【株式会社ミライジンラボ】内閣官房が主導する新技術等実証制度「レギュラトリー・サンドボックス」に障害者雇用の実証実験において認定を受けました
株式会社ミライジンラボ(以下、当社)は、大手インフラ系企業でデータサイエンティストであった小林が2019年5月に創業しました。データ解析やシステム開発事業の傍ら、発達障害や精神障害を持った人々が働けるような仕組み作りを行っています。
◆レギュラトリーサンドボックス制度について
レギュラトリーサンドボックス制度とは、生産性向上特別措置法(平成30年6月6日施行)に基づき、新たなビジネスモデルの実施が、現行規制との関係で困難である場合に、新しい技術やビジネスモデルの社会実装に向け、事業者の申請に基づき、規制官庁の認定を受けた実証を行い、実証により得られた情報やデータを用いて規制の見直しに繋げていく制度です。当社は、生産性向上特別措置法の規定により厚生労働省から認定を受け、実証実験を行います。障害者雇用の分野ではこれが初めての認定となります。
参考URL:https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/regulatorysandbox.html
◆今回認定を受けた実証実験について
障害者雇用において、精神障害者は採用率が低いうえ、採用後も労働環境に馴染めず離職率も高くなっています。彼らの中には高い技術を持った者が多く含まれており、その能力が社会でより広く発揮できる方法は現在まだ確立されていません。 一方で、事業者にとって、先端IT技術者不足は深刻な事業課題となっています。
こういった課題を解決するために、具体的には、不二熱学工業で雇用する障害者を、不二熱学工業に在籍した状態で当社に出向させ、職業能力開発の一環として期間限定で当社にて勤務します。当社は出向元の不二熱学工業から、システム開発に関する業務を請け負い、障害者がシステム開発業務を遂行するにあたって、必要なサポートや適切な指導を行います。
◆実証計画の概要と認定について(内閣官房リリースより引用)
株式会社ミライジンラボ及び不二熱学工業株式会社が、新技術等実証制度(「規制のサンドボックス制度」)に基づいて申請した「潜在的ITスキルを有する障害者の雇用機会を創出する実証」に関する新技術等実証計画(以下「実証計画」という。)に対して、本日、主務大臣である厚生労働大臣が認定しました。
この実証計画では、障害レベルに適した柔軟な労働環境を提供することで、特定分野に特化した能力を有する障害者が、自らの潜在能力を引き出し、働くことの意欲向上につなげることができるかを検証します。同時に、本モデルを採用することで、出向元企業の法定雇用率カウント対象になりうることを確認し、障害者の雇用機会を創出することに繋げることができたかを検証します。
○内閣官房
http://www.cas.go.jp/jp/houdou/20200630sandbox.html
○厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12113.html
◆実証実験を行う背景
日本における障害者の数は、身体障害者(身体障害児を含む。以下同じ。)436万人、知的障害者(知的障害児を含む。以下同じ。)108万2千人、精神障害者419万3千人となっています。中でも精神障害者は、2011年から130万人以上増えるなど、他の二つよりも高い割合で増えていますが、雇用に繋がっているのは約8万人と2%程度です。 障害者の就労を支援する福祉制度はすでに存在していますが、支援を受けていても一般就労に繋がらない状況が数多く発生しています。(※1)
企業における障害者の雇用は障害者雇用率制度で義務付けられていますが、達成率が48%と半分もない状況となっています。この数字の要因としては、障害者の特性理解や業務棚卸などに対して企業側が負担を感じていることなど考えられます。さらに、その障害者雇用率制度自体も障害者を週20時間以上雇用することで算定されるため、長時間の労働が難しかったり、体調のアップダウンが激しかったりする精神障害者が雇用するハードルの一つになっているという見方をすることもできます。
◆実証実験から目指す社会
本モデルでの障害者の継続的な就労が実証された先として、当社のような技術と能力開発に特化した企業が、障害者を雇用する企業からの出向を受け入れることで、障害者雇用の負担を軽減させるモデルをより多くの企業で導入を進めること。または、障害者を雇用する団体などに発注をした企業に何らかのメリットが与えられる制度の構築を期待しています。
◆今後のスケジュール
2020年7月 実証実験開始
2021年1月 在籍出向終了・不二熱学工業での勤務開始
2021年6月 実証実験終了
◆代表・小林より
今回実現した実証実験は、私の原体験から思い描いたものです。友人が大学卒業後10年、データサイエンス部門で長年働いた私よりも遥かに高いIT技術を持ち合わせていたにも関わらず、引きこもっていたことを知りました。「技術力の高い人が働けない」そんな状況が発生し得る事に当時驚愕し、自分が暮らしてきた日本の事だと思えなかった事が契機です。 自分を守ってくれた現在の制度や仕組みには『働く人を守る盾』の側面がある一方で、彼のように障害や何らかの困難を持つ方たちにとっては『働く入口を閉ざす壁』の側面があるように感じました。
彼の姿勢を見て私の「働く意味」に大きな変化がありました。彼は自分の興味に照らして仕事を様々に楽しんでいるように見えました。技術的な部分だけでなく、データやプログラムに残る「人との触れ合い」を。働くことは単に収入を得ることではなく、働く事を通じて社会に参加し、そこで生まれ持った個性が色濃く反映された人間関係を形成し、それによって自分として生まれてきた価値を無意識に実感していたことに気付きました。
「自分を好きになる手段としての仕事」を小さく実験していくために立ち上げたのが、このミライジンラボです。最初の舞台となった本実証は、当初想像もできない方々からご賛同をいただき実現しました。実証を通して、人が生まれ持った力を発揮できなくしてしまう”人が作った壁”を飛び越えていくルートを作りたいと思っています。
◆会社紹介
社名 株式会社ミライジンラボ
設立年月日 2019年5月21日
代表者 小林宏樹
所在地 大阪府箕面市白島2丁目14番26号
事業内容 データ分析・システム開発の受託業務
会社HP https://mirai-jin.com/
※1 障害福祉サービス(就労移行支援・就労継続支援A型・就労継続支援B型)利用者からの一般就労への移行率は平成29年時点で4.3% となっています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/shurou.html
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