MSCの消費者意識調査で、日本の消費者の3人に1人がサステナブル・シーフードを選ぶと回答

MSCジャパン

海洋環境への懸念から、日本の消費者行動にも変化が起きています。MSC(海洋管理協議会)が世界規模で実施した最新の消費者意識調査の結果、3人に1人が水産資源を守るために、今後、サステナブル・シーフードを選びたいと考えていることが明らかになりました。

MSCが委託した、独立調査分析機関であるグローブスキャン(GlobeScan)によるこの大規模な調査は、世界23カ国、計2万人を超える消費者を対象に行われました。その結果、世界平均では、水産物を購入する消費者の33%は海洋環境や水産資源の保護につながる製品に切り替える意思があることが明らかになりました。日本でも同様の傾向が表れており、日本の消費者の30%が同じように感じているとともに、25%が購入する魚種を変える意思があると回答しています。

また、日本では18~24歳の世代が、他の世代に比べて、水産物の購買行動を変えることに積極的であり、この世代の3人に1人が、昨年、水産資源を保護するために何らかの行動をとっています。その内容は、購入する魚種の変更(12%)、購入先の変更(12%)、海洋環境もしくは水産資源の保護につながるとされる製品への変更(2%)等です。

こうした変化の要因には、2040年までには好きな魚が食べられなくなってしまうのではないかという懸念があります。18~24歳の3人に1人がそのように回答しており、それより上の世代はやや楽観的で、懸念を示しているのは4人に1人の割合です。

科学者たちも同様に危惧しており、最近の調査研究においても持続可能な漁業が健全な海にとって不可欠であることが報告されています(注1)。地球生命の80%は海洋に生息しており(注2)、水産物は世界の30億人以上の人々の重要なタンパク源となっています(注3)。ところが、世界の漁業の3分の1は、持続可能なレベルを超えて漁獲されており、60%は限界まで獲られています(注4)。

独立した非営利団体であるMSCは、6月8日の「世界海洋デー」を契機に、“小さな「海のエコラベル」を選んで、大きな海を守ろう(Little Blue Label, Big Blue Future)”と題したグローバルキャンペーンをスタートしました。MSCの厳格な規格に適合した、持続可能な漁業で獲られた水産物の証であるMSC「海のエコラベル」の認知を向上させ、より多くの消費者にエコラベルの付いた水産物を選んでいただくことを目指しています。日本では、Twitterから生まれ、現在はSNSの枠を超えて人気となったキャラクター「しかるねこ」のオリジナル動画を配信。いつまでも魚を食べられるようにするために、何をすればよいのかを教えてくれます。動画をTwitterでツイートすれば、しかるねこグッズやMSC「海のエコラベル」付き製品が当たるチャンスもあります。

持続可能な漁業とは、十分な量の水産資源を残し、生態系を尊重し、漁業を生業とする人たちの暮らしを守ることができる漁業です。消費者はMSC「海のエコラベル」の付いた製品やメニューを選ぶというポジティブな行動をとることで、適切に管理された持続可能な漁業をサポートしながらシーフードを楽しむことができるのです。

MSC「海のエコラベル」付き製品のラインナップは日本でも豊富になってきています。消費者は店舗やレストランでシーフードを選ぶときにMSCの青いエコラベルを探すだけでいいのです。

MSCの最高責任者、ルパート・ハウズは次のように述べています。
「過剰漁獲、気候変動、そして環境汚染によって私たちの海にますます負荷がかかる状況において、消費者の選択はかつてないほどに重要になっています。今回の調査は、日常的に食べている水産物の供給源や調達方法について、消費者がどれだけ重要視しているかを示すものです。新型コロナウイルスの感染拡大により、水産業界はかつてない状況に直面しています。そうした中、私たちは持続可能な漁業に取り組む漁業者を支援し、海洋生態系を守り、未来の世代に水産資源を残すために、その一端を担うことができるのです。MSCの青いエコラベルを目印にして、サステナブル・シーフードを選んでください。」

注記:
注1: 持続可能な漁業を推進し、広い海域を保護し、汚染を制御すれば一世代のうちに海洋環境を回復できる可能性があるとする、科学者らによる国際研究が科学雑誌『ネイチャー』に発表されました(英語)。

注2: 地球上の動物の50〜80%は海面下で生息していると推定されています。詳細については『米国科学アカデミー紀要』 115(25)6506(英語)をご参照ください。

注3: FAO(国連食糧農業機関)によると、世界の32億の人々が1人あたりの動物性タンパク質の平均摂取量の20%近くを魚でまかなっています。FAO『2018年 世界漁業・養殖業白書』p70(英語)

注4: FAOによると、世界の水産資源の33%は過剰漁獲されており、1974年以来増加の一途をたどっています。60%は限界まで漁獲されています。

「世界海洋デー」について
6月8日の世界海洋デーは、海洋保護を協働で推進するために世界140カ国の賛同を得て制定された国連の記念日です。この取り組みを支援するため、「世界海洋デー」に合わせ、MSCはグローバルキャンペーン“小さな「海のエコラベル」を選んで、大きな海を守ろう”をスタートさせました。
日本でのキャンペーン特設サイト: https://www.msc.org/jp/2020cp

消費者意識調査について
この調査は、分析および戦略コンサルティングを行う独立機関、グローブスキャンが開発した最新の調査方法、標本抽出および質問形式を用いて実施されました。
調査は2020年の1月から3月にかけて行われました。信頼性の高い、大規模な各国消費者オンラインパネルから回答者を募り、水産物を購入する消費者を各国最低600名確保した上で実施されました。
調査には、次の23カ国の消費者が参加しました。オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、中国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカ合衆国
調査の主な対象者は、自分あるいは家族の誰かがこの2カ月の間に魚介類を購入したと回答した計20,876名の消費者です。

MSC(海洋管理協議会)について
将来の世代まで水産資源を残していくために、認証制度と水産エコラベルを通じて、持続可能で適切に管理された漁業の普及に努める国際非営利団体です。本部をロンドンとし1997年に設立され、現在は約20か国に事務所をおき世界中で活動しています。日本事務所は2007年に設立。2020年4月末時点で、世界約100か国で40,000品目以上のMSC「海のエコラベル」の付いた水産品が販売されています。日本では約900品目が登録されており、イオングループ、生協、セブン&アイグループなどで販売されています。

持続可能で適切に管理された漁業のためのMSC漁業認証規格は、世界で広く認知されており、最新かつ堅固な科学に基づき作られたものです。漁業がこの規格を満たすためには、(1)水産資源が持続可能であり、(2)漁業による環境への負荷が抑えられており、(3)長期的な持続可能性を確実なものにする管理システムが機能していることを、独立した審査機関による審査を通じて実証することが求められます。
詳しくはMSCウェブサイトをご覧ください:https://www.msc.org/jp

MSC「海のエコラベル」について
MSCの厳正な環境規格に適合した漁業で獲られた水産物にのみ認められる証、それが「海のエコラベル」です。

 

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会社概要

一般社団法人MSCジャパン

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URL
https://www.msc.org/jp
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都中央区日本橋兜町9-15 兜町住信ビル3階
電話番号
-
代表者名
石井幸造
上場
未上場
資本金
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設立
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