A-STEP実装支援(返済型)における株式会社テックラボに対する開発支援の決定
科学技術振興機構(JST、理事長 橋本 和仁)は、研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)実装支援(返済型)の2023年度募集における開発課題を選定し、株式会社テックラボ(本社:東京都多摩市、代表取締役 畠山 裕史)に対する開発支援を決定しました。
■ A-STEP実装支援(返済型)について
1.概要
本制度は、大学等の研究成果(技術シーズ)の社会実装を目指すベンチャー企業等を対象に、革新的な製品・サービス創出に向けた実用化開発を開発費の貸し付けにより支援するものです。出資と異なり、株式を発行せずに調達可能な資金として無利子で利用できます。
2.対象企業:ベンチャー企業等
3.支援規模
・開発期間:最長3年間
・開発費:上限5億円(四半期ごとに概算額を前払い)
4.返済条件:
・返済額 :JSTが支出した開発費の全額
・利 率 :無利子
・返済期間:開発終了後、10年以内(うち最長3年間は返済猶予が可能)
・返済方法:一括又は分割(事業計画に応じる)
※開発終了後の事後評価結果(高評価順にS,A,B,C)がB評価以上の場合です
5.担保または保証:開発費総額の10%相当分
6.ご相談期間:通年で随時受付中
■ 株式会社テックラボに係る開発課題の概要
1.開発課題名
レプリカ法による光学研磨不要な超軽量高精度CFRPミラーの開発
2.技術シーズを創出した大学等の研究者
愛媛大学 大学院理工学研究科 教授 粟木 久光
3.開発実施企業
株式会社テックラボ
4.開発概要
液晶ディスプレイ(LCD)製造装置におけるバーミラーの軽量化に向けて、熱膨張率が小さく軽量であるというCFRP(炭素繊維強化樹脂)の特徴を生かした、CFRP製ミラーの実現が望まれてきた。そのためには、炭素繊維や繊維束に起因してCFRP表面に凹凸が生ずるプリントスルー(繊維模様が表面に表れる現象)と、大型化に伴って影響が大きくなる全体的なたわみを解決する必要がありました。
そこで、愛媛大学の研究成果を用いて、CFRPに生ずる局所的な表面の凹凸と、大型化に伴って影響が大きくなる全体的たわみの両方を解消する技術の開発を行うことで、CFRP製の軽量かつ高精度な大型バーミラーの事業化を目指します。
本開発により大型バーミラーの軽量化が実現されることで、LCD製造市場で、製造時間の短縮など、生産効率向上への貢献が期待されます。将来的には、高精度・大型化が求められる半導体製造装置や人工衛星搭載の望遠鏡用のバーミラーへの展開も期待されます。
■ お問い合わせ先
科学技術振興機構 スタートアップ・技術移転推進部
〒102-0076 東京都千代田区五番町7 K’s五番町
A-STEP実装支援 担当
Tel:03-5214-8995
E-mail:jitsuyoka@jst.go.jp
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