NPO法人抱樸が「2021 北九州SDGs 未来都市アワード」の大賞(市民部門)を受賞!「空き物件を活用した支援付き住宅事業」モデルの一層の拡大を。
福岡県の北九州市を中心に生活困窮者の支援を行っているNPO法人抱樸が、2022年3月にSDGsに貢献する優れたモデルを提供したとして「2021 北九州SDGs 未来都市アワード」の大賞を受賞しました。
NPO法人抱樸は、生活困窮者への支援という実践の中で「住まい」の重要性に着目し、かねてから住宅支援に取り組んできました。特に、2017年から本格的に開始した「空き物件を活用した支援付き住宅事業」は、社会問題になっている空き家・空き物件問題と生活困窮者の住宅確保問題を同時に解決するモデルとして、全国的な拡大をしてきました。このたび、この「空き物件を活用した支援付き住宅事業」が、北九州市からSDGsに貢献する優れたモデルとして「2021 北九州SDGs 未来都市アワード」の大賞を受賞することとなりました。
NPO法人抱樸は、1988年から福岡県の北九州市を拠点として、ホームレスの方の生活再建に対する包括的な支援を行ってきたNPO法人です(https://www.houboku.net/)。現在では、ホームレス支援にとどまらず、高齢・障がい等で困難に直面している方や、困窮家庭の子どもとその家族、就労不安定・居所不安定状態の方、刑務所出所者や社会的孤立状態にある方など支援の対象を広げており、取り組む事業の数は27に拡大しています。
- 抱樸による住まいの支援
しかし、単身高齢者や低所得者の方に対しては、保証人の不在や家賃の支払いに対する不安などから、大家さんも部屋を貸しづらいという現状があります。
他方、全国には800万戸の空き家・空き物件が存在し、社会問題になっています。
そこで、生活困窮者の住宅確保問題と空き家・空き物件問題を同時に解決するために、抱樸は以下の持続可能なモデルを考えました。
・大家さんから支援団体が一括で借り上げる(複数戸ということで賃料を考慮いただく)
・生活保護の最低基準住居扶助の金額で生活困窮者に支援団体が貸す
・賃料と家賃収入の差額分で相談員を雇う(エリアを集中させることで相談員の動きをよくする)
・困窮者は就労や生活の相談しながら次のステップへ向かうことができる
このモデルによって、大家さんは住宅確保要配慮者に直接部屋を貸し出す必要がなくなり、
さらに相談員が常に住人とコミュニケーションをとることで「安心感」というメリットも創出されます。
この「空き物件を活用した支援付き住宅」というモデルは、支援に関する助成金や委託費などの公的資金を一切入れずに支援事業を実施できることから、新たなソーシャルビジネスモデルとしてさらなる事業の拡大を目指しています。
- クラウドファンディングの実施
コロナがもたらした経済的な危機は、仕事と住居を同時に失う方々を多く生み出しました。
そこで、抱樸はそのような方々のいのちと暮らしを守るため、大規模なクラウドファンディングを実施し、全国の方々からの支援を募りました。
その結果、このクラウドファンディングでは1万人を超える方々から、総額1億円を超えるご寄付をいただくことができました。
これにより抱樸は全国9団体との間でパートナー契約を締結し、「空き物件を活用した支援付き住宅」モデルを全国に展開することができたのです。現在では全国に約180室の支援付き住宅が実現しています。
- 「2021 北九州SDGs 未来都市アワード」大賞の受賞
3月28日には、北九州市役所で授賞式が行われ、抱樸の代表者が参加。
企業部門で大賞を受賞されたエプソン販売株式会社さまとともに、北橋北九州市長より賞状を授与されました。
北橋市長からは、「住まいの問題と空き家問題という複合的な課題に真摯に取り組む姿勢が高く評価された」として、社会全体の広がりを期待するとのコメント。
抱樸の森松専務理事も、「今回受賞した支援付き住宅のスキームは、障がいがあったり生活に困窮しているような生きづらさを抱えた方々であっても、『地域で暮らし続けたい』と希望する限りそれを支えたいという思いから、長年の支援の中で作り上げてきたもの」「この新たなスキームを北九州から発信していき、北九州のまちが人を受け入れ支える地域であると言えるようにしていきたい」と述べました。
抱樸ではこれからもより多くの方に「住まいの支援」を届けるため、企業や団体など多様な方々との連携を深めていきたいと考えています。
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