初の国産小型ディスクハロー「KUSANAGI MDH1820」を今秋発売
作業能率3倍、燃費6割減のディスクハローを50馬力クラス向けに新開発
国内の農作物生産現場では人手不足が深刻であり、大規模化のためにもより高効率な農業機械が求められています。弊社が2020年に発売したトルコのヒサルラー社製ディスクハローは、高効率、低燃費、高いコストパフォーマンスで、販売台数は導入開始から3年で2倍以上に伸びています。大型トラクター対応機として好評を得ているこのディスクハローを、このたび、市場のボリュームゾーンである中型トラクター向けの商品として独自に開発、国内で生産して販売します。
ディスクハローは大型のトラクター向けの輸入製品がほとんどで、多くは北海道などの大規模圃場で使用されていますが、今回の製品は、本州での利用も多い45〜60馬力のトラクターで使用できる唯一の国産ショートディスクタイプ・ディスクハロー*です。
*ディスクハローとは、トラクターの動力を使わずに作業機の重さを利用し、円盤型のディスクで土を切るようにして粗耕起や緑肥・雑草の鋤き込みを高速で行なえる作業機です。
〈"KUSANAGI" ネーミングの由来〉
当社が本社を置く出雲国の神話に登場する草薙の剣から命名。本製品を製造する出雲地方を連想する名前で、草を切る性能の高さを表現しています。
〈製品の特長〉
大型のディスクハローをそのままダインサイジングするのでは、50馬力クラスのトラクターには重すぎて使用できず、逆に50馬力用に軽量化すると耕耘部(ディスク)の接地圧不足になり十分な耕耘深度を得ることができません。今回の製品は、独自の構造により軽量化と耕耘深度を両立することに成功しました。また、耕耘幅も対応するトラクタートレッドに適した2m幅としたことで、高い作業性を発揮できます。
■対応馬力
45~60馬力のトラクター。国内大手メーカーで販売されている同作業機としては最小の対応馬力。
■製品の特長
作業能率は既存ロータリーの約3倍(時速8-10km/h)、燃料は約6割削減。
※当社社内比較による。圃場条件などによって作業速度や効率、燃費は異なる場合があります。
■発売時期
2023年10月
■寸法
耕耘幅2m(一般に使用される同クラスの既存ロータリーと同程度の耕耘幅)
■重量
730kg
■想定顧客
水田・畑作を営む中規模農家(大型個人、法人、耕作面積3~20ha規模)
■価格
134万2千円(税込/予定)。 大手が販売するショートディスクハローとしては最安。(当社調べ:2023.5.29現在)
〈本製品のメリット〉
・作業能率が圧倒的に高い
既存ロータリー(2km/h)の約5倍の耕耘スピード。圃場によっては2回耕耘が望ましい場合がありますが、それを勘案しても作業効率は概ね3倍。燃料は約6割削減できます。条件にもよりますが、1ヘクタール程度の圃場なら約1時間で耕せます。
・「砕土性」「均平性」に優れる
ロータリーによる耕耘は土を細かく粉砕しすぎるため、降雨後に硬化しひび割れを起こしますが、ディスクハローは土を細かくし過ぎず降雨後に硬化しにくいです。そのため、根張りや根への水分・空気の供給の点でロータリーに勝り、粗耕起に最適です。
・環境にやさしい。秋耕に最適
低燃費で作業時間が短く済むため秋耕が行いやすく、除草や緑肥の鋤込みもできます。秋耕は化学肥料使用量の低減や温室効果ガスの削減につながります。農林水産省では「みどりの食料システム戦略」の中で、温室効果ガスのメタン排出量削減に秋耕が有効として推奨しており、収穫後の水田では秋耕を行うことによりメタン排出量を5割削減できるとしています。また、秋耕を行うことにより地力が回復し、翌春の減肥にもつながるため、環境にやさしい農業につながります。※参考資料もご参照ください。
〈モニターした農家の感想〉
・「通常の畑の耕耘の他に、休耕地や畑脇の空き地に生えた雑草の除草目的でもディスクハローを使用してみた。例年、ブームスプレーヤーで行う除草だが、除草剤の購入費用も数十万円節約できると思った」
・「ロータリーに比べ作業能率が3倍以上なので、天気が心配な時にも素早く作業を終わらせることができ、導入すれば自分の時間や家族との時間が作れるようになりそう」
・「燃料費高騰下の経費削減のために、稲刈り後の秋耕を行わないようにしていたが、ロータリーに比べ面積当たりの燃費がかなり抑えられるので、これなら秋耕をしたいと感じた」
・「水稲の裏作で大豆を作っているが、裏表の切り替えのインターバルを極力減らすため、例年その時期は非常に多忙で解決策を探していた。ディスクハローは解決策になりうると感じた」
・「北海道で大型のディスクハローを使って緑肥(えん麦)の鋤き込みを行っているが、この小型ディスクハローをえん麦に使用してみて、大型機と遜色ない仕上がりを実感し、驚いた」
[参考資料]
〈秋耕について〉
・農林水産省 農産局農業環境対策課資料(2021.3.12)より
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/ondanka/attach/pdf/index-72.pdf
→日本の農林水産分野から排出される温室効果ガスの46.2%をメタンが占めており、CO2(34.1%)を超える割合(P.5)
→政府は農地土壌に係る温室効果ガス削減対策として、2030年度目標でメタン排出量を 2013年度比104万t-/CO2(64~243万t)削減するとしている(P.7)
→農林水産分野GHGの中において稲作の占める割合は42%で、秋耕を行うことにより水田からのメタン排出量を5割削減可能(P.11)
・農林水産 大臣官房統計部資料(2022.4.20)より
https://www.maff.go.jp/j/finding/mind/attach/pdf/index-74.pdf
→既に秋耕に取り組んでいる割合は6割程度(P.2)
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