盤内機器メーカ8社協賛!北米輸出に必要なUL規格で規定するSCCR値(短絡遮断容量値)を解説したSCCRポータルを開設
輸出時の規制が厳格な北米市場に向けて、機械や装置の輸出に必要なUL規格のSCCR(Short current circuit rate:短絡遮断容量値)を解説した「SCCRポータル」を新たに開設しました。協賛メーカ8社は各社が持つSCCR対応製品について情報をわかりやすく開示し、電気設計者の業務時間の短縮やモノつくりの標準化に貢献します。
1.SCCR総合サイトの必要性
装置を輸出するためには、輸入国が定める規格に沿った設計が必要となり、規格準拠のために要する設計変更やモノつくりの変更は機械装置メーカ、盤メーカの大きな負担になっています。
米国向け制御盤の電気設計では、産業用制御盤の規格UL508Aにおいて、SCCRに関する記述がありますが、実設計においては、難解な解釈が必要となり、高いハードルとなっています。
これらの情報は主に各機器メーカのホームページから入手できますが、メーカによっても記載内容が異なります。また、UL508Aは都度改訂を行っており、対象機器が拡大していることから、本来の電気設計の業務でない規格対応への負担がさらに増加しています。
こうした状況を踏まえ、機器メーカ間の垣根を越えた情報提供の構築による、設計者への支援が必要と考えました。
2.メーカ間の垣根を超えたサイト開設の背景
制御盤製造に用いる盤内機器は、製品単体での差別化が図りづらくなっており、各社製品選定サポートや購入後のサービス等に力を注いでおります。
一方、制御盤内にはたくさんの電気機器が使用されるため、1社で賄うことができません。
その解決手段として、代理店等の商社が製品選定や調達のサポート役を担っておりますが、SCCRの対応については、上述のとおり規格の改訂や対象範囲の変更の他、機器同士を組み合わせた試験も必要になるため、各機器メーカ主導による情報提供に頼らざるを得ません。
このような背景もあり、お客様のご要望に応えたい機器メーカ間が手を組み、SCCRに関する情報発信のサイト開設にいたりました。
今後、さらに賛同いただくメーカ様を募り、サイトを拡充していく方針です。
3.本サイトによるメリット
1)複数社のSCCR値を一度に確認できる
従来では、企業別に検索、問い合わせをしなければならなかったSCCRを一度に確認することが可能です。さらに掲載されているデータは随時最新に更新されるので、使用しているメーカの製品がある場合、本サイトを確認すれば、いつでも最新の情報を入手することができます。
本サイトを活用いただくことで、SCCRの調査時間、企業からの回答待ち時間、最新情報との比較時間などの無駄な時間を省くことができ、本来業務である設計時間の確保に貢献します。
2) SCCR対象機器を電気回路※から検索できる
今後SCCRを検討しなければならない初心者から、すでに熟知されている設計者を考慮し、様々な検索の仕方を準備しました。その中でも電気設計者の日常業務に近い、電気回路よりSCCR値を検索する方法を設けました。
これにより自社製品の電気回路に沿った検索が可能となり、対象機器も検討しやすくなると想定しております。
※なお電気回路はSCCRを理解しやすいようにまとめた回路図です。この回路のままで各規格への対応可能を保証したものではございません。
3) SCCRや規格に関する資料を調べることができる
新規に北米輸出用の回路を設計する方に対して、基礎的なことから最新の情報、SCCRに関連する規格情報(NFPAやNECなど)、社内勉強会など現場で役に立つ情報を集めたページを準備しました。今後お客様の声を反映し、さらに必要な情報を充実できるように、協賛メーカとも連携強化していきます。
(参考).「SCCR(Short current circuit rate:短絡遮断容量値)」の概要
「SCCR」とはShort Circuit Current Ratingの略で、機械装置・盤が耐えられる短絡電流の最大値のことを指し、機械装置を電気事故による火災を防ぐために規格で定められています。
○米国では、制御盤の銘板にSCCR値の表示を義務化
米国の州法として採用されている米国電気設備基準(NEC)や産業用機械の電気規格NFPA79では、産業用制御盤にSCCR値を表示することが義務となりました。
○米国で要求されるSCCRは、盤内機器の一番小さいSCCR値が適用
SCCRの対象範囲は動力回路、ならびに動力回路に繋がる電源部分の一次側までとなり、主回路に接続される機器はそれぞれSCCR値を持っています。制御盤のSCCR値は、接続される一番小さな盤内機器のSCCR値となります。機械装置メーカ、盤メーカはユーザの要求に応じたSCCR値を持った電気設計が必要となります。
4.公開日
5月12日
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