沖縄県の新たな水資源供給拠点「渡嘉敷浄水場」を7月1日に竣工
「水道サービスの格差是正」を目指した、国の広域連携推進計画〜沖縄県水道課広域化推進プランの7島目の新設〜
本計画は、国が推進する「沖縄県水道広域化推進プラン」事業の一環で、水道機工が手掛けた3つ目の浄水場です。昨今、沖縄県は水資源の乏しさや浄水場の老朽化が問題となっていますが、特に離島は、本島と比較した際の「水の質・量の担保」や「水道料金の均一化」が難しく大きな課題となっています。こうした、水道サービスにおける地域間格差の是正や、さまざまな有事におけるライフラインの維持を目的として事業推進及び竣工に至りました。
沖縄県水道広域化推進プランの事業背景
諸島という特殊な環境下の沖縄県では、安定した水源の確保が難しいことから水道サービスに地域格差が生じています。特に、沖縄本島周辺の離島8村においては、水質管理の課題や水道料金の高騰化、給水制限、水道料金だけで賄えないことによる他会計からの繰入依存など、経営基盤上の課題に悩まされてきました。また、水道料金は離島8村と沖縄本島で最大2.6倍差と、県平均を大きく上回る状況でした。
これらの課題を背景に、水道事業の管理・運営を、離島8村から沖縄県企業局に移行する「水道広域化整備事業」の取り組みを開始しました。これにより、離島8村の負担軽減を図り、さらに水道の地域間格差解消を目指します。離島8村のうち9島にて取り組みを開始しており、今回の渡嘉敷浄水場設置は、7島目の取り組みとなります。
「渡嘉敷浄水場」の特徴
①海上輸送を簡易化、離島間での互換性を持った設計で災害対策も可能に
設備の大きさは、沖縄県内での輸送や本島から離島への海上輸送を考慮し、限られた大きさで必要な水量を確保できるよう設計しました。
また、浄水設備をユニット化し、キャスターの取り付け等をすることで、管理を容易としました。少ない人数での管理を可能にするだけでなく、他の島への浄水設備ユニットの輸送も容易になるように工夫しています。
さらに、既に水道機工が建設した2浄水場(伊是名・伊平屋)と互換性を持たせた設計にしています。1つの島で災害等が発生し浄水場の機能が失われたときに、
他の島の浄水場からユニット化した設備を移送することで、すべての島の水処理が可能になっています。
②操作性が高いレイアウト
管理動線を配慮し、約8,000㎡の敷地を有効に使用したレイアウトへと最適化。
さらに、電動弁や手動弁、計器類を使用する人が操作しやすいよう、手が届く位置に設置するなど工夫を施しました。
③水質にあわせた薬品量の最適化
水質を測定し、最適な薬品注入率で稼働させることで、薬品コストを適正化しています。
④離島での洗浄工数を削減する、オンサイト洗浄方式の採用
膜の洗浄方式にはオンサイト洗浄(膜エレメントを現地で洗浄する方法)とオフサイト洗浄(膜エレメントを洗浄工場へ輸送し洗浄する方法)がありますが、今回は離島という立地条件からオンサイト洗浄を採用しています。これにより膜エレメントを洗浄する際に、洗浄工場へ送る手間を減らし、管理を容易にしました。
「渡嘉敷浄水場」の概要
名称 渡嘉敷浄水場
所在地 沖縄県島尻郡渡嘉敷村阿波連
敷地面積 8,008.64㎡
建築面積 1,802.77㎡
延床面積 1,730.16㎡
処理水量 725㎥/日
処理フロー MF膜ろ過→粒状活性炭→マンガン接触ろ過→RO膜ろ過 ※粒状活性炭は今後の予定
構造 鉄筋コンクリート造 地上1階建て
着工 2020年10月15日
竣工 2024年7月1日
水道機工株式会社とは
「100年先も人と地球をつなぐ情熱で、笑顔あふれる環境を技術と製品で創造し、社会に貢献します。」
創業(1924年)以来約100年間、人類と地球環境に欠かすことが出来ない水に関わる事業を展開しています。
■ 会社名 水道機工株式会社
■ 創 業 1924年8月
■ 創 立 1936年1月
■ 資本金 19億4,700万円
■ 社員数 869名(2023年3月31日現在・連結)
■ 代表者 代表取締役社長 古川 徹
■ 本 社 〒156-0054 東京都世田谷区桜丘5-48-16
Tel. 03-3426-2131(代表) Fax. 03-3427-3388
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