多職種連携を支援する“デジタルクローン“で在宅ケアの未来を切り拓く
椙山女学園大学とFootage訪問看護ステーションが共同研究を開始
椙山女学園大学看護学部・福田由紀子教授と、株式会社FOOTAGEが運営するFootage訪問看護ステーションは、高齢化社会における在宅ケアの質向上と現場の業務効率化を目指し、AIによる多職種連携支援ツール「多職種連携デジタルクローン(以下:多職種連携デジクロ)」の共同開発と実装研究を開始しました。本研究では、大阪大学大学院・伊藤庸一郎氏が開発したホワイトボックス型AI「Thinkeye(シンクアイ)」を活用し、医療DXの新たな実践モデル構築に挑みます。
2025年にはすべての団塊世代が後期高齢者となり、2040年には日本の高齢者人口がピークに達すると予測されています。在宅医療や介護のニーズが急増する一方で、現場では人材不足と業務の複雑化が深刻な課題となっています。
特に、医師・看護師・リハビリ・ケアマネジャーなど、さまざまな専門職が連携して支える多職種連携の現場では、情報共有や意思決定に多くの時間と労力がかかっているのが現状です。
こうした課題解決のため、椙山女学園大学の福田由紀子教授と、名古屋市で訪問看護事業を展開するFootage訪問看護ステーションは、AIを活用した業務支援ツール「多職種連携デジクロ」の共同研究を開始しました。
「多職種連携デジクロ」は、各専門職が持つ経験や判断プロセス、さらには価値観や考え方をAIに学習させ、多職種カンファレンスやケア方針調整など在宅ケアにおける意思決定を支援します。AIが現場の思考や議論を模倣・提示することで、質を保ちながら業務効率を飛躍的に向上させることを目指しています。
本研究では、2012年に特許取得されたホワイトボックス型AI「Thinkeye(シンクアイ)」を採用しています。「Thinkeye」は意思決定プロセスを“見える化“し、なぜその判断に至ったかを説明可能にするAIであり、医療・介護の現場に求められる信頼性や説明責任に応える技術です。
本研究は「AIが多職種連携の業務を支援することで、どのように業務効率が改善され、限られた人材でも在宅ケアの質を維持できるのか?」という問いに挑む実装型の研究です。人材不足という社会課題に対し、テクノロジーによって“質の確保“と”効率化“を両立できるかを明らかにしようとする点に特徴があります。
AIによる支援を通じて、専門職の判断力を再現しつつ、在宅ケアの現場で起こる判断・共有・連携の流れをスムーズにし、利用者や家族にとってもより安全で納得感のある支援が届く未来を目指しています。
【研究機関情報】
椙山女学園大学 看護学部
所在地:〒464-8662 愛知県名古屋市千種区星が丘元町17-3
研究責任者:福田 由紀子 教授
URL:https://www.sugiyama-u.ac.jp/
株式会社FOOTAGE(Footage訪問看護ステーション)
所在地:〒464-0850 愛知県名古屋市千種区今池3丁目18-3
代表取締役:大串 優太
URL:https://footage-nursing.jp/
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