JATO 2020年2月欧州新車販売台数速報
新型コロナウイルスの影響は、2月の時点では欧州自動車市場へ達していなかった
自動車産業の世界的な調査会社であるJATO Japan Limitedは、欧州自動車市場についての最新レポートを公開した。
[本リリースは、2020年3月25日にJATO Dynamics Limitedが発表したプレスリリースを邦訳したものです]
● 販売台数は減少を続け、2月度として2015年以来最も少ない結果となった
● 電動車のマーケットシェアは、ほぼ13%へ拡大した
● 当月成長を記録したのは、ミッドサイズカーとバンのみであった
欧州新車市場の下降は、当月もずっと続いている。JATO Dynamicsのデータによれば、当月の販売台数は1,063,264台であり、2019年2月の1,143,852台から7.0%減少した。955,113台を販売した2015年2月以来、最も少ない2月度であった。この結果は、前年同月比で7.6%減となった1月とも重なる。今年の最初の2か月間で累計2,194,706台が販売されたが、すでに7.3%のマイナスを積み上げている。
JATOのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「複合的な規制、認証を受けた車両が不足していること、経済にのしかかる重圧が増大していることを受けて、欧州での状況は急速に悪化している。これらの要因は、消費者信頼感へも有害な影響を与えているのだ」と述べた。コロナウイルスの影響は、2020年2月29日の段階で、まだ欧州自動車市場へ達していなかったことがJATOのデータから分かる。6カ国のみ販売増となっているが、それは当月全体の4%にすぎない。
マイナスとなった状況に反して、電動車はまたも傑出した結果を残した。販売台数は、2019年2月の75,400台から、135,500台へと大幅に増えている。この80%以上の増加は、著しく少ない台数となったディーゼル車とガソリン車との引き換えによって生まれた。Munozは「今年になってこれまでのところ、欧州で運営している自動車会社にとって、電動車は唯一の命綱だ。これは良い知らせと言えるだろう。なぜなら、業界の電動化計画が、とうとう消費者から肯定的な反応として返ってきたからだ」と付け加えた。
さらには、電動車の台数は、欧州で最大の市場であるドイツ、フランスでは2倍以上となった。乗用車の中で電動車が占めるマーケットシェアは、ノルウェーが75%、スウェーデンで33%、フィンランドで31%、オランダで22%、ハンガリーで17%となっている。欧州主要5カ国の中では、フランスが先頭に立っており14%、イギリスが13%、ドイツが11%、スペインが10%、イタリアでは8.6%となった。
電動車が、現実的なガソリン車とディーゼル車の代替となっているため、SUVは競争の激しい環境の中で今もがいている。当月のSUVの販売台数は、前年同月比1.7%減となる415,300台となり、年度累計でも、昨年同期比1.4%減となる865,500台であった。減少の理由は、ラージSUVが17%増と大きく成長しているのに対し、コンパクトSUVが3.7%減少しているためである。SUVの販売台数は減少しているが、市場全体が縮小しているため、マーケットシェアは拡大している。
意外かもしれないが、ミッドサイズカーが、すべてのセグメントの中でもっとも大きな成長を記録した。これは新型となったBMW 3シリーズと、フォルクスワーゲン パサートのおかげである。2モデルを合わせた台数は、ミッドサイズセグメント全体の31%を占めている。昨年と異なるのは、ミッドサイズカーの好調な結果はテスラ モデル3によるものではないことで、当月はなんと6%減を記録した。昨年セダンは、消費者に2番目に好まれた乗用車のボディタイプとなった。世界全体では1,885万台を売り上げ、乗用車全体の4分の1に相当している。しかしながら、当月セダンの台数は6.8%減少した。
バンもまた、販売台数を伸ばしており、MPVのマーケットシェアを超えそうなほど成長している。MPVの台数は27%減となっているが。
ネガティブな状勢は、モデルランキングにも影響を与えている。フォルクスワーゲン ゴルフは、欧州販売首位の座を、ルノー ルーテシア(クリオ)に奪われた。これは、 新型ルーテシア(クリオ)が以前から販売されていたのに対して、新型ゴルフの納車がまだ始まったばかりであり、その間隙を突かれた形になったためだ。上位10位以内での変化としては、フィアット パンダが5位となったことと、SUVが全体的に順位を落としたことがある。
当月販売台数を伸ばしたのは、以下のモデルだ:フィアット 500、BMW 3シリーズ、フォルクスワーゲン パサート、ヒュンダイ コナ(Hyundai Kona)、BMW 1シリーズ、アウディ A4、ボルボ XC40、シトロエン C5 エアクロス。最近発表された新型車の中で重要なのは;13,600台を売り上げたトヨタ カローラ;フォルクスワーゲン T-Crossが11,600台;フォード プーマ(Puma)が7,500台;シュコダ カミック(Skoda Kamiq)が6,700台;シュコダ スカーラ(Skoda Scala)が5,100台;マツダ CX-30が4,600台;アウディ Q3 スポーツバックが3,900台;キア Xシード(Xceed)が3,700台;アウディ e-tronとDS 3 クロスバックがそれぞれ2,300台。
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https://www.jato.com/japan/media-insight/
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113-0024 東京都文京区西片 2-22-21 本郷MKビル2F
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● 販売台数は減少を続け、2月度として2015年以来最も少ない結果となった
● 電動車のマーケットシェアは、ほぼ13%へ拡大した
● 当月成長を記録したのは、ミッドサイズカーとバンのみであった
欧州新車市場の下降は、当月もずっと続いている。JATO Dynamicsのデータによれば、当月の販売台数は1,063,264台であり、2019年2月の1,143,852台から7.0%減少した。955,113台を販売した2015年2月以来、最も少ない2月度であった。この結果は、前年同月比で7.6%減となった1月とも重なる。今年の最初の2か月間で累計2,194,706台が販売されたが、すでに7.3%のマイナスを積み上げている。
JATOのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「複合的な規制、認証を受けた車両が不足していること、経済にのしかかる重圧が増大していることを受けて、欧州での状況は急速に悪化している。これらの要因は、消費者信頼感へも有害な影響を与えているのだ」と述べた。コロナウイルスの影響は、2020年2月29日の段階で、まだ欧州自動車市場へ達していなかったことがJATOのデータから分かる。6カ国のみ販売増となっているが、それは当月全体の4%にすぎない。
マイナスとなった状況に反して、電動車はまたも傑出した結果を残した。販売台数は、2019年2月の75,400台から、135,500台へと大幅に増えている。この80%以上の増加は、著しく少ない台数となったディーゼル車とガソリン車との引き換えによって生まれた。Munozは「今年になってこれまでのところ、欧州で運営している自動車会社にとって、電動車は唯一の命綱だ。これは良い知らせと言えるだろう。なぜなら、業界の電動化計画が、とうとう消費者から肯定的な反応として返ってきたからだ」と付け加えた。
さらには、電動車の台数は、欧州で最大の市場であるドイツ、フランスでは2倍以上となった。乗用車の中で電動車が占めるマーケットシェアは、ノルウェーが75%、スウェーデンで33%、フィンランドで31%、オランダで22%、ハンガリーで17%となっている。欧州主要5カ国の中では、フランスが先頭に立っており14%、イギリスが13%、ドイツが11%、スペインが10%、イタリアでは8.6%となった。
電動車が、現実的なガソリン車とディーゼル車の代替となっているため、SUVは競争の激しい環境の中で今もがいている。当月のSUVの販売台数は、前年同月比1.7%減となる415,300台となり、年度累計でも、昨年同期比1.4%減となる865,500台であった。減少の理由は、ラージSUVが17%増と大きく成長しているのに対し、コンパクトSUVが3.7%減少しているためである。SUVの販売台数は減少しているが、市場全体が縮小しているため、マーケットシェアは拡大している。
意外かもしれないが、ミッドサイズカーが、すべてのセグメントの中でもっとも大きな成長を記録した。これは新型となったBMW 3シリーズと、フォルクスワーゲン パサートのおかげである。2モデルを合わせた台数は、ミッドサイズセグメント全体の31%を占めている。昨年と異なるのは、ミッドサイズカーの好調な結果はテスラ モデル3によるものではないことで、当月はなんと6%減を記録した。昨年セダンは、消費者に2番目に好まれた乗用車のボディタイプとなった。世界全体では1,885万台を売り上げ、乗用車全体の4分の1に相当している。しかしながら、当月セダンの台数は6.8%減少した。
バンもまた、販売台数を伸ばしており、MPVのマーケットシェアを超えそうなほど成長している。MPVの台数は27%減となっているが。
ネガティブな状勢は、モデルランキングにも影響を与えている。フォルクスワーゲン ゴルフは、欧州販売首位の座を、ルノー ルーテシア(クリオ)に奪われた。これは、 新型ルーテシア(クリオ)が以前から販売されていたのに対して、新型ゴルフの納車がまだ始まったばかりであり、その間隙を突かれた形になったためだ。上位10位以内での変化としては、フィアット パンダが5位となったことと、SUVが全体的に順位を落としたことがある。
当月販売台数を伸ばしたのは、以下のモデルだ:フィアット 500、BMW 3シリーズ、フォルクスワーゲン パサート、ヒュンダイ コナ(Hyundai Kona)、BMW 1シリーズ、アウディ A4、ボルボ XC40、シトロエン C5 エアクロス。最近発表された新型車の中で重要なのは;13,600台を売り上げたトヨタ カローラ;フォルクスワーゲン T-Crossが11,600台;フォード プーマ(Puma)が7,500台;シュコダ カミック(Skoda Kamiq)が6,700台;シュコダ スカーラ(Skoda Scala)が5,100台;マツダ CX-30が4,600台;アウディ Q3 スポーツバックが3,900台;キア Xシード(Xceed)が3,700台;アウディ e-tronとDS 3 クロスバックがそれぞれ2,300台。
JATOについて
- JATOは、1984年に英国のロンドンで創業した自動車産業の調査会社です。日本法人は、1999年設立。世界50か国以上で様々なビジネスインテリジェンス・ソリューション(自動車の仕様装備や価格、販売台数、ニュース、インセンティブ情報)を提供しています。
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