東西化学産業、大型連続式亜臨界水処理装置「アクアイリュージョンAKT-1型」による受託試験サービスを開始、亜臨界水技術の実用化を加速。

最大10L/h、最高300℃・20MPaまでのベンチプラントスケールのデータ取得が可能

東西化学産業株式会社

総合水処理を手掛ける東西化学産業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:河野祐一、以下弊社)は小型バッチ式亜臨界水処理装置「アクアイリュージョンSG-2・SCW-1」で展開していた受託試験事業に新たに大型連続式亜臨界水処理装置「アクアイリュージョンAKT-1」を追加し、より大規模なベンチプラントデータを取得できる体制を準備いたしました。

写真:大型連続式亜臨界水処理装置「アクアイリュージョンAKT-1」

【亜臨界水技術について】

通常、大気圧下では水は100℃で沸騰しますが、圧力鍋を使用し調理を行うと、発生した蒸気により鍋の内部の圧力が高まることで「液体の水」を媒体としながら120℃程度での処理が可能になります。この現象をより高温高圧な条件で、工業的に利用する処理技術が「亜臨界水技術」です。本技術は、亜臨界水が持つ高い加水分解能力を利用した有機物の分解・低分子化、低い誘電率を生かした抽出など、新たな手法として食品業界を中心に注目を集めています。

図:亜臨界水の概要

亜臨界水技術で出来ること(一例)

亜臨界水抽出

一般的に脂溶性成分の抽出操作には有機溶媒が使用されますが、天然の植物等を対象とした場合乾燥や試料の破砕などの工程が必要です。一方、亜臨界水抽出では含まれる水分はすべて亜臨界水となるため乾燥工程は不要となり、細胞壁は加水分解される上、誘電率低下による油性物質溶解作用により水だけで脂溶性成分を抽出することが可能となります。

食品の高機能化

植物細胞に含まれるリグニン類やポリフェノール類等は、香料や健康食品として様々な効果を有しています。通常、これらの物質は植物細胞内で他の成分と結合しており容易に利用することはできませんが、亜臨界水処理により利用可能な低分子までの分解と水への抽出を同時に行うことが可能です。

【リリースの背景】

本技術の研究開発は日本が世界をリードする一方で、ベンチプラントの設計技術者やノウハウの不足、耐熱・耐圧デバイス類が高価であること、法規制対応が必要等の理由により、実用化例は僅少です。こういった現状を踏まえ、弊社は同技術の実用化促進を目的とした大型試験プラント建設、受託試験サービスを開始いたしました。本サービスを通じて、亜臨界水技術の実用化を検討している研究機関の駆け込み寺となることを目指します。

TOHZAIでの試験実例

蚕繭からのセリシン(保湿成分)・
フィブロイン(繊維成分)の分離回収

化粧品原料や健康食品として注目されている蚕繭を処理した例です。繭の主要構成成分であるセリシンとフィブロインについて、セリシンはゲル、フィブロインは低分子化・液状化した繊維状物質として回収することができ、応用性の拡大が見込まれます。

甲殻類殻からのキチン分離回収

甲殻類殻からのキチン回収をターゲットに処理を行いました。従来法では強酸・強アルカリ処理によって殻中の無機成分を取り除く工程がありますが、亜臨界水処理では希薄な酢酸溶液でもかなりの部分を取り除くことができ、工数削減が視野に入りました。

使用済みPETボトルの水熱分解・原料回収

PETボトルは使用済みプラスチックとして汚れが少なく、異物混入が少ない状態で回収される代表例です。裁断したPETボトルを処理したところ、PET樹脂原料のテレフタル酸結晶と透明な水溶液を回収することができ、ケミカルリサイクルの可能性が拓かれました。

【受託試験について】

弊社技術開発センター(滋賀県草津市)に設置の装置を使用し、受託試験を実施します。従来は小型バッチ式亜臨界水処理装置「アクアイリュージョンSCW-1型」を使用したラボレベルの実験にとどまっていましたが、ついに大型連続式処理装置「アクアイリュージョンAKT-1型」の稼働調整が完了、今冬より本格稼働を開始します。

受託試験の詳細や流れにつきましてはこちらから

バッチ式亜臨界水処理装置
アクアイリュージョンSCW-1型

約1.5Lまでのサンプルを攪拌しながら加熱可能なバッチ式装置です。ラボレベルでの数ccの試験からのステップアップや、粗大な固形物を対象にした試験にも対応することが可能です。重量のある圧力容器や冷却用水槽などを電動リフトで上下させる機構を装備し、作業性も高くなっています。

連続式亜臨界水処理装置
アクアイリュージョンAKT-1型

最大流量10L/hで液体サンプルを加熱処理できる連続式装置です。ラボでの試験を基に、実用化を見据えたデータを取得できるベンチプラントです。スラリー等の処理試験も可能となっています。5台のポンプを連動させることで、系内の圧力を安定化させ、精度の高いデータ取得が可能な構成を実現しています。

【会社概要】

■詳細のお問合せや受託試験のご依頼は下記問い合わせフォームからお寄せください。

商 号:東西化学産業株式会社

本社所在地:〒540-6118 大阪府大阪市中央区城見2-18-1 ツイン21MIDタワー18F

代表者:代表取締役社長 河野 祐一

設 立:1964年6月

事業内容:総合水処理

  • 水処理システムの設計及びコンサルティング

  • 水処理薬剤の開発、販売

  • 水処理装置・機器・計測器の開発、販売

  • 水処理システムのアフターサービス

  • 水質分析

公式サイト:https://www.tohzai.co.jp (2024年12月サイトリニューアル)

同 お問い合わせフォーム:https://www.tohzai.co.jp/contact

以上

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会社概要

東西化学産業株式会社

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URL
https://www.tohzai.co.jp/
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
大阪府大阪市中央区城見2-1-61 ツイン21MIDタワー18F
電話番号
-
代表者名
河野 祐一
上場
未上場
資本金
1億円
設立
1964年06月