東京都心部の地冷会社として初となるグリーン水素を活用する熱源設備を導入
脱炭素社会の実現に向けた、安全・安心な水素利用
TBS放送センターをはじめとする東京都港区赤坂5丁目地区のビル群に、地下のプラントで作ったエネルギーを安定的に供給する「地域冷暖房システム」を運用・管理している赤坂熱供給株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:髙木盛正)は、グリーン水素を活用した設備を導入します。東京都心部での地冷会社として初の試みとなります。グリーン水素による燃料電池での発電、及び燃料の一部を都市ガスから置き換えることにより冷温熱製造過程でのCO2排出削減への貢献を目指します。全国的にも珍しい取り組みで、2025年10月までに設置を完了し、2026年1月からグリーン水素の需給を開始する予定です。
1.設備概要
再生可能エネルギーを用いて国内で作られたグリーン水素をトレーラーで赤坂まで輸送し、清水建設株式会社製の低圧で貯蔵・供給できる水素吸蔵合金タンクで貯蔵しながら、燃料電池とボイラーの燃料として利用するシステムです。
2.導入設備の詳細

■水素貯蔵タンク


特殊な合金に吸着する水素の特徴を生かした、安全でコンパクトな水素吸蔵合金タンクであり、水素ガスの体積を1/1000まで縮小して貯蔵できます。従来の液化水素タンクや高圧容器とは異なり水素吸蔵合金に吸着させる水素は1MPa未満の低圧で取り扱い、火を近づけても着火しない非危険物の合金を採用したことで、建物内に設置できる安全性が確保されています。さらに、レアアース不使用の合金のため、コスト低減にも貢献します。
仕様:水素吸蔵合金タンク(清水建設株式会社製)
容量:1,350Nm3(燃料電池との組合せで、5,000wの電力を2週間程度供給可能)
■燃料電池

プラント構内のLED電灯、一部空調、非常用コンセントの電源として電力を供給します。グリーン水素を使う発電で「カーボン・ゼロ」の電気を供給し、日常だけでなく、停電発生時にも自立運転します。
仕様:純水素型燃料電池(パナソニック株式会社製)
発電能力:5,000W×2台
■水素ボイラー

水素混焼型を選択し、水素と都市ガスで燃料のデュアルフューエル化を実現します。プラント内の熱源機のうち、比較的CO2排出量の多いボイラーに導入します。
仕様:水素混焼型貫流ボイラー(株式会社ヒラカワ製)
換算蒸気量:2,000kg/h×2台
混焼比率:水素と都市ガス13Aの混合比率50%(容積比、最大)
「地域冷暖房システム」とは
熱供給設備(地域冷暖房プラント)から、一定地域内の建物群に冷水・温水・蒸気など導管を通して供給し、冷房・暖房・給湯などを行うシステムです。地域冷暖房の導入により、省エネルギー性に加えて、GHGガスや窒素酸化物の排出削減につながる環境保全、利便性や安全性の向上などさまざまなメリットをもたらしています。
赤坂熱供給株式会社とは
赤坂熱供給株式会社は、TBS放送センターをはじめとする東京都港区赤坂5丁目地区のビル群に、地下の2つのプラントで作ったエネルギーを冷水、蒸気、電力として安定的に供給しています。大規模災害発生時にも、滞りなく業務や生活ができるよう、BCP(事業継続計画)の対応を整えています。当社は、グリーン水素が次世代エネルギーとなる将来性と脱炭素社会の実現のために、安全・安心な水素利用設備を導入し、地域のくらしを支え、社会に貢献してまいります。
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