「木造=エコ」は過去の常識。200年耐久のコンクリート住宅で“長寿命×脱炭素”を実現
日本の住宅寿命30年問題に挑む。外断熱技術で環境負荷を半減し、持続可能なまちづくりへ。
これまで「木造は環境に優しい」と広く信じられてきました。しかし、耐久年数を延ばしたコンクリート住宅の方が、総合的にCO₂排出量を抑制できることが指摘されています。進和建設工業株式会社(本社:大阪府堺市北区、代表取締役会長:西田芳明、以下:進和建設工業)は、この視点に着目し、SDGsの観点から「200年耐久マンション」の普及を通じて脱炭素社会に貢献することを発表します。

■背景
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日本の住宅寿命は平均約30年と世界的に短く、スクラップアンドビルドによってCO₂排出が繰り返されています。
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コンクリート住宅は建設時に木造よりも多くのCO₂を排出しますが、耐久性を向上させることで建替えの回数が減少し、総合的には環境負荷を軽減できることが示されています。
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外断熱工法などの技術により、コンクリートの劣化要因である「中性化(※①)」を防ぎ、200年の耐久性を実現できることが示されています。
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さらに海外では、外断熱を採用したコンクリート住宅がスタンダードであり、築100年以上の建物も一般的です。
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一方日本は「地震大国だから住宅寿命が短い」と考えられがちですが、実際には木造や内断熱が標準となってきたことが、住宅の寿命を縮め、災害リスクを高めてきた要因と考えられます。
■比較データ(CO₂排出量試算)
(公益財団法人 建築環境・省エネルギー機構「CASBEE すまい」等の試算を参照)
200年間の建替え・修繕を考慮し、年間平均に換算したCO₂排出量の目安
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木造(40年ごとに建替え) … 約5.3(t-CO₂/1000㎡)
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コンクリート住宅(50年ごとに建替え) … 約10.1(t-CO₂/1000㎡)
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コンクリート住宅(100年ごとに建替え) … 約5.0(t-CO₂/1000㎡)

「長寿命化したコンクリート住宅は木造よりもエコである」という逆転の視点が浮かび上がります。
—データ試算について
本試算は、環境性能評価指標である 「CASBEE すまい『戸建て』」((財)建築環境・省エネルギー機構)を参照しています。CASBEEでは木造・コンクリート造・鉄骨造の構造別にCO₂排出量を比較しており、この指標を基に計算しました。
CASBEEのCO₂排出量は、建材製造、資材運搬、現地施工、作業員移動に伴う排出まで含めた値です。試算対象は 1000㎡(約300坪)のマンション1棟。初期値は以下の通りと設定しました。 木造:267t-CO₂ コンクリート造:505t-CO₂
試算条件は以下の通りです。
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木造は40年を耐用年数とし、40年ごとに建替え。
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コンクリート住宅は50年・100年・200年の耐用年数で比較。
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耐久年数を迎えた際は、新築時と同量のCO₂排出が発生すると設定。
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修繕・解体に伴うCO₂排出は、信頼できる統一データが得られなかったため今回の試算には含めていません。
■200マンションという解決策
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外断熱で中性化を防ぎ、200年耐久を実現
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スケルトン・インフィル設計(※②)で世代を超えたリノベーションが可能
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躯体は建替え不要、資産価値を長期維持
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火災リスクを低減し、社会的な安全性にも寄与
■社会的意義
200年耐久のコンクリート住宅は、「長寿命こそ最大の環境配慮」という新しい発想を社会に提示します。
これは単なる建物性能の追求にとどまらず、脱炭素・資源循環・SDGs「住み続けられるまちづくり」に直結する取り組みです。
■代表コメント

「木造が環境にやさしい」という常識を見直す時代が来ています。
建物の環境性能は、建設時のCO₂排出量だけでなく、どれだけ長く使えるかで決まります。
コンクリート住宅は建設時に多くのCO₂を排出しますが、
200年の耐久を実現すれば、建替えによる排出や資源の浪費を大幅に減らすことができます。
外断熱で劣化を防ぎ、スケルトン・インフィル設計で世代を超えて住み継げる。
それが私たちの考える“真の環境配慮住宅”です。
200マンションを通じて、建物を「消費する」から「継承する」社会へ――。
その転換を進めていきたいと思います。
【補足】
※①中性化データが示すこと
以下のグラフは、内断熱と外断熱におけるコンクリート中性化の進行を比較したものです。

このデータによれば、外断熱を採用することで中性化の進行が大幅に抑制されることが明らかです。中性化を防げば、理論上は200年以上の耐久が可能になります。
進和建設工業の「200マンション」は、外断熱工法を採用し、コンクリート躯体を雨水や紫外線から遮断。中性化を根本から防ぐことで、200年耐用を実現しています。
※➁スケルトン・インフィル設計について
長寿命を実現するうえで重要なのが「スケルトン・インフィル」という建築仕様です。これは、躯体部分(建物を支える骨組み・基礎部分)と、内装・配管設備を分離した構造を指します。

例えば、当社が建設したマンション「LaLa Glanz NAMBA(下図)」では、躯体部分は矢印で示した4つの柱と床の基礎のみで構成されています。間取りを仕切る「間仕切り壁」は躯体を支えるものではないため、取り除いて大規模な間取り変更が可能です。

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単身・カップル向け住戸をファミリータイプに変更
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将来のライフスタイルに応じて逆に分割
といった柔軟なリノベーションができます。一方、「構造壁」は取り除けず、損傷させれば建物全体の耐久性を損ないます。
さらに、サッシ・配管・外部階段・玄関ドアなど、躯体以外の部材は寿命が早い部分を交換前提で設計。配管寿命(25~30年)を見据えて独立させることで、躯体を生かしながら交換できる仕組みにしています。
[会社概要]
社名: 進和建設工業株式会社
所在地:〒591-8032大阪府堺市北区百舌鳥梅町1-30-1
代表者:代表取締役会長 西田 芳明
設立:1968年(昭和43年)12月9日
事業内容:賃貸マンションの設計・施工、一般的建築工事の設計・施工、住宅の設計・施工、不動産のコンサルタント・管理
資本金:5000万円
Webサイト:https://e-shinwa.net/
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