医療的ケア児 小笠原諸島へ:イルカ・ウミガメ・海水浴! 障がい児と家族5泊6日の挑戦
新たな体験に輝いた「子」、笑顔弾けた「兄弟」、癒やしを感じた「親」:家族全員が満喫した旅
AYAは、障がいのある子や医療的ケアがある子どもと保護者を対象としたNPO法人です。子どもの可能性を広げたい保護者の気持ちを叶えたり、医療面の課題を克服できず諦めてしまっていたチャレンジを実現したりと、さまざまな取り組みを行っています。
今回は世界遺産である小笠原諸島を舞台に2組のご家族、合計6人が参加し、本人だけでなく兄弟や親御さんも楽しめる旅行プログラムに取り組みました。
実施内容
プログラムの背景①「わたしたち」AYAが主催する理由
プログラムの背景②なぜ、小笠原諸島なのか
今後に向けて
実施内容
「ドルフィンウォッチング」
船に乗ってイルカを間近で見るツアー
「キャベツビーチ」
ウェットスーツを着て、澄んだ海でたくさんの魚に囲まれて楽しんだ海水浴
「小笠原海洋センター」
保護活動されているウミガメをのんびり鑑賞
「旅先での現地飯」
ミキサー食対応で小笠原の魚をおしゃれに調理してもらい楽しんだ食事会
プログラムは事前視察による現地との直接の打合わせを実施し、準備を整えた上で実施されました。
自治体・福祉センター・診療所・フェリー関係者や飲食店など多くの協力をいただいています。
観光だけでなく町歩きして現地の生活に触れるなか、現地の親御さん・子どもさんと交流の機会もいただきました。
プログラムの背景①
● 「わたしたち」AYAが主催する理由
・アンケートで多い「旅行がしたい」をかなえる
・医療者が帯同できる当団体の特徴を活用する
AYAは、これまで活動の中で参加者からのアンケートを実施してきました。「旅行に行きたい」という声はその中で少なくありません。
対象児・家族の旅行支援に関してはほかの団体も活動されています。今回、当団体は医師の同行による医療面での安心があるからこそのプログラムを検討しました。
医療者帯同による安心と実利には大きなメリットがあります。発作が起きた際など、通常の生活圏ではなく旅行先での対応には多かれ少なかれ不安があります。
また、旅行先によっては医療環境の限界もあるため、事前の確認と調整や必要な知識の提供が重要です。
こうした対応は何より受け入れ先の安心にもつながります。問題が生じた際の適切な医療機関受診を含めた対応を旅行者側が担保することは、受け入れ先にとって重要です。
プログラムの背景②
● なぜ、小笠原諸島なのか
・ 「こんな体験があったんだ!」を提供したい
・物理的心理的なバリアフリー環境を本人・家族・受け入れ先といっしょに作りたい
障がいのある子とご家族と、旅行という「非日常体験」を満喫したい――そんな想いから、AYAは小笠原諸島をプログラム実施先に選びました。
アンケートから見えてきた思いの一端は「非日常の
体験」でした。近所のお出かけも準備が通常より必要な家族にとって、旅行はあきらめにも似た思いを抱かれる方もいます。
海や水辺といった希望もありましたが、こうした場所こそリスクや対策が必要な場所です。AYAは「え?そんな場所に!?」という驚きと喜びをともに得られるプログラムを企画しました。
物理的にも心理的ハードルがある水辺の旅行を、本人/家族・受け入れ先といっしょに実現することにしました。
物理的ハードルはゼロにすることはできません。ただ2者とAYAが協働することで工夫し心理的なハードルを乗り越えることができればチャレンジできないことはない、という思いでした。
具体的なプログラム実施場所の選定理由としては、アクセシビリティ・小笠原諸島の豊かな自然環境・現地の皆様の強く温かいサポートが挙げられます。
旅行で特に重要になるのはアクセシビリティです。移動手段の多様性や車いすの利用など、身体的・知的・精神的な障がいにおける様々なニーズを考慮し実施場所を探しました。
事前視察で、小笠原諸島へのアクセシビリティは非常に良いことが分かりました。
まず、整ったバリアフリー環境である「フェリー」です。救護室、シャワー付きの大きなトイレなどをはじめ、多目的室やエレベーターなども完備されていると分かりました。
フェリー到着後の現地移動も平坦な道路を中心にスムーズであることが分かり、障がいのある方の旅行にとって1つのハードルである移動の問題はクリアしました。
食事・宿泊に関しても、現地の飲食店や宿泊施設が、どんな人にも喜んでもらおうと非常に前向きな姿勢で対応してくださいました。ミキサー食を喜んで準備してくださったレストラン、スロープが整備されたカフェ、細かな要望にも全力で答えてくださった宿泊施設――小笠原諸島の皆様の協力がありました。
到着してからの移動はじめ旅行先で安心して過ごせるような仕組みが整っている小笠原諸島で、物理的かつ心理的なバリアフリーな環境と、現地の協力があったからこそプログラムが実現しました。
参加者の声
〇〇は生まれた時から素敵な人に出会う運を持っていると感じていて。今回も〇〇のおかげで素晴らしい出会いを持つ事が出来ました。〇〇に感謝です。
参加して本当に本当に良かったです。海も穏やかでイルカも沢山、何より海で嬉しそうに泳ぐ子供達を見ることができました。
夕食時のペースト食のクオリティの高さ!大絶賛でした。小笠原飲食店の皆さんの心温まるサービスが、全国いや世界に広まってほしいと祈っています。
子どものペースで一緒に寄り添ってくださりありがとうございました。母1人でついシュノーケルを楽しんでしまいました。
とても久しぶりで、思い切り私も楽しんでしまいました。
△△(障がい児の兄弟)は現地にお友達ができてとても楽しんでいました。我慢の多い△△が思い切りお友達と遊んでいるのを見るとホッとします。
今後に向けて
今回の小笠原プログラムは、「AYAが対象とする子どもたち」が素敵な出会いを作ってくれたおかげで、素晴らしいプログラムとなりました。
わたしたちは普段、どんな子どもも可能性と機会は公平だという思いで活動しています。ハンディや制約にとらわれることなく、チャレンジすることをあきらめなくていいというメッセージをご本人にも親御さんにも届けてきました。
そして取り組みでは子どもたちが置かれている状況があってこその「出会い」を大切にしています。今回のプログラムも、参加者同士や現地の方との出会いと交流すべては、子どもたちが繋いでくれたものです。
本人だけでなく、孤立感や疲弊を感じることも少なくない保護者のリラックスにつながったことも大きな収穫でした。プログラムを機にまた小笠原諸島に訪れるなど、本人・ご家族にとって外部との接点・新たな関係性のきっかけとなれば幸いです。
今後もAYAは障がいのある子どもたちとご家族と活動していきます。ご関心ある方はぜひ、どんな内容でも結構ですのでご連絡を頂けると幸いです。
特定非営利活動法人 AYAについて
代表理事:中川 悠樹
所在地:東京都中央区日本橋兜町6番5号
X(Twitter):https://twitter.com/npo_aya
Facebook:https://www.facebook.com/npoaya
Instagram: https://www.instagram.com/npo_aya/
AYAのMISSION
『スポーツ・芸術・文化を通して、子どもたちの世界観が広がる機会を提供します』
子供たちが今まで困難だと思っていた新たな世界への第一歩を踏み出す、
そのサポートをすることがAYAの使命です。
AYAのVALUE
『子どもたちを 前向きに 周りの人たちも 幸せに』
子どもたちは冒険への第一歩を踏み出すことで、「挑戦すれば何でもできるんだ」と前向きな気持ちになります。
子どもたちの前向きな気持ちは、周りの人たちを幸せにします。
「幸せの輪」が社会全体へ広がっていく、そんな世界をAYAは思い描いています。
『AYA』に込めた4つの想い
あやこ:「AYA」設立のきっかけとなった女の子の名前
Action to Your Adventure:冒険への第一歩を踏み出そう!
愛(Ai)x 勇気(Yuki)= 明日(Asu)への挑戦:
家族や支援者からの「愛」と本人の「勇気」で、「明日」に向かって挑戦しよう!
彩(あや):「彩(いろど)」り豊かな人生を送ろう!
【法人概要】
団況にいる病気と闘う子どもたちを「スポーツ・芸術・文化」と3つのカテゴリーにて支援。
【該当状況例】
長期療養のため入院している
化学療法の休薬期間で一時帰宅している
安定した病状で自宅療養している など
【主な協力施設】
ポートロイド
小笠原自然探検隊ONE
小笠原村診療所
http://www.ogasawaraclinic.jp/
チャーリー・ブラウン
https://tabelog.com/tokyo/A1331/A133102/13121447/dtlmenu/photo/
オーベルジュ・サトウ
小笠原海運
https://www.ogasawarakaiun.co.jp/
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