海士町役場新庁舎プロジェクト「あま丸」—— 隠岐サーキュラーデザインラボが空間デザインを手がけ、2025年度グッドデザイン賞を受賞
隠岐諸島・海士町を拠点に、地域資源循環デザイン活動を行う隠岐サーキュラーデザインラボ(合同会社wawawa)が空間デザインを手がけたプロジェクトの取り組みが2025年度グッドデザイン賞を受賞しました。


このプロジェクトは、行政・民間・住民が協働し、“離島の制約を創造に変える”庁舎づくりに挑んだものです。当団体は、庁舎1階「未来共創スペース しゃばりば」の空間デザインを担当し、島内に眠る廃材・古着・使われなくなった家具を再生。町民とのワークショップを通じて、庁舎そのものを“共に育てる空間”として形づくりました。
離島から生まれた“循環するデザイン”
新庁舎は、海士町が大切にしてきた理念「ないものはない」「承前啓後」を体現する場として構想されました。その中で当団体が担ったのは、すでにあるものを活かしながら未来へつなぐというデザインアプローチ。
島内で使われなくなった約360点の家具や80kgの古着、建築廃材を回収し、町民・職人・子どもたちと共にリメイク。
再生家具「あま丸船」や、 ジーパンや布を座面にしたパッチワークチェア、カウンター、「海洋漂着プラゴミ」を使ったタイルなどを制作し、 “すてないこと”を軸に、資源と人の関係性がめぐる空間を実現しました。


「捨てることができない」ではなく、「捨てずに活かす」をデザインする。
それは、離島という限られた環境だからこそ生まれる創造の循環です。
グッドデザイン賞 審査員評価コメント
「新庁舎を単なる行政機能の場ではなく、島の価値観を反映した“共創の場”として設計した点が特徴的。
家具や空間を住民参加でつくり、廃材や古着を活用する工夫も印象深い。
離島という制約を逆手に取った柔軟な公共空間のデザインは、今後の庁舎のあり方を考えるうえでも参考になる。」
このコメントが示すように、本プロジェクトは「行政施設を超えた共創のプラットフォーム」として評価されました。
離島という制約の中で、住民の手による参加型デザインが行政建築の新たなモデルとして注目されています。

コメント
(隠岐サーキュラーデザインラボ)
今回の挑戦は、“限りある環境だからこそ生まれる創造”を証明する機会でした。
廃材や古着が新たな家具に生まれ変わり、町民と共につくる過程がデザインの核となりました。
これからも、資源と人の関係を編み直すデザインを、島から発信していきます。
受賞概要
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受賞名:2025年度グッドデザイン賞(Good Design Award 2025)
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受賞対象:海士町役場 新庁舎プロジェクト「あま丸」
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所在地:島根県隠岐郡海士町
評価ポイント:行政機能を超え、住民参加と資源再利用による“循環する公共空間”を実現した点。
評価コメント:新庁舎を単なる行政機能の場ではなく、島の価値観を反映した“共創の場”として設計した点が特徴的。家具や空間を住民参加でつくり、廃材や古着を活用する工夫も印象深い。離島という制約を逆手に取った柔軟な公共空間のデザインは、今後の庁舎のあり方を考えるうえでも参考になる。
隠岐サーキュラーデザインラボについて
隠岐サーキュラーデザインラボは、島根県・隠岐諸島 海士町を拠点に、地域資源を活かした循環型デザイン(サーキュラーデザイン)を実践するプロジェクトチームです。
廃材・古着・自然素材などを再構築しながら、空間・アート・教育・まちづくりを横断してながら活動しています。
“資源の循環”と“人の関係性の循環”を同時にデザインすることで、 地域の暮らしの中に持続的な豊かさを育てることを目指しています。
Website:https://wawawa.today
Instagram:@oki_circular_design_lab
【参考】海士町役場公式発表
「新庁舎プロジェクト『あま丸』の取り組み」2025年度グッドデザイン賞 受賞について
https://www.g-mark.org/gallery/winners/33738
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