ファラ・タライエが代表を務めるNND/NewNormDesignは東京建物株式会社(*)が所有するビルの一棟全面リニューアルを依頼され内装設計とデザイン監修を担当しました
Better Future, One Project at a Time
建築家デザイナーであり、サステナブルに関する豊富な知識と経験をもつファラ・タライエが主宰するNND/NewNormDesignは、主にサステナビリティに注力しながら、イノベーション デザインとSDG'sコンサルティング業務を推進しています。
今回、NND/NewNormDesignが担当したビルは、東京建物株式会社が、NEXTBLUE有限責任事業組合と協業し、新しくグローバルビジネスを目的とするスタートアップ企業などの拠点として運営していくため、「xBridge-Global/クロスブリッジ グローバル」とネーミングされています。
□「xBridge-Global/クロスブリッジ グローバル」/ NNDが内装設計とデザイン監修を担当
「xBridge-Global/クロスブリッジ グローバル」が建つのは、東京駅にも近い、東京駅の東側エリアです。東京建物株式会社は、八重洲・日本橋・京橋(YNK)エリアを世界的なビジネスの中心地として持続的に発展させるために様々なプレーヤーの集積と連携を生むイノベーション・エコシステムづくりを進めています。
そこで、サステナブルに関する豊富な知識と経験をもち、基本となるコンセプトが一致しているファラ・タライエが主宰するNND/NewNormDesignが、リニューアル関連のすべて、内装設計とデザイン監修などを担当することになったのです。
「xBridge-Global」は、グローバルスタートアップ企業向けの新拠点として、シェアオフィス「NEXTHUB」(2階から4階)などで構成されます。また、海外企業の日本支社で働く人たちに活用してもらい、日本でのビジネスネットワークづくりのためのコミュニティづくりを推進するなど、できるだけ幅広く対応できるよう配慮しています。
「xBridge-Global」の運営には、パートナーとして、日本と欧州のスタートアップ企業への投資と新市場展開支援を行うNEXTBLUE有限責任事業組合が参画し、とくにSDGsの達成や社会課題解決を促進するため、グローバルスタートアップ企業の誘致やコミュニティ形成などを担当します。さらに、大手企業やベンチャーキャピタルとの連携なども踏まえ、イノベーション・エコシステムの拠点として入居企業の成長や挑戦を支援します。
URL:https://nexthub.jp/
*東京建物株式会社=本社:東京都中央区 代表取締役社長執行役員:野村 均
*NEXTBLUE有限責任事業組合=本社:東京都港区
□「xBridge-Global」/サステナブルな取り組みとデザインコンセプト
「xBridge-Global」は、サステナブルな設計とデザインにこだわっています。デザインコンセプトは、“Old + New”です。そこで、内装設計とデザイン監修を担当するNNDとしては、できるだけ既存の壁や天井を活用することにより、内装工事にともなう廃棄物を約60%ほど削減しているほか、内壁の一部塗装には、貝殻からつくられる“柳川貝灰生しっくい”を使用するなど、徹底して地球環境のバランスにも配慮しています。
NNDは、SDG sによる持続可能な開発目標についても、可能な限り対応しながら、リノベーションに取り組んできました。具体的には、以下を目標として達成しています。
1. デザインをしたため、結果として⽣じてしまう廃棄物を削減します。
2. ブランドのために、ユニークなデザインを制作します。
3. 予算の範囲内でデザインします。
4. 照明設備や全体のデザイン、ゾーニングをコントロールすることで、エネルギー使⽤量に配慮しています。
5. 環境に優しく、持続可能な素材を積極的に使⽤しています。
床材カーペットタイルには、環境配慮型を採用しています。このカーペットタイルの表面パイルは、漁網やカーペットの廃材などをリサイクルした100%リサイクル⽷を使用し、裏面のバッキング材は、使用済カーペットタイルの廃材を再利用した素材を使用。CO2排出量を最大約61%削減(従来品比較)し、また、再生材比率は最大約49%を実現しています。
6. 家具の選定は、素材、リサイクル戦略、サステナビリティの観点で⾏います。
そのため、建物内に設置する家具の約70%は、使用済みペットボトルやカーペット廃材を利用したもの、アップサイクルしたもの、100%リサイクル可能なものなどを選ぶことで、環境に配慮しつつ、使い心地を追求し、SDG sにも貢献しています。
たとえば、リサイクルペットボトル素材で製造され、デザインや製造の各工程においても廃棄物を最小に抑え、スタッキングも可能なDeVorm製のチェアを採用しています。
7. 新素材の使⽤量を減らしています。
素材使用量の管理についても、古い壁は、新旧の壁を混在させ、新しい壁だけをフルメンテナンスすることで、壁面の材料使用料を最小限に抑えています。また、床材も、モルタル床を再利用し、新しい材料の使用料を最小化しています。
8. 働きがいや、経済成長についても、適正な価格のオフィスベースを提供することで、ネットワークづくりの機会まで提供し、地域の新しいビジネスの成長を支援していきます。
9. 産業と技術革新の基盤をつくるために、このプロジェクトでは、YNKエリアのイノベーションの成長を支援することを主な目的として、スタートアップやイノベーションに関する施設を設計しています。
10. 住み続けられる街づくりを考え、全体的なデザインはサステナビリティのルールを基準にし、地域への影響を最小限に抑えています。また、このビルは、スタートアップコミュニティのために持続可能なリノベーションが施されています。
11. つくる責任、つかう責任については、ビルの規模を考慮し、廃棄物を最小限に抑えました。さらに、材料の70%近くがサステナブルな背景を持っていて、完全にリサイクル可能なものを採用しています。
12. 気候変動に対する具体的な対策としては、サステナブルな素材を使用し、正しいレイアウトとプランニングによってエネルギー消費による気候への影響を抑えています。
13. パートナーシップによって、目標達成することも意識しています。このビルの全体的な目的は、パートナーシップやコラボレーションを促進することであり、地域にポジティブな影響を与えることです。
可能な限り、以上のようなSDG sによる持続可能な開発目標に取り組むと同時に、この施設では、再生可能エネルギー由来の電力を導入しています。環境価値を証書化した“トラッキング付非化石証書”付きの太陽光発電による電力供給を受け、施設内で使用する電力のCO2排出量を実質ゼロにし、サステナブルな社会の実現に貢献しています。
□ NND/NewNormDesign
2020年、サステナビリティを取り入れ、自然と共存するデザインを提案する建築デザイン事務所として設立したのが、NewNormDesignです。代表のファラ・タライエ自身は、いつの日か独立し、人と環境に心地よいインパクトをもたらすデザインチームを引っ張っていきたい、という、長い間の夢を実現しました。
NNDが提供することのできるデザインの領域は、かなり幅広く、住宅や教育施設から商業施設、そして、インテリアデザインまで手掛けていきます。
事務所を設立した背景には、コロナ感染症時代であることも影響しています。そのため、あらゆるものの隔たりを取り払い、世界の新しい規範であるNew Normとなるべき空間を再定義し、再びデザインすることを最大の目標としています。
NNDには、世界でもトップクラスの建築設計事務所とのビジネスをダイレクトに経験し、多彩なバックグラウンドをもつデザイナーたちが集まっており、そのため、NNDでは、各プロジェクトに対し、幅広い建築とデザインの知識を提供することができます。
NNDのデザインチームは、サステナブル建築、都市デザイン、インテリア デザイン、ロゴデザイン・CG、デジタル デザイン、ファッション マネジメントなど、それぞれ異なる分野を専門とする6名のメンバーで構成されています。
NNDのデザインプロセスは、単純に空間デザインだけではありません。トータルとしての美しさ、実用性、機能性、そして、ブランディングやサステナビリティ/持続可能性への配慮など、それぞれのプロジェクトを長期的に捉え、育んでいきます。
□NND代表 Fara Taraie/ファラ・タライエ
東京大学工学部建築学科卒
New Norm Design ファウンダー・デザイナー
IMPACTECH JAPANカントリーマネージャー
GEN Japan (Global Entrepreneurship Network )ボードメンバー
英国王立芸術協会フェロー
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