PQShield、耐量子計算機暗号の全国的な実装を目指すNEDOプログラムへの参画を発表

PQShield Ltd

  • 日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が助成するサイバーリサーチコンソーシアム(CRC)の再委託先に、耐量子計算機暗号(PQC)企業のPQShieldが任命されました。

  • NEDOはCRCへの資金提供を通じて、サイバー攻撃に対する日本の防御力および状況把握力の向上、そして共通のサイバーセキュリティ基盤の整備を目指す主要事業を支援しています。

  • PQShieldは、CRCの一員として、新たなPQC技術とプロトコルを設計する業務、そして現在世界で行われているPQC標準の策定に向けた研究開発業務を請け負っています。 

オックスフォード/東京、2024年7月11日-耐量子計算機暗号(PQC)を専門とするサイバーセキュリティ企業のPQShieldは、日本の量子サイバー攻撃に対する防御力を強化する政府NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプログラムに参画するため、日本のCRC(サイバーリサーチコンソーシアム)の一員となりました。CRCの再委託先として、日本全国のテクノロジーサプライチェーンに実装できるPQCプロトコルを設計・提供するとともに、現在世界で行われているPQC標準化プロセスにも貢献していく予定です。この事業は、CRCへの助成金という形でNEDOからの支援を受けています。

2024年8月、NISTのPQC標準の最終版が発表されました。これにより、世界中の企業、政府、機関は、暗号技術を最新化し、データを保護し、将来の量子攻撃から身を守るための明確な道筋を得ることができました。NEDOは、この最新化プロセスを日本で始動するため、NEDOが資金提供しCRCが実施するK Program内の新規事業である「先進的サイバー防御機能・分析能力強化」の一環として、PQC実装技術の研究を行うことを2024年7月に発表しました。この研究では、リング署名や閾値署名、閾値暗号など、耐量子暗号技術における高機能性の実現を目的としています。K Programは、民生用および防衛用の重要技術を調査するための日本の官民連携に基づいた研究開発イニシアティブです。

業界をリードするPQC企業のPQShieldは、2018年にオックスフォード大学のスピンアウトとして設立された後、NISTの暗号標準策定に直接関わってきましたが、この度、NEDOの助成を受けたCRCの再委託先に任命されました。業務としては、PQC技術の設計およびプロトコルの提供を請け負う予定です。CRC下での業務の指揮をとるのは、日本国内に拠点を置く暗号技術主任研究員の勝又秀一博士です。

CRCの一員としてPQShieldが請け負うNEDOのPQC事業は2つあります。1つはPQC技術を設計すること、もう1つは耐量子計算機に対して安全でないプロトコルをNISTの最新標準に合わせて更新できるように新たなプロトコルを産業技術総合研究所(産総研)と協力して構築することです。どちらの事業も、目下行われている堅牢なPQCグローバル標準同士を協調させる取り組みに資するものです。成果はすべて学術論文として発表され、PQShieldが設計した技術はNISTのマルチパーティ閾値暗号の募集に提出します。また、産総研と協力して構築したプロトコルはIETF(Internet Engineering Task Force)等に共有し、RFCとして公開を予定しています。

PQShieldは新しいPQC技術の設計と標準化に関して産総研と直接協力を行いますが、本事業はSCU、三菱電機、東京大学といったCRCの再委託先とも連携して業務を遂行します。本事業の全参加者は次のとおりです。

  • 株式会社 FFRI セキュリティ

  • 株式会社 Preferred Networks

  • 富⼠通株式会社

  • ⽇本電信電話株式会社(NTT)

  • Powder Keg Technologies 株式会社

  •  株式会社リチェルカセキュリティ

  • 三菱電機株式会社

  • ⽇本電気株式会社

  • 株式会社⽇⽴製作所

  • TOPPANデジタル株式会社

  • PQShield Ltd.

  • 株式会社セカフィー

  • 株式会社 SCU

  • 国⽴⼤学法⼈横浜国⽴⼤学

  • 学校法⼈早稲⽥⼤学

  • 学校法⼈慶應義塾

  • 国⽴研究開発法⼈産業技術総合研究所

  • 学校法⼈岩崎学園 情報セキュリティ⼤学院⼤学

PQShieldは、本共同事業を通じて、日本と世界全体のテクノロジーサプライチェーンの機能性および安全性の強化を目指しています。その中では、PQCの基礎となる格子問題の難しさに関する研究開発も行い、現行の暗号標準の基本的な安全性を理解することにつなげる予定です。PQShieldは、ミライズテクノロジーズ、住友電工、NTTデータグループなどとパートナー関係を結び、すでに日本で強い存在感を示しています。今回のNEDOプログラムへの参画により、市場での存在感がさらに増し、日本チームの拡大につながると考えています。

PQShieldの創業者兼CEOアリ・エル・カーファラニ博士: 「量子計算機から重要インフラを守るには、官民学の力強い連携が必要です。意欲的な本事業は、量子の脅威から身を守る上で欠かせないステップです。日本は、PQShieldにとって重要な市場であり、世界のテクノロジーサプライチェーンにおいても重要な役割を果たしています。今回、NEDOおよび日本政府と協力して全国的なPQC実装をお手伝いし、将来のサイバー脅威からの保護に貢献できることを嬉しく思います。」

産総研のサイバーフィジカルセキュリティ研究センター長の松本勉氏: 「耐量子計算機暗号を全国的に実装することは非常に重要な事業です。その中でカギとなってくるのは、既存のプロトコルをNISTの最新標準に合わせて更新するというミッションです。この重要ミッションをお手伝いできることを喜ばしく思うとともに、PQShieldをはじめとするCRCの再委託先の仲間たちと力を合わせ、RFCとして公開できる新たなプロトコルを設計・標準化できるのを楽しみにしています。」

PQShieldが参画するCRCおよびNEDO事業は、2024年から2026年にかけて実施されます。最終的な標準化文書は2026年に発表される予定です。

以上

PQShieldについて

PQShieldは、世界主要組織の未来のセキュリティレイヤーを動かすグローバルスタンダードとコア技術を創出する耐量子計算機暗号(PQC)企業です。PQShieldの耐量子計算機暗号ソリューションは、企業のレガシーシステムと連携し、現在そして数年先まで機密データを守ります。PQShieldは、チップ、アプリケーション、クラウド上で耐量子暗号を高い品質でセキュアに実装できる唯一のサイバーセキュリティ企業です。また、PQCサイドチャネル攻撃(SCA)耐性の分野もリードし、業界のパートナーとともに専用のPQC SCAテストラボを立ち上げています。さらに、世界中のPQC標準化プロジェクトにも大きく貢献しています。

PQShieldは、英国に本社を置き、ヨーロッパ各国と米国、日本にチームを擁し、Addition、Oxford Science Enterprises(旧OSI)、Kindred Capital、Crane Venture Partners、InnovateUKから出資を受けています。PQShieldの豊富な研究論文はこちらからご覧いただけます。

産業技術総合研究所(産総研)について

産業技術総合研究所(産総研)は、日本最大級の公的研究機関であり、日本の産業や社会にとって有用な技術の創出と実用化、そして革新的な技術シーズと商業化の間にあるギャップの「橋渡し」に力を入れています。

そのための体制として、産総研では、コア技術を束ね、総合力として発揮するための5領域2センターを設置しています。

国のイノベーションシステムの中心となるパイオニア的存在として、全国12か所の研究拠点で約2,300名の研究者を擁し、イノベーションを取り巻く環境の変化を踏まえつつ、策定された国家戦略に基づいて研究開発を行っています。

また、産総研では、世界各国の主要研究機関との間で包括的研究協力協定(MOU)を締結するなど、グローバルネットワークの構築にも積極的に取り組んでいます。

NEDOについて

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、持続可能な社会の実現に必要な技術開発を促進し、それによってイノベーションを創出する日本の国立研究開発法人です。イノベーションアクセラレーターとしての役割を持ち、リスクは高いが実用性のある革新技術の開発と実証を担うことで、社会課題の解決に貢献しています。NEDOについて詳しくはhttps://www.nedo.go.jp/english/index.htmlをご覧ください。

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会社概要

PQShield Ltd

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URL
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業種
情報通信
本社所在地
Prama House 267 Banbury Road Oxford OX2 7HT UK
電話番号
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代表者名
上田康大
上場
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資本金
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設立
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