オーケーエム、CO2ゼロ新燃料に対応、独自機構を採用したアンモニア燃料船向けバルブ
「関西ものづくり新撰2025」カーボンニュートラル社会の実現(GX)分野に選定
各種流体制御バルブの開発・製造・販売を手掛ける株式会社オーケーエム(本社:滋賀県野洲市、代表取締役社長:奥村晋一、以下「オーケーエム」)のアンモニア燃料船向けダブルフラップ型排気ガス処理装置用バルブ(以下「ダブルフラップ型バルブ」)が、近畿経済産業局の「関西ものづくり新撰2025」における「カーボンニュートラル社会の実現(GX)」分野に選定されました。
■「関西ものづくり新撰」とは?
「関西ものづくり新撰」は、関西のものづくり中小企業が開発した「優れた」「売れる」技術などを選定し、ビジネス拡大を支援する近畿経済産業局の取り組みです。今回が11回目となります。
(詳細:https://www.kansai.meti.go.jp/3-5sangyo/shinseihin/index.html)
オーケーエムは、2021年に船舶排ガス用バルブで「関西ものづくり新撰2021」の特別賞「海の豊かさを守る優れた製品賞」を受賞。さらに、2023年にはLNG(液化天然ガス)用バルブで「関西ものづくり新撰2023」の最優秀賞を受賞しており、今回で3度目の選定となります。
■ダブルフラップ型バルブ開発の背景
国連専門機関のIMO(国際海事機関)は、海洋汚染防止や船舶の安全確保を目的に、海事分野の国際ルールを策定・強化する役割を担っています。近年、地球温暖化対策の一環として、船舶によるGHG(温室効果ガス)排出削減に関する規制が強化されており、IMOは段階的な目標を設定し、脱炭素化の推進を図っています。特に、GHG排出削減目標については、従来「21世紀中の排出量ゼロ」としていましたが、2023年7月に目標の前倒しを決定し、「2050年頃に実質ゼロ」とする方針を掲げました。
こうした背景のもと、CO2(二酸化炭素)を排出しない次世代燃料として注目されるアンモニア燃料の船舶用エンジンの開発が進められています。しかし、アンモニア燃焼時には毒性のある未燃アンモニアや、CO2の約倍の温室効果を持つN2O(亜酸化窒素)が排出されるがあります。そのため、アンモニア燃料船にはこれらの有害物質を除害する装置の搭載が求められており、同装置内のバルブには確実なガスシール(遮断)性能が不可欠です。
オーケーエムは、こうした市場のニーズに応えるため、アンモニア燃料船向けダブルフラップ型排気ガス処理装置用バルブを開発しました。

■ダブルフラップ型バルブ「ExVDF」の特徴
本製品は、2枚の弁体を備え、その間に清浄空気を供給することで空気層を形成する独自の機構を採用。この仕組みにより、約500℃の高温環境下でも未燃アンモニアやN2Oを含む排気ガスの漏洩を防止します。
従来は、排気ガスの完全遮断のために2台のバルブを直列に配置する必要がありましたが、本製品は1台で同等の機能を果たします(下図)。これにより、高い安全性を確保しつつ、省スペース化を図るとともに、設備コストの削減とメンテナンス性の向上を実現しました。
オーケーエムは、本製品に加え、船舶用アンモニア燃料供給装置(AFSS)用バルブや液化水素運搬船用バルブの開発を産官学連携で推進しています。今後も脱炭素社会の実現に貢献するとともに、事業のさらなる拡大を目指してまいります。

株式会社オーケーエム
オーケーエムは、1902年創業の百年企業で、1952年にバルブ事業を開始。1962年の会社設立以来、バルブ事業が地場産業として根付く滋賀県に本社を置いています。船舶排ガス用バルブは世界シェアNo.1を誇り、経済産業省「2020年版グローバルニッチトップ企業100選」に選定。現在、LNG燃料船向けバルブを展開するとともに、脱炭素社会の実現に向け、アンモニアや液化水素対応バルブの開発を推進しています。


本社:滋賀県野洲市
創業:1902年(明治35年)
設立:1962年(昭和37年)
事業:工業用、建築用、船舶用等各種バルブの開発・製造・販売
資本金:1,180百万円
従業員(連結):342名
売上高(連結):9,484百万円
代表者:代表取締役社長 奥村 晋一
上場取引所:東京証券取引所 スタンダード市場
※掲載情報は、発表当時の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像