上田安子服飾専門学校、トライアルプログラムで学生が実用性を追求したガーメントバッグをデザイン。社会的意義を重視し、グッドデザイン賞に挑戦。
プロジェクトの概要と目的:
上田安子服飾専門学校は、昨今の市場潮流では必須となる
「D2C」領域にも対応可能なデザイン技術を習得すべく、
新たなデザイン・プログラムをトライアル運用として開始しました。
このプログラムでは、学生が自らの経験を基にデザインし、
日常の課題を解決する実践的なワークを行います。
第一回目の今回は実用性を追求したガーメントバッグのデザインに取り組み、社会的意義を重視しました。
グッドデザイン賞への挑戦を経て、校内でのテスト使用後、自校サイトに特設する、
「期間限定オンラインストア」での販売を検討しています。
具体的な取り組み内容:
日々の授業で作品や型紙を持ち運ぶ学生達は、家から学校のクラスへ、幾つものバッグを持ち運び、
作品を取り出す度にシワを取る作業を休憩時間で行っていました。
学生達はその課題に取り組み、作品の持ち運び作業を軽減し、複数のバッグを持たずに移動できる
ガーメントバッグを設計しました。
-
素材の選定:
学内の残原料ビニール、梱包材などをアップサイクルとして活用し、
表地はリサイクルナイロンを使用、
90%以上をサステナブル素材で形成しています。 -
デザインプロセス:
ファッションスクールならではの独創的な創造力を発揮し、搬送時のシワになる課題解決になる様、
内部に設置した2本の筒をデザインし、布地などを巻くことでシワや寄れを防ぎます。
また、一般流通のバッグとは異なるカラフルな色使いで特徴づけをしています。 -
校内テスト:
実際に学生がバッグを使用し、ユーザーテスト情報を基に各部を改良。
このガーメントバッグは、持続可能性を考慮した素材とデザインを用い、
機能性とファッション本来の楽しさを兼ね備えた製品です。
具体的なエピソード:
このガーメントバッグは、私たち服飾学校の学生自身が日々の授業や通学時に感じた問題点から
「こんなバッグがあるといいのに」というリアルな意見を集約してデザインしました。
衣服資材や製図用具、型紙など、多量の荷物をオールインワンで詰め込んで収納できる仕様にすることで、
服飾学生の問題解決にコミットしてみました。
また、使いやすさという機能だけでなく、
「持っている楽しさと遊び感覚、自分仕様に使えるオリジナリティ」といった付加価値で、
ファッションバッグという市場の新たなニーズにもアプローチできたと思います。
素材選びにもSDGsを意識して、自分たちの身の回りにある資材を活用して、
サスティナブルなモノづくりを学ぶことができました。
西口 友喜
持続可能性やアップサイクルの重要性:
リサイクル素材や学内の残材をプログラムに活用し、実務としてサステナブル・プロダクトの製品化を実現しています。
こうして、デザインと機能性を兼ね備えた新たなデザインワークへの意識を学生に持たせることを重視しています。
学生が社会に出る前に、サステナブルをファッションの標準として受け入れることで、
実社会でビジネスに関わる際にも、次世代のファッション・ビジネスパーソンとしてスムーズにスタートを切ることができます。
プロジェクトの将来計画や期待される成果:
このガーメントバッグは校内テストの後、上田安子服飾専門学校のECサイトで販売を検討しています。
今回の取組を検証した上で、次年度のプログラムへ反映させていきます。
実社会での様々な制約に囚われない自由で独創的なクリエイティブに、
実践的な消費者視点を加えたファッションプロダクトが、
将来的には多くのユーザーに支持されることが期待されています。
上田安子服飾専門学校
1941年創立の上田安子服飾専門学校は、大阪・梅田にある西日本最大級のファッション専門学校です。
創立者上田安子はクリスチャン・ディオールに師事し、日本にオートクチュール技術を導入しました。
同校は「技術」「感性」「知性」「時代性」を重視し、クリエイターを育成しています。
3Dモデリングなどの最新のファッション技術とデザインスキルを学ぶ教育プログラムを提供し、
フランスやイタリアでの研修を通じて国際感覚を養います。
また、世界のファッション機関との実践プロジェクトを通じて、
企画から生産、販売までの総合的なプロデュース能力を育成し、
グローバルなビジネス展開を目指すプロフェッショナルを育てています。
◆学校法人上田学園 上田安子服飾専門学校
所在地:大阪市北区芝田 2 丁目 5 番 8 号
TEL:06-6371-1661 / FAX:06-6375-2820
◆この件での取材・お問い合わせはこちらまで
上田安子服飾専門学校 学生部:udminfo@uedagakuen.ac.jp
すべての画像