【企業の働き方改革に関する実態調査】法改正後わずか7か月で「働き方改革がうまくいっている」実感を持つ人が3割を超える結果に
〜高い残業削減目標値が足かせとなり失敗する傾向、明暗を分けるのはチーム内の人間関係〜
・約34%の人が「働き方改革がうまくいっている」と実感
・働き方改革がうまくいっていない理由は、非現実な目標値設定と残業削減施策のみであること
・働き方改革がうまくいっていると答えた企業は従業員満足度、業績が向上
・働き方改革がうまくいっている企業ほどのコミュニケーションの場づくりに注目していることが判明
・来期の働き方改革の予算確保企業は約4割、1000万円以上の予算確保も1割に
・今後取り組みたいこと「風通しの良い職場環境作り」「隠れ残業の根絶」「シニア世代の活躍」の声も
・働き方改革がうまくいっていない理由は、非現実な目標値設定と残業削減施策のみであること
・働き方改革がうまくいっていると答えた企業は従業員満足度、業績が向上
・働き方改革がうまくいっている企業ほどのコミュニケーションの場づくりに注目していることが判明
・来期の働き方改革の予算確保企業は約4割、1000万円以上の予算確保も1割に
・今後取り組みたいこと「風通しの良い職場環境作り」「隠れ残業の根絶」「シニア世代の活躍」の声も
2006年創業以来、これまでに働き方改革コンサルティングを1,000社以上に提供してきた株式会社ワーク・ライフバランス(本社:東京都港区、代表取締役:小室淑恵) は、2019年11月に「働き方改革に関するアンケート」を実施し、調査結果をまとめました。
かねてからの生産性向上の推進とともに2019年春の労働基準法改正を受け、多くの企業が働き方改革に取り組み始めています。そのようななか、より働き方改革を推進していくことを目的に、働き方改革が失敗してしまう理由や背景、成功させるための準備といった知恵を探るべく、このたび当社は全国の20代以上のビジネスパーソンを対象に働き方改革の実態について調査を実施いたしました。
今回の調査で、働き方改革がうまくいっている実感を持つ人が34%にのぼり、2019年4月の労働基準法改正からわずか7か月で働き方改革の動きが進んできていることが見られました。また、失敗要因として非現実的な残業削減目標があること、成功の鍵はチーム内の人間関係の構築であり、成果が出ている企業の約6割は「社員同士の懇親の場づくり」へ取り組んでいることが浮き彫りとなりました。
このことから、2020年度以降の働き方改革は、残業削減に関する施策を基本としつつもそれだけにとどまらず、コミュニケーションの機会を活用したチーム作りやお互いの関係性の質を向上させていくことがカギを握るといえます。
また、継続した取組みが求められるなか、来期の働き方改革予算が1000万円以上の企業が1割で、専任担当者を設置する企業は約6割となる見込みであることが明らかとなりました。このことから2020年は2019年以上に本格的に働き方改革に取り組むことが予想されます。
さらに、今後取り組みたいこととして、風通しのよい職場づくりや隠れ残業の撲滅、シニア世代の活躍などがあがっており、各企業で働き方改革が重視される中、新たなテーマにも注目する必要があるでしょう。
<調査結果トピックス>
1.働き方改革の進捗について約34%が「働き方改革がうまくいっている」と実感
2.働き方改革がうまくいっていない」理由は、
第1位「数字追求型となり、現実的でない目標値の設定」、
第2位「働き方改革=残業削減と認識し、残業削減以外の施策をしていない」、
第3位「現場社員が必要性などを理解していないから」、
第4位「「社内調査や分析で終わっている」が主なものに
3.働き方改革がうまくいっていると答えた企業は従業員満足度、業績が向上
4.企業の働き方改革への取り組み内容では、チーム内の人間関係が成功の鍵であることが判明。
「コミュニケーション・社員同士の懇親の場づくり」に取り組む人は、働き方改革がうまくいっていない人よりうまくいっている人が約2割高い結果に
5.約6割の企業が働き方改革の専任担当者を設置もしくは設置予定で、本格的に取り組む実態が明らかに
6.来期の働き方改革に関する予算「1,000万円以上」と回答した企業が1割
7.2020年に働き方改革の一環として取り組みたいことは「風通しの良い職場環境作り」「"隠れ"残業の根絶」「シニア世代の活躍」
<調査結果>
1.働き方改革の進捗について約34%が「働き方改革がうまくいっている」と実感
本調査対象者のうち、約34%が「働き方改革がうまくいっている」実感を持っていると回答しました。2019年4月の働き方改革関連法の施行からわずか7か月で3割を超える人が働き方改革の進捗に前向きな実感を持っているといえます。他方、約32%は「働き方改革がうまくいかなくて悩んでいる」と回答し、今後さらに改革を進めていきたい意欲を感じる結果となりました。
2.「働き方改革がうまくいっていない」理由は、第1位「数字追求型となり、現実的でない目標値の設定」、第2位「働き方改革=残業削減と認識し、残業削減以外の施策をしていない」、第3位「現場社員が必要性などを理解していないから」、第4位「「社内調査や分析で終わっている」が主なものに
「働き方改革がうまくいっていない」理由としては、第1位「数字追求型となり、現実的でない目標値を設定(46.1%)」、第2位「働き方改革=残業削減と認識し、残業削減以外の施策をしていない(37.3%)」「社内調査や分析で終わっている(23.5%)」、第3位「現場社員が必要性などを理解していないから(27.5%)」、第4位「社内調査や分析で終わっている(23.5%)」という結果となりました。
現場の納得感などがないまま非現実的な目標を設定することや残業削減とあわせて従業員の意識改革など残業削減以外の施策をしていないことでかえって働き方改革の促進を阻害していることや、現状把握にとどまり実効性のある施策が後手に回っていることが推測できます。残業削減を基本としつつも、現実的な目標設定のための対話や従業員を巻き込んだ施策を進めることが有益といえます。
3.働き方改革がうまくいっていると答えた企業は従業員満足度、業績が向上
働き方改革がうまくいっていると答えた企業の成果についてみると、従業員満足度の向上が45.4%、業績の向上38.9%という結果になりました。
残業削減のみにとどまらず、関係の質の向上に取組んだ企業は業績向上に繋げることができると言えるでしょう。
4.企業の働き方改革への取り組み内容では、チーム内の人間関係が成功の鍵であることが判明。「コミュニケーション・社員同士の懇親の場づくり」に取り組む人は、働き方改革がうまくいっていない人よりうまくいっている人が約2割高い結果に
「コミュニケーション・社員同士の懇親の場づくり」についてみると、働き方改革の進捗について「うまくいっている」という実感を持つ人(全体の約34%)の約6割が取り組む一方で、「うまくいっていない」人においては約4割の実施にとどまり、「うまくいっている」人が2割高い結果でコミュニケーションに重点を置いている結果となりました。
組織の成功循環モデル(マサチューセッツ工科大学ダニエル・キム氏提唱)によると、組織が成功したりゴールを達成したりするためには“関係の質”(チームメンバーなどとお互いに理解を深め、お互いを尊重し、一緒に考えるなど対人関係の質)に着目することが重要とのことですが、まさに働き方改革を進めるためには「社員同士の懇親の場づくり」などにより“関係の質”を向上させることが有効と考えられます。
コミュニケーション・社員同士の懇親の場づ
うまくいっている企業 63ポイント
うまくいっていない企業 56ポイント
5.約6割の企業が働き方改革の専任担当者を設置もしくは設置予定で、本格的に取り組む実態が明らかに
働き方改革の専任担当者をすでに設置している企業が42.3%、今後設置予定の企業が19.4%と、約6割の企業が働き方改革の専任担当者を設置もしくは設置予定であることがわかりました。専任担当者を設置することで働き方改革を重要視し取り組みを加速させたい、という企業の意図が推測されます。
6.来期の働き方改革に関する予算が「1,000万円以上」と回答した企業が1割
来期の働き方改革に関する予算を確保している企業は全体の約4割を占め、確保していない企業(約3割)を上回る結果となりました。また、約1割の企業は1,000万円以上の予算を用意しており、働き方改革の本格化・規模の拡大が進んでいることが推測されます。
なお、今回の調査は働き方改革担当者以外も対象者となっていることから、予算について把握していない割合が高かったことが推測されます。
7.2020年に働き方改革の一環として取り組みたいことは「風通しの良い職場環境作り」「"隠れ"残業の根絶」「シニア世代の活躍」
2020年に取り組みたいこととして自由回答を求めたところ、従業員同士の仲の良さを向上させることや楽しい職場環境の整備など「風通しの良い職場環境作り」に関連することが多数挙がりました。
また、「“隠れ”残業の根絶」を挙げる人も多く、在宅勤務やテレワークなど働く場所の自由度が上がることによる持ち帰り残業やサービス残業に対する課題意識も高まっていることが見て取れます。さらに、定年退職後の社員の再雇用やワークシェアなど「シニア世代の活躍」に注目する人もいました。
これら以外の視点として、2020年4月以降中小企業も労働基準法改正の対象となるなか、社会全体でインターバル規制への対応や睡眠時間の確保、従業員の“ハピネス”の追求など、新たな取り組みにも注目が集まることが予想されます。
【調査概要】
調査名:株式会社ワーク・ライフバランス/第1回働き方改革に関する実態調査(2019年)
調査対象:インターネットリサーチモニター 年齢:20歳~70歳 性別:男女 居住地:全国
調査期間:2019年11月28日~29日
調査方法:インターネット調査
有効回答数:有効回答数:事前調査 15,066件、本調査330件
※回答率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までを表示しています。
そのため、合計数値は必ずしも100%とはならない場合があります。
◆株式会社ワーク・ライフバランスについて
会社名:株式会社ワーク・ライフバランス
サイト:https://work-life-b.co.jp/
創立年月:2006年7月
資本金:1,000万円
主な事業内容:
働き方改革コンサルティング事業・講演・研修事業
コンテンツビジネス事業・コンサルタント養成事業
2006年創業、以来14年にわたり企業の働き方改革により業績と従業員のモチベーションの双方を向上させることにこだわり、働き方改革コンサルティング事業を中心に展開。自社のコンサルタントも全員が残業ゼロで成果を上げる働き方を追究しており、社内からうまれた実効性のある施策を顧客に提供する働き方改革コンサルティングは、国土交通省、鹿島建設中部支店、住友生命保険相互会社、アイシン精機株式会社、内閣府、三重県、埼玉県教育委員会、など自治体・官公庁も含め1,000社以上が導入。残業30%削減に成功し、営業利益18%増加した企業や、残業81%削減し有給取得率4倍、利益率3倍になった企業など、長時間労働体質の企業への組織改革が強み。
働き方改革を支えるツールとして、「朝メール.com」「ワーク・ライフバランス組織診断」「介護と仕事の両立ナビ」等のWEBサービスを開発し、1000社以上が導入している。
2019年10月には、タイムマネジメント・ダイバーシティ・心理的安全性のすべてに関する気づきを一度に得られるカードゲーム体験型研修「ライフ・スイッチ」を開発、発売開始2か月で体験者数は300人を超える。
また、ワーク・ライフバランスコンサルタント養成講座を2009年から開催、卒業生1100名以上を輩出。認定を受けたコンサルタント約500名を全国に輩出し働き方改革コンサルティングを支援するなど、社会全体の課題解決にも意欲的に取り組んでいる。
代表取締役社長の小室淑恵は、2014年9月より安倍内閣「産業競争力会議」民間議員を務め、働き方改革関連法案施行に向けて活動し、2019年の国会審議で答弁。2019年4月の施行に貢献。国政とビジネスサイドの両面から働き方改革を推進している。年間200回の講演依頼を受けながら、自身も残業ゼロ、二児の母として両立している。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 調査レポート
- ビジネスカテゴリ
- 経営・コンサルティング
- ダウンロード