル施工の安全性向上、施工管理の省力化、生産性の向上に向けた技術開発の強化
・サステナビリティの実現に向けた吹付、覆工コンクリートの低炭素化に関する研究開発
・トンネルの補修・補強技術の開発とブラッシュアップ
なお、すでに模擬トンネルを活用した研究開発として、油圧ブレーカ(ベースマシン0.8m3級)の遠隔操作技術の構築及び自動化に向けた取り組みに着手しております(写真-2)。
当社は今後も新たな技術の開発に挑戦し、生産性の向上や労働環境の改善に努めていきます。
鉄建建設について
鉄建建設株式会社様は、1944年に日本の陸運輸送力の確保と増強のため鉄道建設専門の国策会社として設立されました。以来、全国交通網の構築、地域振興、人々の住みやすいまちづくりに貢献しながら、事業を拡大しています。
企業URL: https://www.tekken.co.jp/
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