ポストコロナ時代における海外進出に関する意識調査
景気後退の中でも、多くのアジア企業は海外市場での事業展開に意欲的
2022年12月6日、ウェーバー・シャンドウィック(本部:米国ニューヨーク)は、グループ傘下のリサーチ会社KRCリサーチと協同し、日本をはじめ、アジアに本社を構えるグローバル企業に所属する218名を対象に実施した「Paths to Growth - ポストコロナ時代における海外進出に関する意識調査」を発表しました。
調査概要と結果から見えるインサイト
ウェーバー・シャンドウィックでは、日本をはじめ、アジアに本社を構えるグローバル企業に所属する218名を対象に、2022年9月14日から9月29日までの期間、海外進出や新市場での事業展開に関する意識調査を実施。調査の結果、アジア企業の経営陣の多くは、景気後退の中にも関わらず海外事業拡大に意欲的であるものの、国や企業によって、海外進出の目的や課題が大きく異なることがわかりました。
アジア企業が新規市場に進出する最大の目的は収益の拡大であることは依然として変わりませんが、昨今の地政学リスクや世界経済の停滞により、グローバル展開の道はますます複雑になってきています。回答者の大半は、「本社がある国内やアジア地域内での評判に比べ、海外での自社の評判は好ましくない」と感じており、海外進出における一番の課題は「サイバーセキュリティ」であると回答。また、日本では「海外市場における売上高と利益率が非常に重要」と答えた回答者は約半数にとどまりました。同様に、韓国では、国内での需要減少を補うために「海外での事業拡大が重要」と感じている回答者は多くないことが分かりました。
ウェーバー・シャンドウィックがこのような調査を実施した背景として、アジア太平洋地域のエグゼクティブ・バイス・プレジデントのケン・ホンは、次のように述べています。「ポストコロナ時代に経済活動の規制が緩和されることを受けて、アジア企業はどのように再起しようと戦略立てしているのかを調べるため、当調査を実施しました。中国への渡航はまだ制限されており、韓国では屋内でのマスク着用が義務付けられているため、以前のように戻ったと言うには尚早ですが、アジア企業の多くが、2023年以降に新規市場への事業拡大を意欲的に考えていることが、当調査から見えてくると思います。」
課題
海外事業拡大における最大の課題として挙がったのは、現地の需要把握(52%)、サプライチェーンの問題(50%)、現地での人材確保(38%)、現地の法律や規制の順守(45%)、現地の文化を理解する(51%)でした。
また、ほとんどの回答者が、「自社の評判はアジア太平洋地域以外ではあまり好ましくない」と考え、83%の回答者が「アジア太平洋地域内では評判が良い」と回答。列挙した以下の課題について、75%の回答者が全項目を「非常に重要である」と評価し、多くを課題に感じていることがわかりました。
自社のレピュテーションに対するの評価
自社のレピュテーションについて、大半の回答者は「アジア太平洋地域外ではあまり良くない」と回答したのに対し、83%が「アジア太平洋地域内の方が良い」と感じていることがわかりました。
社外コンサルタントの活用
アジアに拠点を置く企業の多くが、グローバル展開に際して外部のコンサルタントを利用していることが明らかになりました。回答者の約9割が、新規市場への進出に際して外部コンサルタントを利用したと答え、主に、グローバル市場における企業レピュテーションの構築とマネジメント(53%)や、法律や規制の遵守(46%)で、外部コンサルタントを活用しています。
調査本文はこちら:
https://www.webershandwick.jp/news/paths-to-growth-whats-next-for-asias-brands/
ウェーバー・シャンドウィックについて
ウェーバー・シャンドウィックは、戦略 x クリエイティブの両輪思考で、ビジネスソリューションを提供するグローバルPRエージェンシーです。私たちは、常に進化を続けているメディア、政策、テクノロジー、社会が融合して生まれる「文化」にこそ、ビジネス課題を解くカギがあると考え、これらの4つの要素の変化をいち早く深く捉えた上で、時代にあった最適なソリューションを生み出すことを使命としています。大胆な発想とPRの力を駆使した数々の施策は、ビジネス課題を解決に導いただけでなく、社会に影響を与えたと評され、2020年には、最も優秀な広告代理店を発表するAd Age Agency A-Listに選出された他、2019年にAd Age Best Places to Workを受賞しました。また、Campaign US PR Agency of the Year(2021年)、Provoke Global Agency of the Decade(2020)、PRWeek Global Agency of the Year(2015年、2016年、2017年、2018年)をはじめとする、世界のPR業界で最も名誉のある賞を受賞。また、世界最高峰のクリエイティブアワードのCannes Lionsでは、過去に135もの賞に輝き、うち2021年はPRエージェンシーとして最も多くの賞を授与。2021年には、唯一のPRエージェンシーとして、Gartner Magic Quadrant for Global Marketing Agencies特別賞を授与されました。ウェーバー・シャンドウィックは、世界最大級の広告・マーケティング会社インターパブリックグループ(NYSE:IPG)の傘下企業です。会社HP: www.webershandwick.jp
KRCリサーチについて
KRCリサーチは、調査データや独自の分析で、あらゆる課題の解決を導く、グローバルに展開するインターパブリック・グループ(NYSE: IPG)傘下のインサイト&リサーチ コンサルタントのエージェンシーです。小規模でありながら、高品質かつ細部にわたるリサーチと分析力で、30年以上にわたり、企業や政府、非営利団体、コミュニケーション・エージェンシーに対して、さまざまな分野の調査分析を提供。主なリサーチ分野は、コミュニケーション、公衆衛生、マーケティングキャンペーン、企業やブランドのレピュテーション、消費者、ステークホルダー、従業員のエンゲージメント。会社HP: www.krcresearch.com
調査方法について
KRCリサーチは2022年9月14日から9月29日にかけて、1対1の個人面接14名とアンケート調査218名を同時実施。
調査対象は、日本をはじめとするアジア太平洋地域(日本、中国、インド、韓国、シンガポール)に本社を構え、新規市場への進出を計画している企業の社員で、意思決定者かつ事業戦略を策定する管理職。
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