「Fry to Fly Project」が東京都と共に3年間に渡り取り組む廃食用油回収促進プロジェクト 「Tokyo Fry to Fly Project~油で空飛ぶ大作戦~」の活動をご報告
~家庭から出る廃食用油を原料に持続可能な航空燃料SAFを製造へ~
「Fry to Fly Project」(事務局=日揮ホールディングス株式会社)は、家庭や店舗などで使用済みとなった食用油(廃食用油)を原料とする持続可能な航空燃料SAF(Sustainable Aviation Fuel)で航空機が飛ぶ社会の実現を目指す取り組みで、2025年10月末時点で277の企業、自治体、団体などが参加しています。
Fry to Fly Projectの参加者である日揮ホールディングス株式会社、コスモ石油株式会社、株式会社レボインターナショナルおよび東京都は、2023年度より連携協定を締結し、東京都内の廃食用油回収を促進する為の独自の取り組み「Tokyo Fry to Fly Project~油で空飛ぶ大作戦~」(以下、「本プロジェクト」)を展開することで、身近な行動が未来の空を支えるエネルギーへとつながることを可視化し、多くの都民に新たな価値観と気づきを届けてきました。
本プロジェクトでは、都内の自治体や企業と連携し、家庭や店舗など身近な生活の場から廃食用油を回収する仕組みづくりを進めてきました。また、単なる回収活動にとまらず、都民一人ひとりが気軽に参加し、資源循環の大切さを「自分ごと」として感じてもらうための啓発施策も展開しています。
この度、本プロジェクト通じて行ってきた廃食用油の回収や啓発施策について、これまでの軌跡をご報告すると共に、今後の展望について以下のとおりお知らせします。


●Tokyo Fry to Fly Project これまでの実績
■各地に廃食用油回収ボックスを設置
プロジェクトの中核となったのが、都内各所に設置された廃食用油回収ボックスです。このボックスは、家庭で使い終えた食用油をペットボトルなどに詰めて持参するだけで簡単に回収できる仕組みとして、多くの都民が気軽に参加できる形で各地で展開されました。
地域コミュニティや商業施設、自治体などと連携し、3年間で数多くの地域に広がりを見せた本取り組みは、今後も継続して設置(一部地域を除く)し、併せて回収拠点の拡大を目指していきます。

区役所に設置された回収ボックス

回収ボックスに投函された廃食用油

東村山市が「お茶箱」をリメイクし独自に運用する回収ボックス
<回収成果>
本取り組みを通じて、国産SAF製造装置で廃食用油の受け入れが始まった2024年10月からこれまでに都内で回収された家庭系、事業系の廃食用油はおよそ124万リットルで、回収した廃食用油からおよそ99万リットルのSAFが製造されました。そのCO2排出量削減効果は約2,700トンとなります。
2025年5月2日から10月31日まで実施された東京2025世界陸上の開催を契機とした「家庭の油 回収キャンペーン」では、家庭からの使用済み油の回収に対する自治体からの多大な協力により、約11,300リットルが回収されました。
こうした成果は、都民一人ひとりの行動が確実に未来のエネルギーへと変わっていくことを示すものであり、本プロジェクトが掲げる「資源循環、脱炭素を自分事にする」 取り組みの大きな一歩となりました。
■「SAFが分かるVR」やアニメーション動画の制作
廃食用油がどのように回収されてSAFとなり、どのようにして空港まではこばれて航空機に給油されるのか。普段目にすることが出来ない一連の流れを3Dで体験できるVRを制作しました。また、SAFのサプライチェーンが1分で理解できるアニメーション動画も制作しました(https://www.youtube.com/watch?v=t5F5Q0bMac8)。イベントなどを通じて数多くの皆様にVRを体験したり、アニメーション動画をご覧頂き、SAFのことが良く分かったというお言葉を頂いています。





■「都民参加を後押しする「江戸前じょうご」の配布
家庭からの廃食用油回収をより身近なものにするため、東京都独自の取り組みとして制作されたのがオリジナルグッズ「江戸前じょうご」です。
このじょうごは、使い終えた油をペットボトルに移し替える際の手間を軽減するアイテムとして、回収ボックス設置場所など で配布。「やってみたいけれど面倒そう」という心理的ハードルを下げ、家庭の中で油回収が自然に習慣化されるきっかけとなりました。
単なる啓発ではなく、“手に取って使える”形での工夫が、都民の主体的な行動変化につながっています。


■企業・自治体と市民をつなぐ「フライガチャ」の導入
「Tokyo Fry to Fly Project~油で空飛ぶ大作戦~」の象徴的コンテンツとして、「フライガチャ」が都内各地のイベント会場にて設置されました。「フライガチャ」は、都民の皆様が家庭で回収した廃食用油を持参することや、「SAFが分かるVR」を体験頂くと、1回まわすことができるもので、参加者には、ステッカーや缶バッジなどの参加特典をプレゼントしています。フライガチャの景品はFry to Fly Projectに参加している企業や自治体などが協賛しており、企業や自治体が市民の行動変容に貢献できる機会を創出するものです。羽田空港「空の日」フェスティバル2025、あだち区民まつり「A-Festa 2025」、東村山市エコライフフェアなど、都内各地のイベントにて登場し、ガチャを回す体験を通じて、資源循環やSAFへの理解を“楽しみながら”深められる仕掛けとして、子どもから大人まで幅広い層に人気を博しました。



■各地のイベントに出展・参加
自治体等が主催する数多くのイベントに出展し、VRやフライガチャ、江戸前じょうごを通じて、廃食用油回収及びSAFの周知PRを実施してきました。 9月に開催された羽田空港「空の日」フェスティバル2025では、VR体験と国土交通省航空局のクイズに回答して参加できる「フライガチャ」を展開し、800回以上のガチャ体験を記録。これまでに当プロジェクトが参加したイベントの中で、1日あたりの体験者数が最も多い催しとなりました。
続く10月11日・12日には、あだち区民まつり「A-Festa 2025」に巨大フライガチャが初登場。初日は雨天にもかかわらず、両日で500名を超える来場者がVR体験とフライガチャを楽しみ、多くの方々にプロジェクトの取り組みを体感いただきました。
さらに10月19日には、東村山市エコライフフェアへも出展し、地域の皆さまから廃食用油を回収しました。


このような活動の結果、世界陸上を契機とした「家庭の油 回収キャンペーン」では、自治体の協力を得て 、都内約80か所に廃食用油の回収拠点を設置。併せて、イベントを通じて多くの都民に廃食用油やSAFについて周知することができました。
●10月22日、成果報告会を開催
本年10月22日には、プロジェクトの3年間の歩みを振り返る成果報告会を開催しました。当日は、各地域での取り組み成果や回収実績データを公表するとともに、都民代表としてタレントの菊地亜美さんや関係自治体、パートナー企業が登壇。都民との協働によって育まれた資源循環の輪の広がりについて報告しました。
また、プロジェクトの説明を受けた菊地さんが、家庭での廃食用油の回収方法を実演し、資源循環や行動変容の重要性について発信しました。


●「東京油で空飛ぶ大作戦~ Tokyo Fry to Fly Project~」ムービーを公開
また、この度Tokyo Fry To Flyプロジェクトの活動を記録したドキュメンタリームービー制作。数多くの企業・自治体などが参加し、各地でのイベントの様子や回収された油が実際に空を飛ぶまでの様子を描いた映像として、2025年12月5日に公開しました。
本映像は、プロジェクト特設サイトおよび関連イベント会場などで順次公開し、より多くの方々に取り組みの意義を伝えていきます。
動画URL:https://youtu.be/ejA0IQC0KU4






●今後の展望
これまでの活動を通じて、多くの方の環境意識および行動変容につながました。家庭から排出される使用済み食用油という、日常生活に身近な資源を活用した本取り組みは、「自分の行動が社会や未来に貢献できる」という実感を多くの都民に生み出し、環境教育の実践的なモデルとしても注目されています。
また、地域コミュニティや商業施設、自治体、企業との連携を通じて、市民参加型の資源循環モデルを確立。環境負荷低減とともに、地域のつながりや共創の機運を高める結果にもつながりました。
今後も「Fry to Fly Project」は、市民・企業・行政が一体となって資源循環の輪をさらに広げるとともに、持続可能な航空燃料(SAF)の普及を通じて、低炭素社会の実現および持続可能な都市づくりに貢献します。
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